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ミステリー小説を楽しみつつ、男の求める女像に溜息を飲み込む冬の夜

「鬼龍 」今野敏(こんのびん)著。

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表紙に一目惚れ。鬼、龍、て好きな漢字(笑)。人気シリーズの原点らしい。

亡者(嫉妬や憎しみ、恐れ、あらゆる欲望といった陰の気が凝り固まったもの)を払うストーリーに、3人の男ウケのいい女子が絡んでくる。

10代、20代の、細いけどむっちり感のある色白の肌。清楚かつ妖艶。当然かー。

売り出し中のタレントと重役秘書は、エンタメっぽくて良いと思う。

しかし、歴史学を学んでる大学院生の久保恵理子は好感が持てない。

鬼道衆の説明に必要だったのは理解できるが、そこは寝た後のトークで重役秘書に質問させるので良かった気がする。

男性作者ならではと思う。女性だと久保恵理子の存在を快く描かないのではないか。

自分の研究の為に、疲れている男のアパートに上がり込み、「なんか食べる物を買ってきて」の要望におにぎりやお弁当じゃなく、材料を買ってきて彼氏じゃない男の台所を借りてパパッと手料理を作る女。

派手な化粧や服は着ていないが、よく見ると美人というのも、男の好きな本命タイプだ。

最後まで亡者祓いの役に立つことはなく、でも嫁候補として存在する久保恵理子。

肉体関係を持った重役秘書はお別れしたのにねぇ。

まあ、フィクションなんだけど(笑)!

男と女の嫌悪感ポイントの違いがよくわかる。「鬼龍」の本筋とは関係ないけど。

陰と陽のバランスが大切なのはよくわかる。とりあえず、嫌な人間に遭遇したら。

「あー亡者になりかけてる奴か。あわれな」

と、脳内で変換してやり過ごそうと思う(笑)!

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