#15 ねりけし

小3の新しいクラスに、りこが慣れてきた5月下旬のことだった。学校から帰ってきてりこは言った。「おじいちゃん。ねりけし買ってくれへん?」(私)「それ何?何に使うの?」(りこ)「消しゴムみたいに字をけすねん」(私)「そしたら消しゴムでええやん。なんで?」(りこ)「クラスの友達みんな持ってるねん」(私)「ふーん」(りこ)「持ってへんの私とマコだけやねん」(私)「ママにメールして、いいよというたら買ったるわ」

りこのクラスの友達の中で、ねりけしがブームになっていた。消しかすを繋ぐ遊びが流行っていた。りこは、ねりけしが売っているお店や値段も友達から聞いて知っていた。

「ママに言うたら買うてくれへんわ。おじいちゃんやったら、買うてくれる確率が高いと思ったので言うたのに・・・。マコと家にかえって、家の人にお金もらおうと話をしたのに・・・・・」気を落としたりこは、「遊びに行ってくるわ」と、すぐに近所の友達のところに行った。いつもとは違うりこのしぐさだった。

数日たってから、りこにねりけしのことを聞いた。「もうねりけしは学級ではやってへんわ。ねりけし持ってきた子、不要品やということで先生に注意されたわ。『ママに買うてもらわへんでよかったな∼。』とマコと二人だけの時話したわ」とのことだった。

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