“都会の絵の具”に染まったオジキ

 太田裕美さんの代表的ヒット曲『木綿のハンカチーフ』の一節に、

 でも、“都会の絵の具”に染まらないで帰って

というのがあります。
 で、今回この“都会の絵の具”に染まったのが誰か?と言いますと、『お前が言うな!』の回に登場しましたオジキでありまして。

 元は私と同じく北海道の片田舎で生まれ育った人です。
 私が専門学校進学の為に上京した折に羽田空港まで迎えに来てくれまして、それが祖父の還暦祝いの集い以来ですので10年ぶりの再開でした。
 ……目ェ真っ赤にしながらティッシュで鼻をグスグス言わしとるんですよ。
 「風邪でもひいたん?」
 「馬鹿、花粉症だよ!」
 「花粉症だぁ?北海道の野山駆け回っとった山猿が何の花粉にやられたって?!」
 「たぶん、杉だな」
 「昔はエゾマツの森の中で深呼吸してもクシャミ一つせんかったッちゅ~に!……お前も“都会の絵の具”染まってしもぉたの~(遠い目)」
 「馬鹿、こっちで10年も暮らしてるとそうなるんだって!」

 ……しかしね、このオジキ、当時は別居こそしていたものの、奥さんの御実家近くに住んでおりまして“マスオさん”に近い状態にあったんです。
 いくら花粉症になるような“シテーボーイ”と化したか知れませんが、夜9時になると一家全員就寝を強要する暮らしをしながら……着々と不倫に手を染めていた、と。







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