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「苦楽」ではなく「苦喜」

苦しみに遇ったことは私によい事です。

これによって私は真実を悟ることができました。

この言葉が出る人は「ホンモノ」です。

苦・楽を共にする――

苦と楽は表裏一体のものだとみられがちですが、

苦は楽ではなく喜びを生み出すものです。

楽になることだけを求めると苦の意味を忘れ去ります。

喜びに転換されて始めて苦の意味が判ります。

「人に知られていないようであるが認められ、

死にかかっているようであるが見よ生きており、

懲らしめられているようであるが殺されず、

悲しんでいるようであるが常に喜んでおり、

貧しいようであるが多くの人を富ませ、

何も持たないようであるが、全てのものを持っている」

これが苦しみを楽しみではなく、喜びに変えた人です。

楽しみにおぼれる人は苦しみをすぐ忘れ、また地獄に帰っていきます。

喜びの人はその喜びを一人でも多くの人に分かち与えようと、

喜びづくりに励みます。

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