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新小4 組み分けテスト 当日①

かくして、「組み分けテスト」当日を迎えた。

テストの時間は夕方からだったため、昼の習い事を休まずに行こうと決めていた。しかしながら、組み分けテスト当日にして、怖気づいた息子は

「習い事休む。ボク、勉強したい!」

と言い出したのだ。通常の私なら、                           「あ~ら、奥様、タクの息子ったら、勉強好きで困っているんですのよ。アタクシが『遊びなさい」って何度言っても、一人で勝手に勉強しちゃってるんザマスよ。オーホッホッホッ・・・。」                         とスネ夫ママのように、ご近所様に自慢を始めるところだ。            しかし、その日の私は                       「そこまでする必要ある?出来なかったら、その時はその時よ。」と直前にほんの少し勉強したくらいで気が大きくなっていた。(全くの勘違い!)

「大丈夫、大丈夫。ほら、先生も4年生は習い事と両立して、時間を上手く使ってくださいって言ってたじゃない? それに、休んだらお金もったいないじゃない? 一回休んだら、〇円損をするわけで…」                               とせこさ丸出しの理由を持ち出し、渋る息子を習い事へ送り出した。

行く前はブーブー文句言ってた息子だったが、帰ってくると          「あー気分転換できたー!行ってよかった!」                     と言っていたので、すかさず、                      「ね? そうでしょ、そうでしょ!」                          と便乗し、「私の狙いは最初から『気分転換』だったのよ」と言わんばかりに満足げに微笑んでみせた。

試験までもうあまり時間がなく、少し休憩して、すぐに家を出た。家を出る前に何度も持ち物を確認した。

駅に着くと、組み分け試験を受けると見られる親子連れて溢れていた。  何かみんな賢そうに見える・・・。                    途端に緊張感が高まり、                                   「ボク、緊張してきた・・・。」「お、お母さんも・・・。」                    チキン親子はお互いに汗をかいた手をギュッと握りしめ、会場まで進んでいった。

会場前には拡声器を持った人が何人かおり、入口に人が溜まらないように人員整理を行っていた。入口で立ち止まることが出来なかったため、最後に大した声掛けも出来ず、息子は建物の中へ消えていった。

「大丈夫かなぁ・・・。」

そう呟きながら、とぼとぼと会場を離れ、時間がつぶせそうな喫茶店を探すことにした。                                        (つづく・・・)

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