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新NISAでFIRE!S&P500では届かない理由

新NISAとは?

新NISAは2024年から始まる日本人の資産形成のための制度です。
簡単にいうと、
・年間360万円までNISA枠内で投資可能
・上記原資に対して得た利益に対して税金を支払う必要がない
・合計の使用枠は1800万円
・売却した場合、1800万円の使用枠のうちその分が復活!
 (※年間の360万円の枠は復活しない。
  つまり普通の人は、6年後以降に重要になってくる話)

毎年360万円を投資できるツワモノは5年間でフルで運用することができます!毎年120万の場合でも15年です。

https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_nisa&cat1=nisa&cat2=info&dir=info&file=nisa_info221228_01.html

この新NISA、どのように運用するかで、FIREできるかどうかの運命が分かれてきます。特に、1800万円のうちの2/3(1200万円)を占める成長枠をどう使うかが極めて重要となります。ETFが対象商品に入りますので、例によってS&P500に定額積立!ということもできるわけですが、本当にそれでよいのでしょうか??

S&P500は悪くない

S&P500についての詳細な説明は割愛しますが、これは米国の優良な500の企業の株価に連動する指標です。
一般的に、S&P500が勧められる理由としては、

①成長性
・北米の会社の技術力、成長力が世界の中でも安定して強い

②リスク分散
・500社の多様なビジネスに投資資金を自動で分散できる
・グローバル企業が多いため、実質的に全世界に地域分散が可能

③自浄作用
・500社の選定基準が厳しく、悪い企業は除去され、良い企業だけが残る

今までの指標推移が今後も継続すると仮定すると、年5%程度で伸びていいくことが期待でき、経済成長が止まってしまった日本の株に投資するよりも良いだろう、という説明がよくされると思います。

まず上記の3点に異論はありません。投資初心者の方は、S&P500に連動するETFに定額積立していくのが安全に資産を築く近道になると思います。投資のために時間を使いたくない、という方はこの先の私の主張にはご興味を持っていただけないかもしませんので、それで良いと思います。

しかし、この記事の想定読者はFIRE (早期引退!)したい方であると思いますので、そのような方々には新NISAが始まるまでの10ヶ月間で必死に投資の勉強をすることをオススメしたいです。

S&P500のデメリット

①真に優秀なビジネスのみではない

あなたは、S&P30というのがあったら買いたくなりますでしょうか?実在しないのですが、S&P500よりさらに厳しい基準を満たす、選抜top30のようなイメージです。S&P500を日本プロ野球全体とするなら、S&P30はサムライジャパンです。(米国の株なのに日本の例えなのは、筆者のクリエイティビティの低さ)

S&P500の中には、常にトップの成績を出し続ける優等生から、もうすぐ500社から追い出されそうなものまで混じっています。これからいくつか紹介する会社は、全てS&P500に含まれています。

https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/meti_startup-policy.pdf

例えば、intelという会社があります。「intel入ってる」でお馴染みのコンピュータの脳みそ(CPUといいます)を設計、製造、販売する会社です。
まだ家電量販店で販売される個人用PCには一部「intel入ってる」のですが、主要な競合であるAMDという会社に、企業用の高性能なコンピュータ(データセンタといいます)向けのシェアをみるみる奪われて業績が停滞し、現在の株価は20年前とおおよそ同じ水準となっています。一方のAMDはというと、現在の株価は20年前の10倍となっています。私は乗り遅れたのですが、それでもダブルバガー達成、現在もテンバガー目指してガチホ中です。

さらに、同じ半導体でもCPUではなくGPUという種類のものがあります。これは近年流行りのAIや、超リアルな3Dゲームなど、大量の計算を短時間でこなすための半導体のことで、「CPUがスーパーカーだとするとGPUはバス」とよく言われますが、たくさんの人(計算)を速く運ぶ(実行する)ことに特化しているのです。このGPUにおいて、圧倒的な市場シェアを持っているNvidiaという会社の株価をみてみると、現在の株価は20年前の100倍となっています。こちらも同じく私は乗り遅れまして、それでもトリプルバガー達成、現在もテンバガー目指してガチホ中です。

ここで私が主張したいことは、S&P500といえど中身はピンキリで、S&P500を買うということはピンもキリも買っている、ということです。
(Intelは今後の復活に向けた改革を進めているので短期的な上昇がどこかで起きるかもしれませんが、私は向こう数年は買う気にならないです)

②割安と割高が混じっている

また、仮にS&P500が真に優秀な銘柄のみで構成されていると仮定した場合でも、買うタイミングは一律ではないほうが良いはずなのです。優れた投資家がS&P500を大幅に上回るリターンを得られている理由の1つに、素晴らしい銘柄でも割高なタイミングで買わない、があると思っています。(私もそうなれるように日々努力しています)

例えば仮に下記のように2つの銘柄が推移していた場合、同じように毎月2つの銘柄を買い足していくのは非効率的であると考えられます。

筆者作

実際には大型の株ほど市況の影響を強く受けるため、上記のような全く逆の動きとはなりません。しかしながら、ファンダメンタルを見たときに明らかに過熱気味の銘柄を、毎月の積立のタイミングが来たからと言って積み立てる必要はなく、逆に明らかに売られ過ぎでは?という銘柄に積立の資金を多めに投入するほうが良いと思いませんか?

なお、私のようなアマチュア投資家はもちろん、プロであっても、最先端のAIであっても、上記の図で上昇と下降が入れ替わるポイントをドンピシャで当てることは不可能です。(当てることができるならそもそも過度な上昇も下降も発生し得ないため)「頭と尻尾はくれてやれ」という教訓があるように、そんなものを当てにいかないほうがよいのですが、一方で、買い候補の銘柄群のビジネスの分析とファンダメンタルの分析をしっかり行っていれば、ある程度の勘は効くようになってきます。(既に決算で20%上がっているところに、〇〇というニュースリリースが出ただけでさらに10%も上昇するのは、さすがに上がり過ぎでは?のような感じ)つまり買い候補の銘柄を毎月全て一様に買う、という行動よりは高いリターンが得られる買い方ができるのです。

例えば、記事執筆時点('2023/2/24)で上述のNvidiaの株価は$237ですが、明らかに割高です。ChatGPTが大流行したことで、AI銘柄が若干過剰に買われており、Nvidia株はここ数ヶ月で1.5倍以上に値上がりしています。私はGPUの将来需要に期待しているのでNvidia株を売りはしませんが、今月の給料の一部を投資に回す際に新規でNvidiaを買うことはしません。

※仮に予想を外したとしても、自分の割高/割安の基準をぶらして慌てて買ったり売ったりせず、でもブラッシュアップし続けていく、というのが重要と思います。

③北米最強説に全額betは危険

アメリカの技術力、軍事力、経済は未だ世界一で、それは国を支える強い企業軍から成るものです。しかし、その分常に他国との政治的な敵対のリスクはつきないですし、今はリセッションの懸念があります。なので、S&P500に投資予算の全てを捧げるのは一定のリスクを伴うと思います。

日本をみてみると、非常に平和です。真面目に会社に勤めていれば職を失うことはほぼなく、それゆえに給料は上がらず、みんな横並びで少しずつ貧しくなっている、というニュース記事をよく見かけます。
しかし、そんな日本の中でも、グローバルで戦う、または日本を変える、という熱い志のもとに、優秀なビジネスを立ち上げメキメキと業績を伸ばしていくベンチャー企業がいくつも存在しています。投資家の我々が日本に住んでいるからこそ感じられる日本の課題(日々の非効率、悲しい事件など)があり、それらを解決しようとビジネスを伸ばす企業を早い段階で見つけることができれば、大きなリターンを得られる可能性があります。

また、「実は世界シェアでダントツ1位です。。恥」みたいな、超優良な部品メーカ、素材メーカなどもいくつも存在しています。

ここで言いたいことは、S&P500に投資しているから分散できている、というのは半分本当で半分嘘なのかもしれない、ということと、
日本の優良企業にも投資することでより分散効果を高めつつ大きなリターンを得られるのではないか、ということです。
筆者は、アメリカ:日本に3:2くらいの割合で投資するように心がけています。(常にアメリカの方が多い)

終わりに

この記事を読んで、新NISAに向けて投資を勉強しようと思われた方、一緒に勉強しましょう!ぜひ記事のいいね、筆者のアカウントフォローをお願いいたします。今後、下記のようなコンテンツを配信していく予定です。

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