Secret Base (※「君たちはどう生きるか」内容に触れます)

「君たちはどう生きるか」をレイトショーで観た。
観終わってから、コモド大真面目の相方と今度出演するライブのことをLINEで話しながら、23時過ぎ、松本ぼんぼんが過ぎ去った街中をICEBOX片手に散歩した。音楽は止まり出店もすっかり片付け終わっていたが、イカ焼きの残り香、たむろする人々、にやけながら一人小走りする若者、飲みかけのまま残された瓶や缶と散乱したゴミに祭の霊を視ることができた。一方相方は長野市でびんずる祭に行ったらしく、話を聞くだけで、風が吹き心地好い松本でも湿気って纏わり付く長野市の暑さを思い出すことができた。中高生の頃、祭好きだった私は毎年びんずるに行っていた。「記憶に残っているその光景はどれも実質一人称であり、私nizeされたものが思い出す時更に重ねて私nizeされている。」鉤括弧内は後付け。
「君たちはどう生きるか」をそんな感じで観ていた。母親そっくりのナツコ、顔圧の強い父、頭でっかちなお婆さんたち、特徴がない同級生たちに、本当はそうじゃなさそうな「眞人nization」を感じて、「常に俯瞰した眞人の視点で描かれている」という思い込みを傍らに観ていた。そんなことをしていたから捻れてしまい、全体の話として、塔で起きたことは全て幻でした(故に、、、である)という可能性以上に、記憶の孤独な独白でしたという可能性に引っ張られて、ヒミとパンを食べるシーンが異様に突き刺さったのであった。
(最後のほうは人を離れた大きな意思とか「世界」をどうするかの選択、それをすることができる権利(血筋)みたいな話になって集中は霧散してしまった。)

あとは、音が、特に静かな音が印象的だった。劇伴なしで観てみたいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?