#82 同級生

「ただいま」と言って、学校から走って帰ってきたしょうとは、汗だくになっていた。「おじいちゃん。今から遊ぶ約束してるねん。300円ちょうだい。お茶も入れてくれる?」

「どこに行くの?」と私が言うと、「小学校で野球するねん」としょうとは言った。「雨が、激しくなったら止めや。雷が鳴ったら絶対あかんで」と言うと「は~い」と言って自転車で出かけて行った。

私も用事のついでに、しょうとたちが野球している小学校に行った。少雨の中、5人で楽しそうに交代しながらバッターボックスに入っていた。

夕方6時前に、しょうとは帰ってきた。サッサと宿題を終え、私の焼いたお餅を2つ食べた。「今日楽しかった?」と聞くと、「うん。楽しかったで」と答えた。「メンバー5人だけやろ。しょうととりくとこうへいは同じ野球のチームやし知ってるわ。けど、あとの二人知らんかったわ」と私が言うと、「たかしとかずややろ。あいつら別の野球チームに入ってるねん。」としょうとは言った。「けど仲良くやってたな」というと、「そら、野球の試合の時は別々やけど、学校では仲がええで。野球もサッカーもできるし、遊んでいると楽しいで。みんな同級生やで。」としょうとは言った。


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