ピアサポーターと精神科訪問看護師

精神科訪問看護ステーションで働く当事者と看護師の話です。当事者として病気の経験を活かした視点から記事を書いています。看護師は地域で生活しやすくなる工夫を書いています。 不登校や引きこもりの支援もしています。 訪問看護こころいK https://www.kokoroik.com/

ピアサポーターと精神科訪問看護師

精神科訪問看護ステーションで働く当事者と看護師の話です。当事者として病気の経験を活かした視点から記事を書いています。看護師は地域で生活しやすくなる工夫を書いています。 不登校や引きこもりの支援もしています。 訪問看護こころいK https://www.kokoroik.com/

最近の記事

できることが仕事になる社会

看護師 山田祥和 本日は、まとまりもなく、結論も出ないことを思ったままに書きます。 これからの日本の人口は減るばかりです。防ぎようがありません。当然働く人口は減ります。 パーソル総合研究所の「労働市場の未来推計2030」によると、2030年には7073万人の労働需要に対し、見込める労働供給は6429万人であり、644万人もの人手不足になると予測されています。 国も何とか働く人をと、定年以降の雇用機会を確保したり、子育てしながら働きやすいように職場環境を整えたりと労働

    • 認知行動療法のヒント②

      看護師 山田祥和 言っても言っても同じ失敗をする。 何度言っても忘れ物をする。 いくら言っても片付けられない。 いつも靴下を脱ぎっぱなしにする 私たちは、「自分の思い通りにならない」ときにイライラを感じることが多いです。 家族や同僚、部下が期待通りの行動をしない、子どもが何度注意しても変わらない、部屋が片付かないなど、自分の価値観に反する行動に対しての反応です? この「思い通りにしたい」という気持ちが、イライラを引き起こす要因です。 一方で、同じ状況でもイライ

      • 幻聴への対処法

        看護師 山田祥和 統合失調症の症状に幻聴というものがあります。よい幻聴ならいいのですが、大抵悪い幻聴が多いです。 幻聴の種類には、電波やベルの音が鳴る、音楽が流れる、人の声が聴こえるなどがあります。 その中で厄介なのは、人の声です。その声が知り合いの声でしかも悪口ならいい気がしません。 そんな幻聴が聞こえてきた時の対処法は人それぞれです。 みなさん色々工夫されています。薬を飲むのもいい対処法ですが、私がおすすめなのは、何か聴こえてきたら、まずは幻聴と思うことです。ヒ

        • ピアサポーターになるまで 私の半生②

          ピアサポーター 金子祐也 本日は中学生の時からの話をしたいと思います。 前回の続きはこちらです。 通常中学生になると衝動性は落ち着いてくるものですが、私の場合、感情を爆発させることもありまして、ある時、教室の机と椅子を全て外に投げ出してしまったこともあります。 人の話を聞くのも苦手で、人の話に割り込み、気がつくと自分の話をしています。 変な雰囲気を感じてやめますがもう時は遅いです。何度もそれで失敗してきました。 一人でいる方が楽でした。 勉強の方は、地理、世界史

          進んで勉強する子に育てるには

          看護師 山田祥和 不登校支援をしていると、ご家庭で時々このような質問をされます。 「学校は行かなくてもいいけどせめて勉強はしてほしいんですが」 「勉強しろと言っても全然しないんです」 「スマホばかりで、制限をかけると怒り出すし、困っています」 「夜遅くまでスマホ見ていて寝ろと言っても寝ないんですよ」 どこのご家庭でもありますよね。 お父さん、お母さんは決まって言います。 「勉強しな。将来のためだぞ」 「ゲームばかりしているな」 「いつまでスマホ見てるのよ。

          進んで勉強する子に育てるには

          精神疾患の予防 発達障害の二次障害を予防する②

          看護師 山田祥和 前回の記事の続きです 発達障害はその障害の特性からどうしても二次障害(例えば、うつ病や不安障害、依存症などの精神的な問題)を起こしやすいです。 じっとしてられない→怒られる 不注意→怒られる 片付けが苦手→怒られる 空気が読めない→孤独 共感性が乏しい→孤独 コミュニケーションが苦手→孤独 自信がなくなり、人との関わりも億劫になってきます。生きにくさを感じます。 するとうつ病や不安障害といった二次障害を引き起こす可能性があります。 当然

          精神疾患の予防 発達障害の二次障害を予防する②

          精神疾患の予防 発達障害の二次障害を予防する①

          看護師 山田祥和 私は精神医療に携わって20年以上経ちますが、その中で思うことは、精神疾患の中には「予防できる疾患」があるということです。 もちろん遺伝的なりやすさや、生まれてきた環境など自分ではどうすることもできないこともありますが、ある程度の知識と対処方法を持っていれば、予防できる精神疾患はあるとおもいます。 特に、発達障害の二次障害による精神疾患(うつ病、不安障害、適応障害などなど)は予防可能です。むしろ予防しなければなりません。 発達障害を抱えていると、空気の

          精神疾患の予防 発達障害の二次障害を予防する①

          ピアサポーターになるまで 私の半生①

          ピアサポーター 金子祐也 今日は私のこれまでの半生を話していきたいと思います。 私は神奈川県平塚市に生まれました。出生時特に問題はありませんでした。 3歳の時に空き地で幼馴染と遊んでいるとき、鉄の棒を幼馴染の額に当ててしまい、けがをさせてしまったことを今でも憶えています。これが最初の記憶です。 その他、幼稚園に入る前の記憶として残っているのが、家の階段の一番上から、頭から落ちてしまい、九死に一生を得たことです。理由は分かりませんが、足からではなく、何故か頭から階段を降

          ピアサポーターになるまで 私の半生①

          学習障害は現代だから障害になってしまう

          看護師 山田祥和  訪問看護の利用者さんの中には学習障害を抱えている方もいます。学習障害があると、学校は書くこと、読むこと、計算することが大前提になってきますので、とても大変です。  授業は地獄です。  それは行きたくないです。  学習障害(LD)とは、知的能力に特に問題がないにもかかわらず、特定の認知機能における困難が原因で学習に障害が生じる状態を指します。文章がすらすら読めない、字が書けない、計算できないなどなど。  よく考えると、文字や数字がない縄文時代などで

          学習障害は現代だから障害になってしまう

          どうしても会社に行きたくない状態からの一歩を踏み出す勇気

          ピアサポーター 金子祐也  この1ヶ月私は一時的に会社に行けなくなっていました。  鬱状態が強く動けなくなっていました。生きるのが面倒臭く、どうでもよくなっていました。  会社やプライベートで何かあったわけではなく、特に理由はないのです。  周期的に訪れるアレです!  しかしながら生活していくうえで働かないと家賃が払えないという切迫した状況もあり、力を少しだけ振り絞って、会社に行く決断をしました。  しかし、出勤3時間前くらいから色々とネガティブな理由をつけて、会

          どうしても会社に行きたくない状態からの一歩を踏み出す勇気

          人に優しくなる 〜自然を感じて〜

          ピアサポーター 金子祐也  自分が精一杯な時ほど、人に優しくするのが難しくなってしまいます。  私自身もゆとりがなくなり、自分のことだけになってしまうことが多いです。人に優しくしたいと思っていてもできないことがあります。  冷たい態度をとってしまって、後で自己嫌悪に陥ることもあります。  けれどもこころにゆとりがあれば人に優しくなれます。  SNS上では暴言や誹謗中傷が目につきます。それらを中心としたYouTubeが視聴回数を多く獲得しているところをみますと、現代人

          人に優しくなる 〜自然を感じて〜

          ありのままの自分を受け入れるということ

          看護師 山田祥和  先日ピアスタッフの記事を読んで、改めて自分を受け入れることができれば楽になるんだと思いました。  相談の中には、自分を周りと比べてしまって、なんて自分はダメなんだという思いが聞かれます。  人が他人と比べてしまうことはよくあることで、全てが悪いことではありませんが、辛くなってしまいます。  幼馴染は海外でバリバリ仕事をしているのに自分は、、、  親友は結婚して幸せな家庭を築いているのに自分は、、、  同僚は仕事もでき、どんどん出世していくのに自

          ありのままの自分を受け入れるということ

          嫌な過去を許す ~過去と向き合い前に進むために~

          ピアサポーター 金子祐也  これはあくまで私の経験談なので、他の人に当てはまるかわかりませんが、参考になればと思い、書いています。  私は過去にあった嫌な出来事や、嫌な人間関係を思い出しては後悔していました。  フラッシュバックするのです。  その都度こころを病みます。  誰にでも思い出したくない過去や許せない人がいると思います。そしてそこばかりに執着してしまい、なかなか前へと進むことができない時があります。  過去への執着は人を過去に縛り付け、頭の中で支配的にな

          嫌な過去を許す ~過去と向き合い前に進むために~

          ヤンキー社長、強迫症になる②

          看護師 山田祥和  前回の続きです。利用者さんが同じ強迫症の人の役に立てればという思いで協力してしてくれています。  ヤンキーでイケイケだった自分が強迫症になるまではこちら  気合いと根性の自分が、精神科に通院するなど思ってもいませんでした。  誰でも精神疾患になるのか!  最初に病院の先生から病気だと言われ、実は内心ほっとした部分もありました。というのも病気なら治るかもしれないと思ったのです。  しかし、強迫症はそうあまくありません。病気とわかっていてもあの考え

          ヤンキー社長、強迫症になる②

          新しいことを始めるために

          ピアノサポーター 金子祐也  何に対しても初めてや慣れないことに関して、不安や恐怖心というものはあると思います。例えば新学期、入社日は恐怖です。  恐怖心というのは先が見えないから生じるのだと思います。私の場合、どうせ行動したところで何も得られないと考えてしまい、始めることの恐怖心が勝ってしまうことがあります。  このままでいいやと自分を言い聞かせてしまいます。  私は一時期、先が見えなくなり、外に出るのも怖くなった時期がありました。外に出たところでどうせ何も恩恵は得

          ヤンキー社長、強迫症になる①

          看護師 山田祥和  本日は、是非自分の経験を書いて欲しいとの希望が利用者さんからありましたので、個人が特定されないように書きます。  以下利用者さんの体験談  自分は子どものころからヤンチャで、中学に入ってから不良になり、喧嘩に明け暮れていました。暴走族ではトップを張って、別の暴走族との抗争もよくありました。  仲間とつるみ悪いことばかりしていました。  中学卒業後(ろくに行っていませんでしたが)は高校を1週間で辞め、ぷらぷらしていました。昼間寝て、夜街に出て喧嘩を

          ヤンキー社長、強迫症になる①