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ココロテン

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竹内心のイベント「ココロテン」が、2023年4月18日(火)~4月23日(日)、渋谷のギャラリー・ルデコ6階で開催されました。ここでは、会場で公開した朗読音声を紹介します。
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記事一覧

朝焼け

ココロテン

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彼との最後。

自分がつまらない人間だと思った。
人に合わせること、合わされること。
考えれば考えるほど生きづらいけど。
今日は気分で歩いて帰りたいと思った。
音楽も聴かず、街の音を聞きながら。

遠くに見える高層ビル、廃れたカラオケ屋。

曖昧な感情を押し殺して、
朝焼けの国道沿いを歩く。

世の中には情報が多すぎる。
いろいろな情報で溢れていて、
本質の部分で大事なことが霞んでしまいそうな気が

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天国

ココロテン

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天国は本当にあるんだろうか。

大勢の人は天国といったら
空の上にあるイメージをするけど
私は下の方にあると思っている。
物理的なこともそうだけど、
はるか下の方に世界が広がっていてもいんじゃないだろうか。
見えない世界には無限大な可能性がある。

私はうまく笑うことができない。

先日、おばあちゃんが亡くなった。
私の記憶の中では元気だったおばあちゃん。
亡くなる数ヶ月前に電話で話して、
私の体

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深呼吸

ココロテン

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川を見ると思い出すことがあります。

僕はまだ中学生で、
ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に揺られ
学校に向かっていました。

電車が川を渡るちょうどその時、
川の真ん中に立つ女性がいました。
彼女は自殺を考えているのかもしれない。
僕は急ぎ電車を降り、川に向かって走りました。
川は逸る気持ちと裏腹に、ゆっくりと流れておりました。

たどり着くと彼女はスカートを膝まで捲りあげ
気持ちよさそうに水と遊んで

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ココロテン

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上を見れば、私より優れている人ばかりだ。
努力も、才能も、好きという気持ちさえ、
私よりずっと上がいる。

手を伸ばせば伸ばすほど、
その距離の遠さが身に染みて、
いつしか私は上を見るのを止めた。

もう疲れたからと、
好きではなくなったからと、
諦める理由はどんどん溢れた。
思えば思うほど、どんどんと嫌いになった。

下を見る。
下には、目の前に広がる新しい景色に目を輝かせ、
今は届かぬ未来に手

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歩く

ココロテン

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深夜にカラスが鳴いていた。
それを聞きながら私は眠りにつく。

長期休みが取れて久しぶりに地元に帰ってきた。
地元の空気が懐かしく感じる。
高校を卒業して以来、地元の友人、
働いていたバイト先の人とは一切連絡を取っていなかった。

当時のわたし、今のわたし。
なにかが変わったのかな。

陽の光を感じて目が覚める。
みんな元気にしてるかな。
最近ラジオを聴いていたらパーソナリティーの声が
昔好きだっ

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また会おう

ココロテン

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どうぶつ島に捕らえられている
竜の子供を助けに行ったり、
小林くんと探偵団を作って大泥棒と戦ったり、
クラスメイトと恋バナして
夢を語って秘密を打ち明けながら夜通し歩いて、
黒髪の乙女を追いかけて
酔いにまみれた奇妙奇天烈な京の夜を駆け巡って。

私は私で、誰にもなれない。
それでも、手に収まるこの本は
私をいろんな世界に連れて行ってくれる。

楽しいこと、悲しいことを経験して
いろんな感情が溢れ

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こうして世界が

ココロテン

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世界の中心で愛を叫んでいたら怒られたのでやめた。

それは佐々木さんだった。

「おはようございます」と僕は言った。
「こんばんは」と佐々木さんは答えた。

今は夜だった。
朝になった。

僕は「こんばんは」と言うしかなかったでのでそう言う。
佐々木さんもまた「おはようございます」と言うほかなかった。
そのようにして繰り返すうちに叫びたくなった。

そう思ったときすでにこの場所が世界の中心として

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ある日、あの人は言葉を捨てた。
言葉は間違って伝わるから。
川添さんはそう思ったのだと僕は思う。

だから今となっては川添さんと話すことができない。
川添さんは言葉を持たず、
川添さんにあるのは川添さんの真実、
それだけだった。

川添さんは言葉を捨ててもなお、僕の近くにいる。
そんな川添さんを見ていると、何か音がする。
そのことが僕には感覚できる。

音は川添さんの真実を表している。
いま、それ

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「ブラックコーヒーは飲めないけど、
シロップで甘いのも嫌、ラテはホットがいいから、
やっぱり夏はコレに限る、でしょ?」

彼女からの誘いで久しぶりに会った僕らは、
懐かしい喫茶店にいた。

「さすが、よくわかってる」

あの頃と変わらない笑顔で
二杯目のアイスをつつく彼女を見て、
可愛いなと思った。

「……結婚する?」

あの時はずっと言えなかったのに、
なぜか今日はおはようを言うみたいに言えた

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白い部屋

ココロテン

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もうなにもしたくない。毎日そう呟いて目を閉じる。

ある日、目を開けると僕は白い部屋にいた。
なんの音も聞こえない、
目に見えるのはただ真っ白な景色で、
なるほどたしかにこれは何もできないなと察した。

しばらくは悠々それを楽しんだが、
どのくらい時間が経っただろう。
ふと、いつかの雨の日、
ずぶ濡れのままにゃあにゃあと鳴く
子猫を無視した夜を思い出した。

きっと君や僕がいなくなっても
何事もな

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