見出し画像

精神科訪問看護の有用性について

看護師 山田祥和

 精神科訪問看護をやっていると、特に意味がないんじゃないか、別に医療じゃなくてもいいんじゃないか、という声を耳にします。

 私自身、精神科訪問看護を始めた十数年前、正直自分が精神疾患に罹患しても精神科訪問看護を受けるのは絶対やめようと思っていました。
 質問攻めにされたり、会話を持たせるために気を使ったり、入れ替わり立ち替わり色々な看護師が来て、同じ話を何度もしなければならなくて、受ける方は大変だと思っていました。

 しかし、今は自分が病気になったら精神科訪問看護を受けます。家族や友人が病気になっても勧めます。

 精神的にダメージを負っていると人間関係を築くのが難しくなり、孤独になりがちです。その点、慣れた看護師が定期的に来てくれると安心できます。雑談するだけでも、たとえ話さなくても来てくるだけでこころが軽くなります。何かの時に助けてくれるよき相談相手になってくれます。

 そして自分も社会に参加しているという社会的帰属感も得られます。

 ではそれが医療(精神科訪問看護)でなければならないのかというと、私としては、やはり精神疾患を熟知している専門的な看護師がいいと思います。確かに一番大切なのは支援者の人柄ですが、経験や知識があってもマイナスはありません。

 今は寛解していても、悪化した時の病気を知っている医療者としての視点があると安心です。

 国連の幸せの度数を測る調査に、一人当たりGDP、健康寿命などの他に、社会的支援が含まれています。社会的支援とは「困った時にいつでも頼れる人がいるかいないか」です。
 つまり、よき相談相手になる精神科訪問看護は、幸福度を測る指数になっているとも言えます。

まとめると精神科訪問看護は

①よき相談相手になる

②社会的帰属感を得られる

③国連の幸福度指数の一つとなっている 少し大袈裟かも😁

 私たちは神奈川県伊勢原市、秦野市、平塚市を中心に支援していますが、精神科を対象とした訪問看護ステーションは日本全国にあります。当然ステーションの特色があり、違いがあると思いますが、一度話を聞いてみてもいいと思います。

 不安や孤独を感じている人には特におすすめです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?