羽根つき小人が教えること
ねぇ、知ってるかい?
小さな身体で 両足踏ん張って
君が話し始めるから
私は思わず なぁに? と
大声出してしまったのさ
声が大きいよと お耳を塞ぎながら
あのね、と少し照れくさそうに
また耳に近づく
綺麗な私の羽根つき小人さん
小さな小さな両手で
私の耳を掴むんだ
あのね、あのね、
お砂糖っていうのは
甘くてとっても美味しいのよ
可愛らしい声でそれだけ言って
顔の前に飛んでくる
笑顔で私の返事を待つ君に
それだけ?
少し笑って返した私
知っていたの?
大きなお目目をまんまるにして
パチパチまばたきしながら
君はそう言ったのよ
当たり前じゃない そんなこと
平然とそう言った時の君の顔
今でも忘れられないの
なにごとも当たり前でなかったなら
もしかしたら私の世界は
もうすこしだけ
キラキラしたものに
なっていたかもしれないのに
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