#64　割り算

「おじいちゃん、今どこ」りこの声だった。「今、畑でいるで～」私は言った。「いまいいの？宿題教えて～。」「どうしたん」「算数のドリルやってるんやけど、95割る５の答えは0.05になってん。答えが小数になる問題はまだ習ってへんわ。りこ、割り算のやり方、急にわからんようになった～」私もりこの、質問の意味が分からなかったので混乱した。するとりこは、ラインで割り算問題の画像を送ってきた。

問題は９５÷５＝　　　という問題でをひっ算で解く練習のため、ひっ算用に５√９５と書いてあった。（√のようなひっ算の記号) 。

私は自分の経験から、りこの間違いの原因は（割られる数）と（割る数）の混乱と思い、「（割られる数）は95で、（割る数）は５やで。だから、９５を５で割るんやで」といってあげた。そして、りこに「（割る数）と（割られる数）を逆にしたので間違えたとおじいさんは思うけど～」と付け足していうと、りこも納得したのか落ち着いた。

りこは、今までわかっていると思い込んでいた問題が、急にわからなくなり、混乱し不安になったのだろう。

しかしりこは、宿題が分からなくなったときに、ママが帰ってから聞こうとしなかった。帰るまで、不安な気持ちが残っているのが嫌だったのだろう。そのため、いつも宿題を見ている私に電話したのだろう。しかも、画像が送れるラインで。

「りこ、わからないとき、すぐあきらめなかったのはえらかったで。またきいてもええで～」と私が言った。りこは、「うん」と答えた。