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車椅子の息子とビジネスホテル、部屋を選べない車椅子ユーザー

先日、車椅子の息子と、4才の娘、私、夫とで、ビジネスホテルホテルのバリアフリールームへ引きこもり宿泊に行きました。
その時に思ったことです。

車椅子だと、1コか2コしか選択肢がないんだなあということです。

なぜそう思ったかというと、
今回泊まったバリアフリールームは、ビジネスホテルの2階にあったのですが、
おそらく車椅子の人の避難の安全上、2階にあるのだと思うですが、
その階には温泉(温泉付きホテルだった)であったり、自動販売機などが設置してある、人通りの多いフロアでした。

しかも、宿泊した部屋のドアの目の前、廊下を挟んだ向かい側が、温泉の女湯になっていました。
だからといって、ホテルのつくりがちゃんとしていたので、人の出入りの音が気になって寝られないとかはなかったです。

ですが、夜の10時ごろ。
私と子供が寝ていたときに、

「開けてー!!誰か開けてー!!!」
という女性の大声と、ドアをドンドンドンとする大きな音で目がさめました。

かなりの大声とドアを叩く音がしたので、私はてっきり隣の部屋の女性が助けを求めて私達が泊まっている部屋に駆けつけてきたのかと思いました。

しかし、ドアを開けると、「開けてー」とドアを叩いていたのは、私達の泊まっていた部屋ではなくて、向かい側の女湯のドアを叩いていました。

「誰かー!荷物を忘れてカギがないのー!誰かーここを開けてー!!」

どうやら、女湯に荷物を忘れて出てしまい、荷物を取るために女湯のドアを開けてもらいたいようです。

泊まったホテルの女湯にはオートロック付のドアでカギがかかっており、宿泊者の女性にはカギをもらえます。
大声を出していた女性は、どうやら、そのカギごと荷物をなかに忘れて女湯のドアを出てしまったようです。

私が現状を把握しているうちに、女湯の方からカチャッという音がして、

「あー、すみませんー!!
 荷物をここに忘れたまま間違えて外に出てしまってー。すみませんー!」

という声が聞こえました。
大声を出していた女性は、女湯にいた親切な方から、中から鍵を開けてもらえたようです。
そして大声も止まり解決した様子。

私は、「あー、うっかりものの騒がしい人だったな」と思い再び寝ることにしました。

その時に思ったのですが、
私はそのホテルが快適だったのでまた泊まりに行きたいなと思ったんですが、女湯が目の前にあるこの部屋だと、もしかしたらもう一度同じことが起きるかもしれないので、この部屋にはもう泊まりたくないと思いました。

たぶん、次に予約するときかチェックインするときに、「前回こういうことがあったので、女湯の前の部屋は避けてもらえませんか」ってホテルの人に言います。
そしてたぶん、ホテルの人も、「分かりました」と言ってくれるのではないかと思います。

しかし、車椅子だとそういったことが、宿泊する部屋を変えることはできませんよね。
なぜなら、バリアフリールームというのは、ビジネスホテルの数十とか100とか200部屋とかあるうちの、おそらく1部屋、あっても2部屋しかないから。

このホテルには泊まりたいが女湯の目の前の部屋は嫌だといっても、そこしかバリアフリールームがなければ泊まらなくてはならない。
低階層、高階層、禁煙、喫煙、ホテルによってはレディースルームとかレディースフロアとかありますが、そういったものがまったく選択できない。

車椅子ということは、選択肢がぐっと狭まってしまうって言う事なんだなと思いました。

今回はビジネスホテルの部屋ですが、おそらく今後も、車椅子ではない人にはいくつもの選択肢があるけれども、車椅子だと選択肢が1つかせいぜい2つしかないとうことが何度も起きるのだろうなと思いました。

かといってただ待っていても車椅子の息子に与えられる選択肢は、1つか、せいぜい2つ。

ホテルの部屋に関していえば、どうやったらバリアフリールームではないビジネスホテルの部屋に、車椅子の息子と快適に泊まれるかを考えていきたいです。
そうすることで、息子の選択肢がぐっと広がるはずです。


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