摂食障害の当事者会で感じたこと
看護師 山田祥和
先日、摂食障害の当事者会に参加しました。そこで改めて気づいたことがあります。それは、「やはり当事者でないと気持ちの共感は難しい」ということです。
私は長年、精神科の地域支援に携わってきましたが、当事者会に参加するたびに多くのことを学ばせてもらっています。
経験者だからこそわかること、経験者だからこそできる対処法
摂食障害という困難を乗り越えた方々には、言葉だけでは伝えきれない経験に基づいた知恵があります。例えば、日常生活でのストレスの捉え方や、自分のこころとの向き合い方など、当事者だからこそ持つ視点があるのです。これは当事者会で共有することができます。
当事者会への批判とその意義
一方で、「当事者会は傷の舐め合いに過ぎない」「場を見出せず、会そのものが成立しない」という批判も耳にします。
しかし、実際に参加してみると、同じ経験を共有することで「自分だけではない」と感じられる場が存在しています。
この共感が新たな一歩を踏み出す力となると思います。
また、それぞれの人が試行錯誤しながら見つけた回復方法を知ることができるのも、当事者会の魅力だと感じます。
回復した人が得られる貢献感
さらに、回復した方が自身の経験を共有することで、「自分の経験が誰かの役に立てた」という貢献感を得ることもできます。この感覚は、回復した人自身のさらなる成長にも繋がります。そして、その姿は他の参加者にとっても希望となります。Win-Winの関係です。
まとめ
経験者だからこそ生まれる共感、経験者だからこそ提供できる対処法。それが当事者会の本質的な価値であり、多くの人にとって救いとなっています。支援者として参加することで、私自身も多くの気づきを得ることができました。これからも当事者会を通じて学び続け、支援に活かしていきたいと思いました。摂食障害に限らず、同じ経験を持つ人たちが集まり、語り合うことは、回復への大きな一歩になるのだと感じています。