![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29395783/rectangle_large_type_2_1e95bc14478e4cf3a7b53d47142cebb1.jpeg?width=1200)
豚の上で待ち合わせ
日曜日。
僕は兄の家に遊びに行った。
一時に集合のところ、パートナーの都合で到着は四時過ぎになった。
男四人、そして僕達。
ポケモンの対戦を見せてもらったり、
こちらが持って行ったゲームを試してもらい
兄の手料理が登場。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29395866/picture_pc_c25b87190fd0a83a8632670687e24e24.jpeg?width=1200)
とても美味しかったらしい。
そして友人が持ってきてくれたお酒とケーキも少し頂いた。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29395902/picture_pc_135c409058ce128dba078a59b15e74e9.jpeg?width=1200)
兄が二ヶ月前に誕生日だったので
ケーキは兄の誕生日仕様。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29395920/picture_pc_bc4f411a4285f2d69d1e946bde501acd.jpeg?width=1200)
幸せな気分の僕達は
大好きな人の配信を聴きながら電車に揺られた。
帰りたくなかった。
いつもなら駅のホームで時間を過ごすところ
iPhoneの充電があまり無かった。
「イヤホン挿しながら充電出来ないね。」
僕がそう言うと
表に出ていた人格が驚きの提案をした。
『土手に行こう』
本当に土手に向かい、草の生い茂った階段を降りて土手に着いた。
真っ暗な土手。
対岸の夜景が綺麗に見えた。
「本当に土手に来てしまった。」
人格交代。僕が表に出た。
思わずTwitterに呟いた。
大音量で配信を聴き、iPhoneの充電を始めた。
少し向こうでは男女が花火をしていた。
あちらもこちらもお互いに気にしてはいなかった。
僕は僕よりも大きな豚の置き物の上に寝転んだ。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29396052/picture_pc_b588116c18409a297da2b6d0492e4b59.jpeg?width=1200)
【今日の私のやべー格好だれかにみてほしいわ】
とある方のツイート。
全てはここから始まった。
「反対側の土手に居るので来て下さい。」と僕。
本当に向かってくれる事になった。
それは夜の二二一七。
「配信が終わるまでに来て下さい。」
パートナーが寝る時間を考えて書いたツイート。
しかし配信は続き、遂には他の方が続けて配信をし始めた。
いつしか僕と彼女のツイートは
「織姫と彦星」と言われていた。
僕が彦星になれる自信は無かった。
大音量で流れる配信
下ろし立てのリュックを枕に
僕は他の人格達と話しながら
空に輝く月と星を握っていた。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29396125/picture_pc_06b86093fe31c3f308e41555afe8ba58.jpeg?width=1200)
頭の方から誰かが近付く音がした。
クロックスが土手を踏む音。
僕はゆっくりと起き上がり
音の方向を見た。
「本当に会えた。」
嬉しくて堪らなかったけれど
寒さにやられて少し話しただけで人格交代をしてしまった。
「○○さんだwww」と他の人格。
持っていたカフェオレとありったけの絆創膏を渡した。
そこから色々話をしていた。
会話は僕達と彼女だけの秘密。
「あと少しで今日が終わりますよ。
なんかハッピーニューイヤーみたいですね。」
『それならハッピーニューデイズですね!』
と彼女が笑う。
月曜日を一緒に迎えた。
【ハッピーニューデイズ!】
土手に響く二人の声。
ケラケラと笑いながら日曜日が終わり
月曜日が始まった。
「歩いて帰る」と言った彼女。
電車を提案したけれど。
ワープでもしない限り間に合わない事が発覚。
『一時間歩けば家に着く』
心配だけれど、彼女の慣れと絆創膏を信じてお別れ。
どうやら泥にはまってガン萎えしたそうだけれど
配信をしながら無事帰宅してくれた。
朝、僕がTwitterを見ると
彼女も全然寝ていなかった。
今度は昼頃お会いましょうか。
https://note.com/mamii_onakaitai/n/nfdc2fd32d7db?sub_rt=share_pw