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なんとなく、インドで年を越そうと思ったのだ。

何故だか自分でもよくわからないけれど、2020年の正月はインド!と決めて、年末からネパール経由でインドへやってきた。

来てみてもほんとうによくわからない。
だって、のんびりお正月を過ごしたいなら日本の方がいいし、年越しそばやお雑煮なんかを食べたくってもインドでは食べられやしないのだ。
それに女ひとり。どんな風に過ごせるのかもよくわからない。なるようにしか、ならない。

はぁ、出汁のみたい!
はぁ、味噌のお雑煮~!!

もちろん、インドの料理を学びたい!とかインドの手仕事文化を見てくるぞ!なんて野望はあるものの、別にお正月じゃなくたってよかったような気もする、笑

けれど、これは何か意味のあることなんだと思っている。思いつきなんて、いつもそういうものだ。理由なんて無い。


年越しは、騒がしいチェンナイで過ごすのではなく、すこし精神的に落ち着けるような自然豊かでスピリチュアルなパワーの強いところへゆこうと考えていた。

最初は、コモリン岬かヴィパッサナー瞑想センターへゆくか、なんて思って連絡も取ったりしてたけれど、なんだかうまく行かず、たまたまホストから勧められたのがティルバンナーマライのスリラマナマリハシアシュラム。



チェンナイからバスで四時間かけてやってきた。バスはネパールのバスに比べたら、なんとも普通にバス!(しかし、ドアや窓はオープン♪道が平らでコンクリートなだけ素晴らしい!)
しかも、200ルピーくらいでゆけます。安っ!

無事にティルバンナーマライへ到着して、バス停からオートリキシャで宿であるお家に着いた途端に、白い服を着た美しいヨーロピアンから話しかけられた。
日が照っていたからか、白い布をイスラムのように被り、サングラスをかけていて顔はよく見えない。

彼はイタリア人のラシカ。キールタンをしているらしく、正月に集まりがあるからよかったら来て、とのこと。チラシを貼って回っているところだったらしい。すこし会話したりして、楽しげだからゆくよ~と答えた。


それから翌日の大晦日。
アシュラムで瞑想してみたあと、後ろの山に登ってみることにした。裸足でゆくといいらしいので、裸足で。
滑らかな岩のみちをゆき、一時間くらいで瞑想場所のあるお寺のようなところに着いた。

ほんとうはそこで引き返すつもるだったけれど、たまたまケララから来ているインド人カップルと出逢い、そこから続く別の道を歩いてみることにしたのだった。


彼女の名前はミーシャらしく、名前もわたしと似ていた。とても感じのよいカップル。
でも、ミーシャが途中で疲れてしまい、ふたりは引き返してしまう。もうすこし話したかったのに~ とても残念。
でも、せっかくやししばらく歩くかと歩いていたのだが、これまた素晴らしく急でクライミングな道かつ、かなりの快晴で、持っていた水が無くなったので、おとなしく引き返すことにした。

引き返してゆくと、途中にインド人のおじさんと女の子が座って話していて、話しかけてくれた。
彼女はナムリタ。おじさんはダッシャラ。ここで出逢ったみたい。そこに座って、他愛もないことを話す。ふたりともいい人で、帰り道、一緒に帰ることにした。ふたりは、女の子ひとりで歩いているなと心配してくれていたらしい。
(実は女ひとり旅なのをよくインド人から心配されている、笑)

来た道とは別のルートもあったらしく、帰り道はダッシャラが洞窟の瞑想ホールや別のアシュラム、お寺なんかを丁寧に案内してくれた。


そんなこんなで喋りつつ歩いていると、ダッシャラがアルナーチャル山の周りを一周するというのを正月の朝3時からやるというので、ふたりと一緒にやりたい!と言ってお願いし、連絡先を交換して別れた。(時間は4時からにしてもらった、笑)

しばらく夕寝して、大晦日やしと、夜のアシュラムにゆこうとしたら、アシュラムの前で太鼓やティンシャを鳴らしながら、神さまの歌を歌って踊ってるヨーロピアンたちに出逢う。

とても楽しげで、音楽に合わせて周りで手を叩いて見ていたら、入りなよとのこと!
輪の中に入り、神さまクリシュナを崇める歌などを真似して歌いながらぴょんぴょんくるりと跳び跳ねたり回り踊る。
輪になって歌い踊る様は日本の盆踊りみたいだ。とても楽しい。

インド人の人たちが周りに集まり、もの珍しげに動画などを撮ってたりする。

中にとても綺麗な青年いるなぁ!と思ってたら、どうやら初日に出逢ったラシカかな?と思えてきた。おでこについている紋様が同じだ。

あとで他の子と話してたら、ラシカが話しかけてくれて、やっぱり同一人物だった。

キールタンしてたりするのもあるのか、恐ろしく目が綺麗でびっくりする。久しぶりにこんなに目の綺麗なひとに出逢った。目が綺麗すぎて、目をそらすどころか、じいっと見つめてしまう。それくらい輝いていて目が離せなかった。

楽しかったけれど、次の日、午前4時から山で出逢ったインド人ふたりとアルナーチャル山の周囲14.5キロを裸足で歩くというありがたいおこないをするつもりだったから、途中で帰った。

帰り道、たまたまナムリタと出くわし、一緒に夕飯を食べることに。タイミングいいなぁ~

家に帰って寝てたら、新年とともに爆竹なんだか何かがボカンボカーンとすごい音で爆発してて目を覚ます。寝られない、笑
2020年、激しい幕開け。

そのあとすこしは眠れて、3時すぎに起き出し、朝4時というまだ暗いうちからインドの道を裸足で歩く。


アシュラムの前で集合と約束していたのに、ダッシャラは何故か来ない。電話にも出ない。
仕方ないから、ナムリタとふたりでスタート。

夜中なので真っ暗闇かと思っており、危なかろうと思っていたのに、街灯は想像してたより煌々としており、たくさんのインド人も歩いている。全然危なくないじゃん!


道の脇にはちょこちょこサドゥーなんかが寝てたり、起きて道脇に座り、手をこまねいて物乞いしてたりする。
もちろん、犬も寝てる。牛のふんもそこここに落ちている。

インドはいろいろが入り交じっている。
こんなに混沌という言葉が似合う国は、他にないだろう。

延々と夜の道を歩く。
たまに、リンガという男性器をイメージした像の祀ってある寺に参ったりしつつ、歩く。


お正月だからか、ハッピーニューイヤーというのがカラフルな粉で美しい図形とともに描かれていたりした。


途中、ナメクジを踏んで気持ち悪かったり、足の裏がどんどん痛くなって、歩けなくなってきたり…疲れた~ってなる。

サンダルを履いて追い抜いてゆく人や、自転車で颯爽と追い抜いてゆくヨーロピアンたちを尻目に、裸足で歩いてこんなに大変なのだからよりご利益があるんだ!とナムリタと励ましつつ歩いた。



四時間かけてなんとかゴール。
全長14.5キロメートルでした。
終わったら、朝食食べに行ったけど、ほんとうに眠くて仕方なかった。とりあえず帰って寝よう。

↑ゴール後、ナムと。

夕方6時半頃に起きだして、キールタンへゆく。カフェの二階の一角に、ピースフルな雰囲気のヨーロピアンたちが集っていた。アジアンはわたしひとり。
大晦日に出逢ったフランス人のレオニが、元気?とバグしてくれた。

メインボーカル的なイタリアンの男の人が太鼓を叩いて歌い始め、歌はスタートした。
彼に続くようにして、彼の歌った歌を紡ぐようにして繋げてゆく。
わたしは楽器を持っていないから、手を叩いたり、身体でリズムを取ったりしながら。
心地よくなってくると、目をつむって歌ってみたりもする。またさらに、心地よく感じる。

その心地よさの中で浮遊したようになる。

でも、ずっと歌っていると、このところの鼻喉など呼吸器系の調子の悪さもあって、喉が痛くなってきたので、一時間半ほどで帰ることにした。ラシカともすこし話したかったけど、まあ仕方ない。

もう会えないかもしれないけど、それだったらそういうことなのだ。
ありがとうという素振りをして去る。

そうすると、すぐに携帯がなる。
??!と思うとナムリタだった。

夕飯食べた?食べたけど、お供するよ!
いつもすごいグッドタイミングだな。ナムリタ。
やっぱりこの人は会うべくして会った人なのだと思う。


翌朝、遅めに起きて荷物の整理をしてアシュラムへゆく。ナムリタとパンケーキの朝食をとるはずだったけど、ナムリタとは連絡がつかない。

アシュラムで、しばらくお経のようなものを人々が唱える声を聴きつつ、目を閉じて瞑想したりして過ごす。

それから、ナムリタと連絡がついたけど、チェックアウトしなきゃと家に戻り、結局、夜行バスに乗るまで宿にいていいよと言ってもらえた。やさしい。
のんびりしてからランチに出掛ける途中、あの瞳の綺麗すぎるイタリアン、ラシカに出くわす。

わ!また逢えた!!と内心ものすごく嬉しい。
ラシカは、僕は明日ここを去るんだよー的なことを話してて、わたしも今日出発なんだと話した。
いつまでインドにいるのかと問われ、話をしていたら、2月末にジャングルの中でラシカの師匠がキールタンをするらしく、来なよと誘ってくれた!なんか楽しそうじゃん!ゆきたい~
と、ラシカとSNSで友達になった。

もう逢えないかなと思ってたから、嬉しかったのと、なんだか必要があって導かれるべきところには自然と導かれるのだ!というのをすごく感じた。

だって、たぶん数分でもタイミングがずれていたらラシカに会えてない。たまたま、宿に長く居ていいよと言われたからゆるゆるしてて、ナムリタと会うためにちょうど今出てきたんだもん。

ナムリタもラシカも、なんだかわからないけど、わたしに必要で出逢ってくれている感じがした。
それは神さまがアレンジしてくれているから、信用して任せておいたら自然と導かれるんだ~という感覚。すごい!

よくよく考えてみても、たくさんの人がアシュラムには来ているし、アジア人や日本らしき人もちらほらいるけれど、ちゃんと話したのは、ナムリタ、あと何人かのインド人と、ラシカとキールタンのヨーロピアン数人だけ。
連絡先を交換したのは、ナムリタ、ダッシャラ、ラシカだけ。
自然に任せていたら、そうなった。面白いなぁ!
(そもそもチェンナイのホストに言われるまで、このアシュラムのこと、全然知らなかったしね!)

しかも、ナムリタもラシカも笑顔が素敵で瞳の綺麗なひと。そんな人たちと出逢えて、仲良くなれて嬉しいし、自分がふたりにどう映っているのかはわからないけれど、自分もそんな風であれたらなと思ったりする。

神さま、ここへ導いてくれてありがとう。
この先(今年)もどうぞよろしくお願いします。

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