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となりの家の夫婦喧嘩の仲裁に入った娘~統合失調症

娘はワーキングホリデーのように一人で海外へいたわけではなく、
宣教会の宣教活動の一環でボランティア活動を兼ねて海外生活をしていた。

そこの宣教師さんから連絡が来た。
「娘さんのことで相談があります。時間がある時にお電話ください。」

何か嫌な予感がした。
すぐにカカオトークで音声通話をした。

話の内容はこうだった。

みんながまだ寝ている明け方。
となりの家の夫婦喧嘩の声や大きな音を聞き、外に出ていき、チャイムを鳴らしてその家に入って、喧嘩をやめるよう説教をしたというのだ。

日頃から、正義感が強い娘だとは知っていたが
命がけでよその家の喧嘩の仲裁に入るとは、それは度が過ぎる。

そして、その喧嘩はかなり緊張した雰囲気だったようで
ソファーの上には包丁があったという。。。

その家にはまだ幼い子供がいて
その子がかわいそうだから守るために行ったと娘は言った。

それだけではない。

宣教師夫婦が他の地域で用事があって留守にしていた時、
娘は宣教師さんの子供たちの世話をしながら留守番をしていたのだが、
戻ってみると、娘は真っ赤な顔でぐったりしていた。

そして、足も痛いし腰も痛いし、体中痛いと訴えた。
具合が悪いのかと思って話を詳しく聞いてみると
なんと、1日中、音楽をかけてダンスを踊っていたという。

それじゃ、そうなるのも当然だ。

でも、何のために? 

ネガティブな考えがどんどん湧き上がって
その考えで頭がおかしくなりそうなので、
考えが湧かないように夢中で踊っていたという。

「それで、できれば予定通り来年の2月に娘さんを帰国させたいのですが、
もしかしたら、早期に韓国へ戻る可能性もあるとお伝えしたくて連絡しました。こちらの管理不行き届きで申し訳ありません。」

手に負えない状態になっているようだった。

その電話の後、娘とも話をした。
娘も早く韓国へ戻りたいと言った。

この頃から、娘の言うことが、明らかにちぐはぐしてきた。
何が言いたいのか、いろんな方向に話が飛び、会話にならない。

そんな娘が当時よく言っていたことは
「○○ちゃんがかわいそう」という話だった。

その○○はいろんな人に入れ替わった。
いろんな人を哀れんでいた。

実際、かわいそうでもない人もみんな
娘の中ではかわいそうな人になっていた。

翌日、大声で泣きながら娘から電話が来た。
宣教師さんが自分のことを無視するし、
他の人達もみんな私を悪く言うと言っていた。

マイナスな感情をあまり出さなかった娘だったので
余程のことがあったのだろうと思ったが、

後でわかったことだが、
統合失調症の症状に相手がこう思ってると勝手に思い込む
というのがあるので
誰も娘を悪く言っていないのにそう聞こえたのだった。

そんな風に感情的になって早く家に帰りたいと言ったり、
やっぱり2月まで残りたい、この国が好きと言ったり
言うこともコロコロ変わってどうしたらいいかわからなかったが、

その後、ちょっと落ち着いたので
今、帰国させるのが一番だと思い、10月の末に韓国へ戻る手配をした。



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