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愛犬の死

今月末、愛犬ショコラが亡くなって2年になります。


ショコラは炎症性乳がんでした。


はじめてこの診断を受けた時に
獣医からは
「とても辛い病気だから安楽死の対象となります」と
言われました。


安楽死・・

この言葉に涙が止まらなくなりました。



【 命の選択 】


ショコラが亡くなる1年前のこと。


ある朝、
月に一度のダスキンさんが来られたときに、
「今、目の前で猫がひかれてた」
「あれはもうダメだな~」と言ったのです。


ダスキンさんが帰って直ぐに探しに行ったところ
道路の端で動けなくなっている猫ちゃんを発見しました。


私が近づくと「シャー!」と威嚇。
野良猫ちゃんなので、
私のことをものすごく警戒していました。


そこで私は
犬用の小さなゲージとタオルを持ってきて保護し、
すぐに動物病院へ連れて行きました。


検査の結果は
脊髄損傷・・。


「この子は一生介護が必要でしょう・・」とのことでした。


もう野良ちゃんには戻せません。
排泄も全て面倒を見なくてはならない状態。


この子をどうしよう・・
我が家で飼うことは出来るだろうか・・と考えます。


我が家には犬が3匹。
娘と私は猫が大好きだけれど猫アレルギー。
それに私は日中仕事に出ている・・。


色んなことを考え、
我が家で飼うのは難しいと判断し、
誰か飼ってくれる人はいないかと近所の方々に声をかけました。


友人にも電話しまくりましたが、
介護の必要な野良猫ちゃんを引き取ってくれる人は
なかなか見つかりませんでした。


70万円弱払えば
一生面倒を見てくれるという施設を見つけたので、
そこでお願いすることも考えたのですが
旦那さんは大反対!


どうしたら良いのかと悩みながらも
私は毎日面会に行っていました。


そして獣医さんから様子を聞いて
「今日はようやく食べてくれるようになりましたよ~」という
報告に安堵もしましたが、
常に「安楽死」という言葉が浮かびます。


私に委ねられた「命の選択」


こんなとき
むかし飼っていたミックス犬のリキのことが思い出されます。


高齢で病気もあったリキは動物病院に入院していました。


ある日、学校から帰ると
「リキを迎えに行って」と母に言われました。


私はリキが元気になったのだと思い喜んだのですが、
その直後、母からは信じられない言葉を聞かされました。


「リキは安楽死した」と・・。


あまりのショックに発する言葉もなく
急いで動物病院へ行きました。


そこには既に亡くなって
箱に入れられたリキの姿がありました。

私はショックで悲しくて
安楽死を選択した母を責めました。


母からは
「あなたには安楽死させることは出来なかったでしょ!」と言われました。

確かに私だったらそれを選択できなくて
リキを更に苦しめてしまっていたかもしれない。


でもどうして勝手に!という思いと、
なんで電話1本で、
飼い主の誰もいないところで死なせてしまったの!
という怒りの感情でいっぱいになりました。

もし、どうしても安楽死を選択しなければならないのだとしたら、
せめて最期は傍にいてあげたかった・・。


悔しくて悲しくて母を許せない!とずっと思っていました。

そんな記憶が蘇ります・・。


そして目の前の猫ちゃんに対し、
どんな選択をしたらよいのか本当に悩みました。


もし、安楽死を決断するのなら
その責任をずっと背負っていかなければならない。


だから私はその最期を見届ければならいと思っていました。


それなのに・・


猫ちゃんを保護して5日目
私は悩んで苦しんだ挙句に
母と同じように電話一本で
獣医さんにお願いしてしまいました。


病院の近くまで車で向かいましたが
それ以上、行くことができなかったのです。

結局、母と同じ選択をし
最終的にも向き合うことができなかった猫ちゃんの最期。



【 ショコラとのお別れ 】


ショコラの病気が「安楽死」の対象であると告げられた時は
そんな2匹の命の記憶が思い出され苦しくなりました。


いつかショコラを安楽死させなければならない日が
やって来るのかもしれない・・。


常にそんな不安や恐怖を持ち続けながら過ごしていました。


ショコラの様子を見ながら
まだ大丈夫・・まだ大丈夫・・と
自分の選択が間違っていないか注意深く観察しながら、

そして最期は自然に
私と長女が見守る中で息を引き取りました。


痛かったり苦しかったりしていたかもしれない。

私の選択はまちがっていなかったのか?
本当のところは分からない。

でも、最期まで生ききってくれたショコラ。

この時期になるとそんな日々を思い出して
今でも涙がこみ上げてきます。


でもね、ショコラが居てくれたから楽しい事もたくさんあったな~と、全部感謝に変えると、辛さではなく心が軽くなります。


最期まで読んで下さりありがとうございました。


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