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泣きたくなる日に

涙博士が教えてくれたこと。

「人が泣きたくなるのは、疲れているから。

心が震えて、涙は救援信号となる。

泣きたくなる日は、
胸につまった“助けて”を、取り出して上げたらいい」

でもね…と、
涙博士は、続けて教えてくれたんだ。

「人には、魂が震えて、流れる涙もあるんだよ」
と。

遠い遠い昔、
誰かが負った痛みや悲しみ。
それが
いくつもの地層を通り抜け、
澄み切ったしずくとなって
したたり落ちていく。

「魂の涙はギフトだよ。
一生にそう何回もあるものではない」

自分ではなく、
ほかの誰かが流しているような。

悲しくないのに、サラサラと落ちていくような。

そんなふうに泣いてしまうのなら、
それは、魂が震えているから。




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