珍味を喰いたひ
白子ぽん酢を食べたことがあったろうか。
酒飲みの舌を持っている私は、この代表的なおつまみの味を覚えていない。
あん肝くらいならいった。
でも白子は記憶にない。
そういう珍味を食べたい気持ちで、近所のスーパーへ立ち寄った。
珍しい刺身など置いている店だ。
白子は無かったが、フグ皮を買って帰る。
どんなつまみにも合うと信じて止まない、麦焼酎の水割りカップと合わせて嗜む。
明日も仕事ながら飲む罪悪感に、もう少しだけ身を寄せたくて、新しくかった日本酒を開けてみる。
うまい。
ぽん酢の酸っぱさが。日本酒の甘さが。
お互いに引き立てあっているのを感じる。
私の舌が求めていたのは、これなのだと思う。
うまい。
麦焼酎もすっきり飲みやすいので、「これでいいのだ」と思い込んでいた。
先人の知恵には従うものだ。
ぽん酢の合う魚(肴)には日本酒。
今後の晩酌は是非そのように致しましょう。
酒飲みの階段を登る夜であった。
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