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職業訓練校ってアリなの?〜就職支援編〜


2年ほど前、なんとなくバイトを続けてい私は、ある秋の夕方なんとなく思いついた。
「あ〜…職業訓練行ってみようかな。(ほぼ)タダだし。」
 それから半年ほどデザイン系の職業訓練校に通っていたことがある。これから書くのは、そこの「就職支援」について、ここねが体験した記録である。
訓練校に通うかどうか考えている皆さんの一助になれば幸いである。

※以下は全て1個人の体験です。
※ここねの通った1会社の就職支援に関する話であり、全ての訓練校に共通するものではありません。


結論から言おう。

まじであかん(あかん)。

あかん=悪かったということです。
ごめん…頑張ってくださった先生方、本ッ当すみません…あなたがたが頑張るほど、わたしには合わなくなっていったんですよ……。

原因はおそらくトリセツの違いだと思われます。
以下で詳しく説明していきます。


学校は部下を求めていた。私は支援を求めていた。

職業訓練校は国からお金をもらって、仕事として運営しています。つまり会社です。
で、受講生をたくさん就職をさせることによって国や都道府県から『就職支援費』なるお金が支給されます。さらに就職率が高いことは支援校のステータスにもなるため、受講生の就職に熱心になるというわけです。
受講生は基本就職したいワケですから、就職に熱心なのは有り難いですよね。

私の通った訓練校でも、キャリアコンサルタントの専門家が派遣され、生徒一人ひとりと月に1度、面接を行いました。
長らくブラジルに暮らしていたという、ふくよかな女性講師は、一対一で1時間しっかりここねの趣味や好みを聞き取ってくれました。
「…うん!ここねさんについてよく分かった。次回までに私もあなたに合った求人を集めておくわ。」
「ありがとうございます。心強いです!」
慣れない就職活動で、アルバイトしか経験のない私は心からそう思いました。
そして期待に応えようと、休日返上 でデザインの勉強に励みました。

そして翌月…。
「ここねさん、あなたに合った求人を持ってきたわ!」
「あ、ありがとうございます!!」
ペラッ
…ん?
「…清掃??(しかもアルバイト)」
「仕事は高望みしたらいけないわ!まずは働くことから始めましょう!!」
「」


なんでこうなった……。
後で調べたところによると、どうやら前述の『就職支援金』は、職種や雇用形態は問われないらしいのです。

・例えば介護系の職業訓練を修了したからといって、介護職に就く必要はなく、どの仕事に就いても上記の条件さえ満たせば「就職者」となります。(引用:事務転職お助けサイト ジムテンより)

なんてこった……ッ!

まぁ…気持ちは分かります。
ここね、これまではデザインの大学中退して、パートしたり、世界旅行にでたりのプラプラ生活やったからね。とにかく確実に就職させたいんやね…わかる、わかるよ…でも……

職業訓練の意味ないやん!!

するってーと何や、私は就職に無意味な訓練を半年近くやっとんのかい?


「…これデザイン関係ないですよね…」
「うんでも、あなたみたいな人が最初から正社員を目指したら駄目。デザインで受かる人なんて才能ある人しかいないんだから。あなた自分が才能あると思う?ここでの訓練を活かしてまずは就職から目指さないと」

う〜ん、清掃の就活に活かせそうな、ここ4ヶ月で身についたこと……?
規則正しい生活?訓練のために辞めた前職のパートでいつも5:30起床してたわ!
規律に従う精神?飲食パートはここより厳しかったわ!!
仲間との付き合い?それは確かにありがとうございます(学生生活楽しかった)!!!

修了日が近づくほど、当然ですがカウンセリングは頻繁に行われるようになりました。

「だから!就職する気はあるの!?」
「ありますよぅ……」
「だったらなぜ面接に行かないの!」
「デザイン系は何個も行ってますし、デザインの面接用に今作品のポートフォリオ作ってるからですよ……」
(この時点で広告制作のバイトなら合格していたが、よりよい条件で探していたため黙っていた。)
「まだデザインで就職出来ると思ってるの!?」
「まぁまぁ二人とも」
(この頃は訓練校側は校長も含め3人での話し合いになっていた)
「ここねさんは自分で納得した就職先で働きたいのね。だったら自主退学して好きに探す方法があるから、そうしたら?」
ナルホド、自主退学であれば“生徒に問題あり”ってことで就職率に響かないってわ〜けですね!訓練修了まで2週間の大詰めの時期にそれを薦めてくるとは!
驚きの手法に思わず震えました。
その日は2時間を越える説得が、就職をしていない各生徒(クラス全員)に施されました。皆デザイン制作より疲労困憊です。

そして卒業後も就職〜3~6ヶ月ほどの就職が認められる期日がくるまで同様の内容の呼び出しは続きました。

トリセツ:自分を信じてくれる人の言うことだけを参考にしろ

私が訓練校に来た目的は、自分の残りの人生を見据えた上で、今の自分に必要な会社に就職するためでした。
けれど支援校や、キャリアカウンセラーの方の目的は「どこでもいいので早く就職させること」であり、私は「聞き分けの悪いコマ」に過ぎなかったんだと思います。
まあ私自身、デザインの才能があるとは思っていませんでした。それでもやはり、“相手の人生に対して自分の目的を押し付ける”ようなコンサルタントの指導には耳を傾ける気になれませんでした。
これ、若くて素直で、けど自分に自信のない人が聞くととても苦しいのではないかと察します。

私から言えるのはこれです。
自分を信じてくれる人の言うことだけを参考にしろ。

「貴方のためを思って」言ってくれる相手のアドバイスの裏に、相手の都合が見えるときってありませんか?そういうのは聞かなくて良いですよ。相手も気付いていないかも知れませんが、その人が望んでいるのは貴方の幸せの先にある自分の幸せです。

あなたがどうすれば幸せかは、あなたの方がよく分かってます。

結局私は訓練修了後の週に1度のコンサルタントには応じず(そんな暇はない)、自分で探した施設・イベント関係の会社に就職しました。わりと楽しく働いています。
支援校には1月後に就職連絡を行ったので、支援金は貰えただろうと思います。

ハローワークなどで薦められる訓練校。費用が安いのはメリットですが、システム上、望まない就職をゴリ押しされる可能性もあります。
自分の人生は、他人に振り回されないようにしっかりと手綱を握って生きたいですね。





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