6976 太陽誘電 2024/4Q

※本記事は、2024/6/30時点の情報を元に作成しております。


①事業概要

■テーマ
MLCC(積層セラミックコンデンサ)輸出回復による業績、株価影響。
■分析観点
太陽誘電の売上の6-7割がMLCCのため、MLCC事業にフォーカスし分析。
最近、井村さんが購入した銘柄としても株価上昇しているが、仮に2倍行く場合のありうるシナリオを考察。

②企業分析

■株価パターン
・底打ち反転(シクリカル、資源など)確認からのPER先行上昇
→業績先行KPIとして、貿易収支統計のMLCC項目が前年同月比で直近天井を超える。ただし、前年が大きくMLCCが落ち込んでいたことは考慮。とはいえ、24年度前半で業績としては底打ちしており、営業利益としても4Qで前年同期比プラスに転換。
■業績折り込み
・企業予想の業績については既に折り込み。24年度の予想150億で出していた際のチャートレンジである4000-4500円には到達しているため。
・貿易収支統計を見ても、ここから次回決算悪く下抜けするのは考えずらい。むしろ、どこまで上振れるかの折り込み。ただし、PER比較見ても競合比較高いため、ある程度会社予想より上振れは折り込まれていると考えられる。
・業績のシナリオとしては、21年度1Q時決算と、24年度4Q決算が類似(純利益で21/1Q:45億、24/4Q:46億)。21年度1Qの際は、そこから半年待たず株価+110%。ただし、この時とは営業利益では大きく差分(21/1Q:79億、24/4Q:20億)あり、これを為替差益で埋めている。また、当時より材料費、減価償却費などの原価が上昇している(販管費は変わらない)。
■PER比較(直近1年PER、競合比較)
・村田製作所と比較しPER高め(村田:26倍、太陽:48倍)。
■リスク
・21年度1Q時決算からの半年弱での上がり方のシナリオを前提とする場合、やはり本業である営業利益が80-100億以上に戻るかどうか。また、為替差益が今回4Qで一気に出てきたが、このあたりの会計処理をどうしているのか。
■市況環境(市場の成長性など)
・スマホの買い替え需要予想により良い。
・AIサーバー向けも伸長。
■外部参考(YouTubeなど)
https://www.youtube.com/watch?v=-XhWSpLjPhU
■為替影響
・為替差益が大きく乗ってくる。
■チャート分析
・2020/8-2021/1にかけてのチャートの動き方と類似。この時は、5か月ほどで2.1倍。
・現時点では、直近レンジ幅につかまっている状況。
■IR確認
・為替差益が4Qで一気に出た理由は何か。
・2022年度、2024年度で原価が320億程度増えているが、これの理由(減価償却費、材料費などで100億増に加え何があるのか)

③目標株価

■中期シナリオ(上昇率、期間、カタリスト)
シナリオ:2021/8-2021/1にかけて業績反転から一気に戻したところと類似の動きをするパターン
目標株価:6720円前後
期間:今期25年度2Q決算前まで
カタリスト:貿易収支統計、競合決算、1Q決算
備考:類似ではあるが、営業利益など一致しない点もいくつかあるため、そこは懸念点。
■エントリープラン
・打診で入りつつ、レンジの上値を抜けていくようなら追加。
・レンジ下抜けするようであれば、損切で様子見。

④所感

既にある程度上がってはいるが、シナリオ通りであればもう一段階上がりそうな銘柄。原価の見方や為替差益、IR、貿易収支統計など、より深く分析できれば確度は上げられる余地あり。

※本内容は、あくまでも1個人としての予想になります。投資にはリスクがあり、実際の投資においては自己責任でお願いします。自己責任で行った投資において損失が発生したとしても、こちらでは一切責任は取れませんので予めご了承ください。

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