ぼくだって目立ちたいのに

今回もお題箱より、「死ぬほど他人に嫉妬してしまった話」。

「死ぬほど」嫉妬するような嫌な思い出かと言われると、そうじゃないような気もするが、お付き合い願いたい。

私は大学生のころある合唱サークルに所属していた。そのサークルでは、1年生は1年生だけで集まって練習するという方式を取っていたため、必然的に同期と共に過ごす時間が多かった。

当然、ほとんどの人は初対面。これは私にとってはあるあるなのだが、新しいコミュニティではとにかく他人が怖い。相手がどんな人間なのか、何が好きで何が嫌いなのか、自分のことを第一印象でどう思っているのか、そういったことがなにも伝わってこない状況で会話しなければならない時に言葉を紡ぐのが非常に苦手で、なかなか話を切り出すことができない。

しかし、そうでない人もいるようで、話をスッと切り出せる人、面白い話で場をにぎやかにできる人、中心に立って話をまとめられる人……と様々に場を盛り上げられる人たちが出てくる。そういう人たちのおかげで私もサークルの輪に入れたのだが、同時に「どうして自分が中心にいないのだろう」という思いも湧いていたのが事実だ。

私は自分から話したりするのは苦手なくせに、いつも「人より目立ちたい」「注目されたい」という感情が心のどこかにいる。うまく立ち回って、そのコミュニティで目立ちたい、有名になりたい。そういう思いがくすぶっているので、実際に中心的な役割を果たしている人がいるとやっぱり嫉妬してしまうのは避けられない。

誰でも自分の性質や性格に合ったアピールというものがあって、誰もが中心に立つような人物ではいられない。むしろそういう人は少数で、ほとんどの人はそうではない方法で集団の中の役割を果たすのだけれども。私も最終的には自分に合った(中心的な役回りでない方法で)サークルに参画したんだけれども。

こういう経験を今まで何回もしてきたはずなのに、今でも新しいコミュニティに参加するとこの嫉妬に苛まれる。「ぼくだって目立ちたいのに!」という感情を持ちながらも、やはり人が怖くて何も行動できない現実との板挟みになって苦しめられる。

こういう性質や無意識の考えというものはなかなか治るものでもないのかもしれないが、今回文章にしたことで少し客観的になれたかなと思う。これをきっかけにして、コミュニティの中で中心的になる必要はない、焦らなくていいと、自分自身に言い聞かせられるようになるといいなあ……と思う。


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お読みいただきありがとうございます。普段はこういう個人的な話についてあまり書きませんが、せっかくなので色々書いてみようかなと思っています。

みなさん本当にお題投稿ありがとうございます。結構いただいていて、すべて書ききれるかは分かりませんが、よければぜひ投稿をお願いします。




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