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ねこのての緊急支援報告

こんにちは。
こころの相談室ねこのての福地です。

年始から、能登半島を中心とする地震や飛行機の事故、各地での火事など、さまざまな被害を受けた方に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

元旦の地震のニュースを、たまたまリアルタイムで観ました。
地震、津波、火事。
これは、東日本大震災と重なるキーワードです。
福岡西方沖地震(2005)は今となっては大地震とは呼べないかもしれませんが、私自身の中には阪神淡路大震災(1995)の光景が強く残っています。
そのもっと奥に、北海道東方沖地震(1994)の揺れの体験、奥尻島の津波(北海道南西沖地震:1993)や雲仙普賢岳の火砕流(1991)といった様々な、数々の自然災害の記憶が積み重なっています。
災害時の支援については、ずっと私の関心事でありました。

今年は寝正月を決め込もうと思っておりましたので、たまたま、私は三が日に予定を入れておりませんでした。
こころの相談室ねこのてでは心理職の方を対象にこれまでも相談の機会を提供してきました。
この災害に被災した中心地の方はのんびりと相談をしている場合じゃないかもしれませんが、災害は中心から同心円状にグラデーションを描きながら被害の度合いが異なります。
ということは、中心地の方にケアを届けることは難しくとも、辺縁部の方には届けることができるかもしれない。
また、今回の災害によって、過去の体験が揺り動かされた方もいらっしゃるかもしれない。
私は心理的な災害支援は、そのように辺縁部からじわじわと中心に届けるものであると考えるため、自分にもできることがあると判断しました。
そして、今回の地震で被害にあわれた方や過去の災害の記憶を思い出してつらくなった心理職の方に、2日、3日の二日間に限り、普段よりは安価で御相談を引き受けることをX(Twitter)で発信しました。

実際に御相談に繋がったケース数は4ケースとなりました。
今回の地震を体験された石川県の方もいらっしゃいましたし、過去の地震の体験を思い出された他府県の方もいらっしゃいました。
ケース数は少ないかもしれませんが、一人の心理職が取り急ぎやることができた例として、ここに記録を残しておきたいと思います。
また、私がSNSに投稿したポストは、3万を超えて4万に近いほどの方が見て下さり、多くの方がRTやいいねをしてくださいました。
拡散に御協力してくださった方たちに感謝いたします。
この呼びかけを御覧になるだけでも、実際には相談に繋がらなかったとしても、励ましを感じていただけた方がいらしたとしたらやった甲斐があったというものです。

ところで、能登半島地震が起きる数時間前、私は年を越してしまったので、慌てて、2023年12月9日のWS「こころとからだをつなぐ」の動画をクラウドから削除しました(もともと一週間程度の公開予定でした)。
御参加してくださった方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、緊急地震速報を使いながら平常心を保つなんてワークが、その中に含まれていたのです。
この内容は、災害時の心理支援に役立つような要素が散りばめられていたような気がして、削除したことをもったいなく思ったのが1月4日のことです。

私の後悔のつぶやきを拾ってくださったのが、石川県で開業されたばかりのRe:treatこころの相談室の竹本さんでした。
そこから、竹本さん、松元大地さん(こころの相談室UP)、鈴木健一さん(Tochigi Mindfulness & Counseling Takibi)と私の4人が集まり、準備が始まりました。
スクールカウンセラーとして被災した地域の学校に支援に入っていく、でも、御自身も被災された方たちに、新学期が始まる前に何か提供できないか。
緊急支援に入る支援職のサポートを目的に、こころのケアのワークショップを企画しよう。どうせなら、心理職以外の方たちにも参加してもらえるようにしよう。

そして、実現したのが、1月7日(日)のWS「災害時の心理職のための緊急支援:感じる・つながる・やわらぐ」でした。
1月5日から企画と準備と広報を同時進行で始めました。
竹本さんは余震の続くなか、慣れないPeatixやZoomを用いての運営と司会を担当してくださいました。
石川県で、Zoomではありますが、今、この時に研修を行う。そこに大きな意味が生まれました。
私も被災した方たちや、被災した方を支援する方たちに向けて、内容を一新しました。松本さんや鈴木さんも、タイトルにあわせて内容を調整してくださり、12月のWSとはほとんど違うものになったように思います。

当日の御参加は70人…から4名をひくので、66人。
石川県からも御参加いただいた方がいらっしゃったと後で知り、ありがたく思いました。
なにかほっこりする時間になったり、今後に役立つものであれば嬉しいです。
この研修、とりあえず、1月末まではアーカイブで提供することとなります。
御興味がある方、必要とされる方に届きますように。

なお、どれぐらい、突貫して準備したかを表すかのように、始まってすぐのタイトルページで、開催日の曜日を間違えています。
犯人は私です。お恥ずかしい…。
以上、御相談とワークショップの開催。これが、こころの相談室ねこのての取り急ぎ取り組んだ緊急支援です。
ここからは、いつもの当たり前の日常を保つよう、励みたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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