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幸せと笑顔を届ける「快晴・青空のアイドル」有岡大貴の魅力について考えてみる

 Hey!Say!JUMP有岡大貴の主戦場は自身の所属するHey!Say!JUMPでのアイドル活動,その中でも主にバラエティ班・いじられ役・ガヤなどといった“お調子者”としてファンに笑顔を与えてくれている.ソロでの活躍を語る上で欠かせないのはお昼の情報・バラエティー番組「ヒルナンデス!」ではロケに行って様々なイベントやグルメを紹介して,日が昇っているお昼という明るい空の下でそれに負けないほどの笑顔と明るさで元気を届ける.そんな彼も今年で29歳,バチバチのアラサーだ.「29歳」という年齢を前にしてまだ23歳のボクからするとだいぶ「お兄ちゃん」という感じがするのだが,有岡からは正直そんな「お兄ちゃん」という感じはしてこない.とびっこ(JUMPファン)の間で彼は「永遠の5歳児」と称されており,老若男女問わず彼は「かわいい!」と評価されている.

 この評価は男性で異性愛者のボクからみても本当にそう思う.「かわいい!」という気持ちもそうだし,大人な年齢なのにここまで子どもっぽく笑ってはしゃぎまくる「理想の男」として彼はボクの目に映る.男性から見る憧れの男性像といえば一般的には山下智久であったり亀梨和也であったり,いわゆる「男らしさ」を持ち合わせるタレントたちが挙げられる傾向にある.

 上記の「ランキングー」の1位・2位が山Pと亀だったワケだが,3位には有岡が所属するHey!Say!JUMPの絶対的エース山田涼介が挙がっている.山田はたしかに筋肉隆々で顔もすばらしく整っており性格も優しい.「イケイケ系」かと思いきやゲーム好きで内向的な性格だというギャップもまたジャニーズに興味はない男性にも魅力的に映るだろう(「ランキングー」では山田の「完璧」なところしか取り上げてなかったけど).

 たしかにボクにもそんな彼らにめちゃくちゃ憧れている時期はあった.世間一般にいわれる「男らしさ」というものが正義だと思っていた高校時代まで,今でも好きではあるが,自分のなかでの憧れの人物は木村拓哉とか赤西仁とかそれこそ山田涼介とか,The PERFECTという評価が下される絶対的エースとして光り輝くアイドルたちばかりを見続けていた気がする.JUMPを見るにしてもいつも目に映るのは山田の姿であり,彼がいったいどんな服を着ているのか,どんな髪型をしているのか,どんな発言をしているのか,そしてどう歌っているのかというところまで無意識に分析していた.ちなみに,ボクも一時は彼に寄せようと思ったこともあるのだが,素材(顔とか)があまりにも違いすぎて家で真似て痛々しかったので模倣はあまりしなかった.けれど,彼らに限ったことではないが「男でもメイクしてもいいのか!」と思わせられ,コンシーラーとかは使うようになった.

 大学生になって成人して,オタクとしての経歴も必然的に長くなると同時に様々な人物と出会ったりするなかで自分にとっての「かっこいい」という像は段々と変化・多様化していく.いわゆる「男らしさ」を様々な場で実践していくなかで息の詰まったような感覚を覚えはじめ,段々とそのような風潮に流されないでオリジナルの「かっこいい」を発信しているジャニーズアイドルに段々と焦点をずらすようになってきたのだ.ボクはどのグループを一番推しているというものはあまりなく,いわゆる事務所推し.目的と状況に応じて見つめるグループを変えていくスタイルなのでTwitterで「他担NG」と記載しているファンにはブチ切れられるタイプの楽しみ方でジャニーズを応援している.そんな楽しみ方そして自身の価値観の変化・多様化という状況のさなかでJUMPを見つめたときにボクのなかでとりわけ輝いて見えたのが有岡大貴なのであった.

山田と比べて有岡は...

 世間は有岡大貴についてどう思っているのかについての調査がないのでボクがいままで見てきたなかでの世間が見る有岡大貴イメージを考えていきながら,それを1ファンであるボクがどう捉えているのかについて書いていこうと思う.

 有岡はグループとして出演するときもそうだし,自身が1人で出演したりJUMPのメンバー数人で出演するときもそうなのだが,よく山田と比べられることが多いように思える.特に有岡が1人でどこかのバラエティー番組にゲスト出演するときにはよく「山田のほうが〜」と山田が↑で有岡は↓という発言をよく耳にする.もう少し詳しくいうと,山田はスターだけど有岡は身近なタレントといったところだろうか.

 ファンからみると山田×有岡というのはなかなかエモい関係性だ.JUMP内の格差が非常に激しかったデビューしてからの数年間,山田はセンターとしてJUMP史のなかでいつもセンターに立っているのだが,有岡も割と最前線に立っていたメンバーなのだ.山田と有岡は同じ最前線メンバーの知念侑李と中島裕翔と4人で「スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜」で主演を張り,エンディング曲として採用されたJUMPの「真夜中のシャドーボーイ」では他6人(当時JUMPは10人組だった)のメンバーは紫の地味めな衣装を着るのに対して有岡含めた4人はブレザースタイルの学生服を着て一番前でパフォーマンスをしていた.いまやバラエティアイドルとも称される有岡だが,バリバリなアイドル感を“演出的に”(今は“自然に”)出していたデビューしてから数年間の時代には最前線のポジションで歌って踊っていたのであった.(このときの有岡の路線はアイドル道一本線だったのかな?)

 この他に山田とのコラボでいえばとドラマ「金田一少年の事件簿」が挙げられる.ジャニーズの主要タレントたちによって代々引き継がれてきたこのドラマはKinKi Kids・堂本剛から始まり,嵐・松本潤,KAT-TUN・亀梨和也ときてHey! Say! JUMP山田涼介へとバトンがまわされてきた.四代目・金田一として主演を張る山田に対し,このドラマにも有岡は出演し,山田演じる高校2年生の金田一の後輩,1年生の佐木を演じた.本当は有岡のほうが年上にも関わらず,現実と逆転した感じで年上/年下の関係性を見せるのもまたファンからする魅力の1つではあるのだが,このときのビジュアルも山田がまさに「かっこいい」を代表とする少しだけパーマのかかったサラ髪テイストであるのに対して,有岡が「独自」を代表とするパーマ感強めのふわふわした髪型であったこともまたエモい.なんというか,かっこよさのテイストが全く違い,2人とも少年のような幼い感じの顔立ちであり,やってることは「推理」という常任離れした頭脳明晰なことでありながら,ビジュアル的なかっこよさは王道とオリジナルで分かれているのが「こりゃ一本やられた!」と思わせられるのである.

 話は戻って,世間とファンの間での「山田と有岡」という話なのだが,たしかに大衆向けに見せるかっこよさというのは共通する部分もありながら,異なる部分もある.きっと「ファン」ではなく「日本」に向けて発信するかっこよさを放つ必要があるのであれば山田のほうをフィーチャーさせたほうがウケはいいのだろう.しかしながら,だからといって有岡のほうが劣っているのかと聞かれると決してそういうワケではない.彼から見出せるかっこよさというのは上記に挙げたような「オリジナル」な感じが1つあるのと,「世間が思う有岡大貴とファンが見る有岡大貴」のギャップ部分にファンこそが見出せる彼のかっこよさや魅力が存在することを次節から述べていきたい.

世間が思う有岡大貴とファンが見る有岡大貴

 ファンはどういう番組であれ,彼が出演するテレビやラジオ,雑誌などの出演メディアをジャンル問わず視聴するのだが,有岡はじめJUMPのことにあまり興味ない人は“たまたま”テレビに出ていた有岡を見て彼が一体どのような人物なのかを目の当たりにすることとなる.世間がたまたま彼を見かけるテレビ番組は一体何かと考えたとき,それは主にバラエティ番組.なかでも週1でレギュラーを務めている「ヒルナンデス!」に映る彼の姿である.スタジオ収録の際にもロケ収録の際にもグループでも見せるポンコツっぷりを発揮していつでも目立つ彼はとにかく何にでも乗っかってバラエティアイドルとしての片鱗を見せつける.グルメであれ何かの体験であれ何でも受け入れて「うまい!」や「すごい!」を叫ぶ.番組を盛り上げるために何かとダジャレを言ったりベタな小芝居を見せてくれるが,ここも特段めちゃくちゃ面白いワケでもないが「有岡がやってる」ということで何故か笑顔になってしまう.きっとこれは非ファンにとっても同じような印象を受けているためなのか,彼の「ヒルナンデス!」レギュラー出演は八乙女光も含めてもう少しで6年を迎える.

 「何にでも乗っかる」という側面は彼がゲスト出演したJUMPの伊野尾がレギュラーを務める「メレンゲの気持ち」でも見せてくれて,同じメンバーの伊野尾が見事にそれを一蹴したシーンがある.

 この番組では度々ゲストが自宅のなかを撮影し,設置している家具であったりキッチンで料理している姿であったり,お気に入りのグッズを紹介したりするのだが,有岡もこの例に洩れず,飾っている絵やおしゃれな時計,マッサージグッズを紹介した.そして最後に,当時YouTuber発信(?)デ流行っていたハンドスピナーを紹介してファンを驚かせた.Twitter上では「まさかのハンドスピナー笑」といった意外性を示すツイートがTLを埋め尽くした.あの時はどのYouTuberもハンドスピナーについて触れては再生回数を伸ばしていったものだ.

 VTRが降りてこれを受けて出演者が色々と有岡に質問したりトークをふっかけたりするのだが,ここで司会の久本がレギュラーでもありJUMPの伊野尾に,初めて有岡の自宅の雰囲気を知ってどう思ったのかについて問いかける.すると伊野尾は冷めた目で「いや、多分、嘘だなと思いました」と答える.伊野尾曰く,あれは流行ってるからやっていると言ってるだけであって,ハンドスピナーの前に紹介していた背中コロコロのマッサージグッズもやっていないだろうと主張するのである.ここで有岡は必死にそれを否定し「やってます!」と言うのだが,ボクはこのシーンをみて素の有岡を伊野尾が引き出しているように見えた.

 大衆向けに「愛されキャラ」を構築する有岡の戦法は,流行りモノに乗っかり,誰もが好むアイテムにも便乗して気に入る姿を見せ示すことによって共感を得て,それと同時に有岡に向けた世間からの愛を密かに構築させていくものだとボクは思っている.その乗っかるというスタイルというのは,「ヒルナンデス!」やその他のバラエティー番組に限らず,男性向け健康マガジン「ターザン」の表紙を飾り,有岡にスポットを当てて特集を組まれる際にも1ヶ月で腹筋を割るという企画で実際にそれに向けて本気のトレーニングを行い,見事に綺麗なシックスパックを作り上げたところにも見出せる.なんというか「大衆向けの有岡」というのは社会の潮流によって築き上げられている気がするのだ.

 しかしながら,ファンはそれもそれで1つの魅力として捉え,これに加えて有岡自身が持つ人を惹きつけるオリジナルな魅力に心を掴まれるのである.そもそも彼の本業であるアイドル・歌手活動のなかで魅せる彼の歌声は,たとえファンでなくても一発で判別し,覚えられるような独特で幼い感じがありながらも透明で「お?」と思わせるような声質で,その歌詞をストレートに届ける.Hey!Say!JUMPという大所帯のグループにいながら歌っても見出すことのできる彼の歌声は非常に魅力的で,彼の歌うソロパートはまさに彼のために仕立て上げられたパートなのかと思わせてくれるほどマッチするものがほとんどだ.バラエティ番組のなかでは何かとポンコツぶりを見せてくれる彼だが,パフォーマンスにおいてはダンスも難しい振り付けであっても難なくこなし,そして歌ではさきほどのようなオリジナルな魅力を付帯させて声とメッセージを届ける.ボクはそのようなギャップに惹かれるのである.

 伊野尾が「嘘だなと思いました」という,(彼曰く)流行りに乗っかってるだけというアンチテーゼはひそかに行なっていた「「大衆向けの有岡大貴」の構築」を浮き彫りにさせるような感じがしたのだ.そしてまた,1ファンとして,それを否定する有岡からも“本気で”否定しているようにはあまり思えなかったのである.もしかしたら伊野尾の証言のほうが本当なのかもしれない.または,JUMP内で実際にハンドスピナーは流行ったが急速にそのブームは終焉を迎えてしまったということで収録している今はやってないからそこらへんのタイムラグで混乱していたのかも(「永遠の5歳児」だからそこらへんの大人な事情をうまく咀嚼できない!)...

一ファンとしての有岡大貴の眺め方

 長らくバラエティ番組を自身の主戦場として,老若男女を問わず多くの人々に愛を届ける有岡はファンからも長らく愛し続けられている.ボクはJUMPに対して「めっちゃコアなファンなのか!?」と聞かれると,本当のコアとびっこに対しておこがましいので自身を持ってYESと答えることはなかなかしずらいのだが,そんな中途半端なファンからしても1つ有岡大貴を見つめる視座というものがある.それは大衆・世間一般目線との対比スーパースターとの対比である.「世間一般は有岡のこういうところが好きかもしれない.でも私たちは知っている.〜」の「〜」の部分であったり「たしかに山田涼介は何もかもずば抜けてかっこいい.ファンじゃない人でもその素晴らしさは一目瞭然なものだろう.だけど有岡というアイドルは〜」の「〜」部分であったり,こう比較することで彼の本当の魅力が見出せると考えるのだ.とはいえ決してこれは一言埋めることはできないので,ボクなりの解答例はここまで書いてきた内容をいい感じにまとめてもらいたい.

 ここまで述べてきた有岡大貴の魅力を全てひっくるめて,「山田涼介=スーパースター」のようにして彼を表現するのであれば,ボクは「快晴・青空のアイドル」と名付ける.そのココロは,彼は「雲の上のアイドル」かといわれるとそこまでの距離感は感じないし,かといって「地下アイドル」かといわれるともっと程いい距離感があるように思える.どこがちょうどいいかと考えたとき,雲の下に広がる空の位置.それも「ヒルナンデス!」で明るい空の下にいる我々に笑顔を届けてくれるように,有岡の位置には明るい青空が似合う.どこまでも広がる青空はいつも我々が何を好みどのような流行に乗っかっているのかを見てくれている.一面青い空かと思えば,ほどよく雲のカケラが散りばめられている空であったり意外と雲が多い空のときだってある.ファンはよく有岡のことを注目しているから,世間が彼を形容する「バラエティアイドル」とは異なったもっと深い彼の魅力を見出す.今後ともボクは「快晴・青空のアイドル」有岡大貴からたくさんの幸せをもらって,いつか何かのカタチで彼やグループに還元したいものだ.

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