#46 治療院

4月の中頃、家に帰ってきたしょうとの右ひざにテープが巻かれていた。「どうしたん?」と私が聞くと、「右の膝の外側が痛い。走ったら痛いわ」といった。「いつから?」ときくと「最近やわ」と言った。私は、去年の冬にも踵や膝が痛くなった時のことを思い出し早速治療院に電話で予約した。

次の日の夕方、しょうとを治療院に連れて行った。私も、首や腕に違和感があったので一緒に診察してもらった。しょうとのけがは、膝の靱帯の損傷だった。しかし軽症なので、治療をしながら練習に参加することができるということだった。私たちは、次の週の火曜日の4時30分に次回の治療の予約をとった。

予約の火曜日になった。その日しょうとは、3時すぎに帰ってきた。私が「早く帰ってきたな。えらいな。」というと、しょうとは、「おじいちゃんカナヘビとりに行くわ。せやけど、4時に帰ってくるから心配せんといて」といってカナヘビをとりに行った。

私は4時まで待っていた。4時20分になっても帰らないので、外に見に行った。仕方がないので、4時30分前に一人で治療院にいって、しょうとの来ないわけも言った。5時過ぎにしょうとは自転車でやってきて「おじいちゃんごめん」といった。私も治療中だったので、後で話をすることになった。

家に帰ってきてしょうとと話した。「みんなと別れて帰ろうとしたとき、治療院に行くのを急に思い出したわ。家に帰ったら5時過ぎていたのでどうしようか迷ったわ。あせったわ。いつも監督さんは、失敗したとき、次はどうしたらいい?とよく聞かれるので、俺は、遅れても治療院に行くほうがいいと思って、怒られるかもしれへんけど治療院に来たんや。」としょうとは言った。しょうとは野球でいろいろなことを学んでいるのだ。


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