【エッセイ】ウィルス性胃腸炎に罹って人間のあり方について考えさせられました。僕はウンコ製造機なんかじゃない。

ウィルス性胃腸炎に罹りました。いつも通り貴重な若さをAPEX Legendsで無為に消費していたところ、急に強い倦怠感に襲われました。

「熱っぽいな」と考えていた束の間、あれよあれよという間に強い悪寒と頭痛が訪れ、完全に発熱でダウンしてしまいました。

ご時世がご時世ですから、当然コロナなアレが頭をよぎりましたが、呼吸器系は問題がなさそうでしたのでただの風邪かと油断していたのですが、問題は肛門に起きていました。


ただの熱なら寝てれば治るだろうと高を括って寝ていた所、強烈な腹痛と吐き気に叩き起こされます。急角度で便意グラフが上昇していき、反射的に肛門括約筋を最大圧力で締め切ります。もしこの時僕の肛門にハムスターが入っていたら間違いなく窒息死していたでしょう。

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僅かでも肛門を閉じる力を緩めた途端にウンチが溢れてしまう最悪のイメージが眠気を一気に覚まします。このままではオネショどころの騒ぎでは済まない。オネウンチ、オネ糞、オネ脱糞の恐怖が僕をトイレへと駆り立てます。


便座に腰掛けてからは本当に最悪でした。肛門括約筋を開放させた途端、水の入ったペットボトルを思い切り押し潰したように、肛門から液体のような便が勢いよく噴き出します。ビチビチと、この世で一番汚い音を出しながら、無様に大量の下痢ウンチを吐き出す僕の肛門。自分の体からこんな汚い音・物が出てくることに改めて驚愕します。また、何を思ったか自分は昼間に激辛ラーメンを食べていたので、消化されずに残った唐辛子が肛門の柔らかい粘膜を刺激し、激痛が走ります。あまりの痛みに声が抑えられません。僕は一流大学を卒業していますが、苦悶の声を挙げながらケツからビチビチと軟便を吐き出す僕を見たら誰も僕が一流大学を卒業しているだなんて思わないと思います。だって一流大学の人はウンチなんてしないから。


こうなると脱水症状が怖いので便を出すたびに水分補給を行うのですが、水を飲んだそばから便意が押し寄せ、また下痢ウンチとして外に吐き出すの無限ループが一晩中続きます。僕の中に入るまで透明だった水道水が、僕を通すと真茶色のクソ汚い物体として肛門から勢い飛び出していく様を見て、自分がくだらない生き物であることを再認識させられます。食べ物も、飲み物も、僕の中に入るまでは美しい姿をしているのに、僕から出た途端にこの世で一番汚い姿で便座に吐き出されていることを考えると、いたたまれなくてたまりません。

しかし、人間が生命を維持するためには水と食べ物を摂取していく必要があります。そこで得たカロリーやらを使って生産活動をし、お金を頂き、そのお金をまた水と食べ物に変換して生活しています。人間は生きるためには、口に放り込んだものを全部茶色く臭く汚くして吐き出すプロセスが必要なのです。

だからこそ、僕は僕がウンチにしてしまった美しい水や食べ物を再生産して、別の美しい物を産み出していかなければいけないと強く思いました。この文章もそんな決意のもとに産み出した美しい物の一つです。


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