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歌うまくなりたい!!(5)

「たちつてと」「かきくけこ」もおいしい!

 「さしすせそ」を含む歌詞をウィスパーで軽くショットすると、とても言葉がクリアになることをお話ししました。実は「さ行」だけではなく、「かきくけこ」、「たちつてと」を含めた「か行」、「さ行」、「た行」の三つ行が日本語の発声をクリアにするだけではなく、かっこよく、表情豊かに、哀愁をこめて、など様々な部分でいい歌を聴かせる大切な要素なのです。歌の技術的な話に聞こえるでしょうが、実は歌のうまいアーティストはこのあたりがさりげなく自然に表現できていて実にいい歌を奏でているのです。

 今回は、「たちつてと」も美味しいというテーマで「さ行」も組み合わせた例を紹介しましょう。「全日本こころの歌謡選手権」の課題曲でクミコさんの歌う「たからもの」で、山崎ハコさんが作られた素晴らしい作品です。歌の頭の部分「さいはてのまちでいきています」この1行の部分で「さいはて」の「さ」、「まちで」の「ち」、「いきています」の「す」を注意深く聴いてみて下さい。すべてのこれらの行の言葉にアクセントを付ければよいというわけではありませんが、いくつか歌っていくうちにこのフレーズのように、ショットする部分が自然に出るようになるものです。


 もう一つ見てみましょう。同じく課題曲「回転扉」で小田純平さんの歌う「ゆるしてくださいこのこいを ほかになんにものぞまないから すべてのことに みみをふさいで あなたとながれて ゆきたいの」この4行の中にしっかり「か行」「さ行」「た行」が含まれていてしかも純平さんはさりげなく、巧みにウィスパー気味に軽くショットしていて素晴らしい歌になっています。こういう風に言葉の発声の仕方を覚えると、人の歌っているのが気になってきます。「あっつ!まみむめもになっている!」とか、「この人言葉がはっきりしない!」とか。つまり、耳が良くなってくるんですね。(きっと!)そして上手くなるはずです!

★ 課題曲ご案内サイト 

「たからもの」http://www.heartful-song.com/cd/track05.html

「回転扉」http://www.heartful-song.com/cd/track02.html

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