#22 駄菓子屋さん

去年の秋のこと、しょうとは放課後走って家に帰ってきた。急いで着替えながら「おじいちゃん。今日は友達と遊ぶねん。帰ってから宿題するわ。」としょうとは言った。「ええけど~。誰と?どこで?何時に帰るの?」と私が聞いた。

「りくとたけしのいつものメンバーやで~。公園でパルクールするねん。」としょうとは言った。(私)「パルクール?」(しょうと)「心配せんといて。あそこの滑り台から飛び降りても全然こわないわ。それより、駄菓子屋さんで待ち合わせやねん。おじいちゃんお金欲しいわ。」(私)「ええで~。いくら?」(しょうと)「なんぼでもええで~。」(私)「みんなどれくらい持ってくるの?」(しょうと)「わからへん、おじいちゃんきめて~。」

しかし、私には今の駄菓子屋さんで子供の使う金額の相場が分からなかった。私は「100円でいいの?」というと、しょうとはいい顔しなかった。それで私は、100円玉を2個しょうとにあげた。しょうとは、「ま~そのくらいやな~。ま~ふつうやな~」といってお金を受け取った。

ポケットにおかねをいれたしょうとは、自転車に乗るために玄関に急いだ。私が「何時に帰るの?」と聞こうとして玄関を出たとき、しょうとは向こうの角を曲がるところだった。

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