生まれた時の病院の記憶が蘇った？

「お母さん、この写真見てたら生まれた時の記憶が蘇ってきた！」

そう娘からメッセージが来た。
写真とは、生まれた直後、病院の小さなベッドに寝ている自分の写真だ。

「え？どんな記憶？」

私は不思議なこともあるものだと思って聞いた。

「ベッドに自分が寝ていて、そのベッドから見えた景色というか空気というか、はっきりはわからないけど」

お腹の中の記憶が3歳ぐらいまで残っていて、急にふとしたきっかけで話し出すというのは聞いたことがあったが、生まれた直後の記憶が、大人になってから蘇る？それは初耳だ。

「へー、不思議だね。後になったら忘れちゃうかもしれないからメモしておきな」

そう私は答えた。

「それからね、これ、お母さんにだから言うけど、他の人には秘密だよ。庭の小鳥が何を話しているかわかるんだ」

えー、鳥が何を話しているかわかる？

さっきの生まれた時の記憶だけじゃなく、鳥の話もわかるとは。。。

木の下のベンチに横になり、
鳥の声がわかったらいいな～と思っていたら何か光のようなものが見えて
頭がくらくらして、その後、鳥の声がわかるようになったという。

そして、メガネをかけるとめまいがするので、
その日からメガネなしで過ごしていると言った。

その光を浴びてから
視力が回復してメガネが合わなくなったという。
視力がかなり悪いはずなのにそんなことがあるのだろうか。

なんだかよくわからないけど
娘としては神から選ばれ特別な能力を手に入れた、
そう信じていたようだった。

不思議な体験をしたら、
特別な能力を得たようで、
優越感にも浸れる。

娘は海外で語学研修を兼ねたボランティア活動をしていた。
その光を受けた話と鳥の声がわかる話を
宣教会の牧師夫人に話したら、それは神じゃなく悪魔（サタン）かもしれないと言われたようだ。

光を受け、鳥の声がわかるようになって
神からの力だと信じていたけど
それはサタンからのものだった。
だまされるところだった。
危なかった。

そうインスタストーリーに載せた。

この頃から何か頻繁にインスタに自分の考えを載せるようになった。
ただの日常ではなく、何か使命感を持って訴えるような文章が多くなった。

なんだか、危なっかしいな。。。
私の娘だから、しょうがないか。。。

私もこれが病気の始まりだとは思わなかった。

初期の症状は、こんなふうに
本人も周りも気が付かず見過ごされるケースが多い。

そして理解されないので、
誰にも言えなくなる。

実際には見えないものが見え、
聞こえないものを聞く

それが統合失調症の一番多い症状だ。

こんなものを見ました
こんなことを聞きました

そう言っても、
統合失調症を知っている人はほとんどいないので、

逆に
「あなたは気が狂っている」
「変な霊に憑かれている」

そう言われるのがおちだ。

娘も教会で、「悪霊に憑かれている」と言われたようだ。

だから、
病気だという認識で対処できず
祈りで解決しようとしているうちに、症状はどんどん悪化した。