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男・岩橋玄樹の魅力を,タメの男オタ/ジャニーズ研究者の目線で語る

 King&Prince岩橋玄樹について知っている方が「そういえばそうだった」と忘れてしまいそうになる事実がある.彼は現在「23歳・男性」であるということ,「現役 男子大学生」であるということ,前までは「男子高校生(DK)」であったということ....

 その端正な顔立ちは既存の「イケメン」という概念を超えて,男性からも女性からも愛される.性別というものを超越してまるで神のようなルックスを誇る彼のルックスと言動行動には,彼にしかない力が宿り,オリジナルな魅力を人々に与える.

 どこかのnoteにポロっと書いた気がするのだが,ボクはたまに彼が「男性」であるということを忘れる.これは彼のことを「女性」とみなしているのかというと,そういう訳ではなく,その独特の雰囲気や世界観があいまって「玄樹は玄樹」といった感じで今までに味わったことのないような感覚を彼に対して覚えるのだ.

 ボクは「King&Princeの中で一番の推しは誰か?」と聞かれれば必ず「玄樹!」と答える.もちろん全員大好きで,順位はつけられないのだが,ボクは同性として彼のことをお手本/模範的な存在としてみており,それは他のメンバーと比べ,彼に見出す見倣う点や学ぶ点が最も多いのである.

 「男からも愛される」という観点でジャニーズアイドルを挙げるのだとすれば,長瀬智也や城島茂,木村拓哉,坂本昌之などがいるだろうが,共通していえるのは前近代的でヘゲモニックな男性性が彼らには存在しており,あまりボクはこういう言い方をするのは好きではないのだが,非常に「男らしい」(あくまでトラディショナルな考え方)人物である.

 ボクはジェンダーの分野で研究しており,それに携わっているからこそ同世代の方々と比べてジェンダーことについて考える機会はとても多い.そんなボクの世界観からすると玄樹には特に若い男性にとっての模範的要素を多く含んでいる.そこが彼の魅力でもあったりする.今回の記事では,男・岩橋玄樹の魅力を男目線で語ってみようと思う.これを読んでくださっている読者の皆さんが,彼から見出す魅力が増えれば,同じファンであるボクとしては本当に嬉しい限りである.

ルックス/容姿

 玄樹は喋らずとも外見だけで「おっ」と思わせるような,溢れんばかりの魅力を持ち合わせている.中性的といえばいいのだろうか,今までの既成概念では説明できないような出で立ちの彼であるが,そのなかでもボクが彼の外見から見出せる魅力のうちの一つに,「髪型」というものがある気がする.

 彼が基本的に施しているヘアセットは,世の男性たちにみられるようなヘアスタイル集には掲載されていない独特,だけれど違和感なく受容できる髪型をしており,他者との差別化を図り自己を表現させる手段の一つであるメイクアップをモノにしている印象を持たせる.ちなみに,「メンズ ヘアスタイル」と画像検索すれば玄樹の「らしさ」が浮き彫りになってくるので,検索をオススメする。

 ボクは決して一般的なメンズのヘアスタイルを否定している訳ではない.ボクも髪の毛を短く切ってもらう際,大いに参考にさせてもらっているし,ジャニーズアイドルでもこれらと同じような髪型を施している者も多い.

 けれど,玄樹のヘアスタイルには,一般的に存在している型に当てはまらないオリジナルのテイストが存在しており,それは決して前衛的で非受容的であるという訳でもなく,完全にそれをモノにしているというところに,一人の男性・若者として参考にすべきポイントを感じ取ることができる.

 そしてこれはあくまでボク個人の考えではあるのだが,玄樹はまれに前髪を目元にかかるくらいにまでの長さにし,サイドもスッキリと軽いナチュラルストレートな髪型にすることがある.それをみたファンが「絶対こっちのほうがいい!」とコメントする姿をよく目にするのだが,ボクの中で「本当に玄樹のことが好きなのか」という一つの客観的な線引きとして「こっちのほう“も”いい!」と言えるか否やという境界線がある.

 ボクもたしかに,いつもの玄樹らしさを表す「ブリーチをかけた明るいブラウンの前髪重め・片耳出しスタイル」とは違った,人工的な要素を排除した短めのストレートスタイルも好きだ.けれどそこに卓越さというか優劣をつけることはできないだろうし,それをしてしまえば,毎日のヘアセットでセルフケアを欠かさず行っている玄樹のプロフェッショナルさを踏みにじっている感じがしてしまって,ボクはそのようなコメントを見るのがあまり好きではないのだ.とはいえ,これはセンス/感性的なものなので,あくまで一個人としての見解であることを了解していただきたい.

まじめさというギャップ

 Jr.時代含め,King&Prince内での彼の立ち位置はいわゆる「姫ポジション」である.同性からみても明らかに「可愛い」という要素を持ち合わせる彼の雰囲気からは,大切な宝物を扱うときの繊細な気持ちがついつい引き出されてしまう.

 姫ポジというのはポジティブにもネガティブにも捉えることができる.「姫」のネガティブな解釈というのは,傲慢さであったり意固地であったり,頑固であったり...謙虚さがなく図に乗ったような感覚のことを指すとボクは思うのだが,いかがだろうか.

 玄樹には少なからずそういった要素は"あまり"ない.たまーにメンバーやJr.時代の仲間からの証言で「あっち(岩橋)から遊ぼうと誘われたのに,会っても自分から全然話しかけない」といったワガママな様相を示すこともあるようだが,頻繁ではない.

 それどころか,ボクらが享受する岩橋玄樹というのは「まじめ」で,調子に乗ることのない,熱心なアイドルなのである.

 ドキュメンタリー番組「Ride On Time」がKing&Princeを特集した際,コンサートの練習風景が映し出されているシーンがあった.そろそろ頃合い的にメンバーが慣れ始めてきた時に,気を緩めてしまってミスを続出させるメンバーがいた.

 それに対して岩橋は怒りの感情を顕にし,そのうちの一人である神宮寺に本気で叱るところを我々は第三者目線で見つめる.そこには悲しさも混在しており,彼はその後に涙を流してその感情を滲ませる.根からのまじめさが存在するが故に緊張感のなくなった周りの雰囲気に耐えきれなかったのだろう.岩橋の本質的なところをボクらは垣間見ることのできるシーンであった.

 彼のこのようなまじめさが如実に現れていたシーンはこれだけではなく,彼がまだ15歳,つまり7-8年前に放送された「ジャニーズJr.の真実」という番組でも垣間見ることができる.

 15歳・高校1年生という遊びたい盛りのこの年齢の時からJr.では第一線で活躍し,またその傍らで大学へ進学するための勉強をしていた.

 このドキュメンタリーを観ていると,公演中にあまりのプレッシャーに押しつぶされてしまい腹痛で苦しむ彼の姿も目撃することとなる.

 今でこそKing&Princeの「姫」として周りのメンバーに重宝されるシーンを見ることが多く,それだけでも彼独自の長所を見つけることができるのだが,そのキャラクターには,根っからのまじめさという本質に裏打ちされている事実をボクらは享受することで,より彼のパーソナルな部分に引き込まれていくのである.

弱みを出せる

 ボクが玄樹をグループ内で1番に推す理由は,唯一無二のルックスとスタイルと,姫ポジと人一倍のまじめさの併存という上記の要素に加え,第一線で活躍していながら素直に弱みを明かせるという点にある.

 歳をとったり,何かの分野において歴を重ねてくると,その分抱える責任は大きくなっていき,後輩の存在が色濃くなってくる.そうなってくるとなかなか自分の素直な感情を出すことができなくなってしまい,やがて隠すのが当たり前になってくる.

 余談だが,そんな気持ちをSMAPは『手を繋ごう』という曲で表現していた.

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 コンサートの演出に携わっていた香取慎吾はこの曲をライブのクライマックスに採用していた.SMAPが当時伝えたかったメッセージを,無意識か否かはどうであれ,同じアイドルとして未来を生きる玄樹はそれを具現化しているように思える.

 そんな彼の弱いところを具体的に見ることができたのは2014年の11月に放送された『少年倶楽部』内でのコーナー「その時ボクの歴史が動いた」である.彼は以前に自身とシンメの神宮寺がメインを張ったパフォーマンスを回想し以下のように語る.

岩橋「2年前の初めてのジャニーズワールドで、神宮寺と僕がセンターになる曲があって、踊って楽屋に帰ったんですよ。そしたら振付師の方に、後輩のちっちゃい子とか居る前で、『岩橋はセンターに向いてない。神宮寺の方が人気もあるし、何でお前センターなんだ。』それをみんなの前で言われて。
河合「それは悔しいよな〜」
戸塚「神宮寺には神宮寺の良さがあって、岩橋くんには岩橋くんの良さがあるからね。」

 ボク自身にも当てはまることではあるのだが,人はなるべく他者の前では良い格好をしていたいものだ.例え悲しいことがあったとしても,隠そうとしてしまう.

 しかし,玄樹は自身の羞恥心に関わることを惜しげもなく告白してくれた.これが放送された2014年は彼が18歳くらいの時.まだまだカッコつけたい年齢だし,神宮寺という年下のライバルもいることもあって尚更,隠しても納得できる要因が多く存在する.

 この話の結末は以下の通りだ.

岩橋「でもそれがあったからこそ、今神宮寺と2人で引っ張っていけるというか、今の自分が居るかなって。今は感謝してますね。言ってくれたこと。

 なんて健気なのだろう.ボクだったらきっと「あいつ本当に鼻フックかけてやりたい」的な発言をするだろうに,彼は素直に受け止め,それを昇華させて自身のやる気に繋げている.

 彼のこのような考え方は誰しもが見倣わなければならない.これを書いているボクも,ジャニーズファンとか関係なく,若い世代の誰もが.

さいごに

 いつかのnoteでも書いたが,ボクが同世代ジャニーズアイドル(Sexy ZoneやKing&Prince)に見出す魅力というのは第一の要因として「憧れ」が挙げられる.同い年がメディアに出て頑張っている.今目の前で披露されているパフォーマンスを完成させるにあたってどれだけ練習したことか,どれだけ自分の時間を犠牲にしてきたのかをついつい考えてしまう.「彼も頑張ってるからオレも頑張らなきゃ」と思うのだ.

 そんな要素を特に感じ取ることができるのが,自分と同い年でもある,岩橋玄樹という存在なのである.

 今はパニック障害による療養が続いており,復帰もまだ確定しておらず,彼が今どのような状況にいるのか窺い知ることはできない.デビュー前からパニック障害によって生じる症状に苦しんできたと『Ride On Time』で素直に告白してくれたが,きっと彼の人一倍真剣でまじめな要素が自身のキャパシティーを越して働いてしまったのだろう.

 ボクは,玄樹がまだ活動している間ずっと,一方的に彼の考え方などを学び,なんとかここまでやってこれた.しかし,そんな模範としての彼の存在が一時的に喪失されてしまっている今,これまでの恩を彼に返すにはどうすればいいのだろうと,心の中で渦巻いてくる.

 「復帰したらコンサートへ行く」「CDを買う」とか選択肢は挙がるが,そのどれもがなんか違う.今までの人生の中で,間接的に自分の背中を押してくれた彼に恩返しするには,これまた人生という大きな規模でもって返さないといけない気がする.

 夢を見させてくれるアイドルは,皆々に等しくそれを提供してくれる.ファンはその夢を見させてもらうことだけで満足するのではなく,それを自分なりに解釈し,夢を夢で留めるのではなく,具現化させるべきであるとボクは思う.

 岩橋玄樹は完璧でないところを隠さない完璧なアイドルだ.玄樹が今後の晴れ舞台への準備をしてくれてるであろう今,ファンは彼へどう恩返しすればいいのか,じっくり考えてみると今後の自身の未来やオタとしての未来にちょっと色を添えることができるかもしれない.


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