オンラインエンタメで"感動"できるのか?

ライブハウス、飲食を主体とするイベントスペース、会館・ホール等は、2/26に政府による自粛要請がなされた以降、大きな経済損失が発生し、3ヶ月がたった現在、店舗・会場が閉店し始める事態となっています。様々な団体から新しい生活様式にあわせたガイドラインが出されていますが、休業要請は解除されても、三密は避けましょうと謳われている内容には「矛盾」を感じるエンターテインメント従事者も少なくはないと考えます。

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本来ライブハウス等は、防音防震機能を高めたうえで営業していたところがほとんどでした。しかし今後は通気性換気性も高めなければならず、それは同じ場所で続けるにしても、それに見合った新しいところを探すにしても膨大な資金が必要となってしまい、存続自体を諦めてしまうケースが多発しそうな勢いです。

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緊急事態解除を前に”ライブハウス”といった一括りにされた表現によって、多様化が進むライブハウスにとって死活問題となってしまいました。そして挙ってライブハウスなどはクラウドファンディングで存続支援を募ります。その数は日に日に増えており、全てに寄付することが難しくなってしまっているのが現状です。しかし、これは物理的な場所を救済するということに限った手段であって、政府の知恵や支援策ではないため、政府または行政から派遣された専門家からの観点により全ての会場の形状(楽屋も含む)や規模や業態で何らかの基準を設けていただく方が営業再開に向けてのスタートが切りやすいかと考えています。


「新しい生活様式でのライブハウス営業は無理ゲー」

もし今後、営業再開するのであれば徹底した衛生面の運営と客席を減少した実施をしなければなりません。そこで収益面を補うために「チケット単価をあげる」「有料配信を行う」というフェーズに進むことが推測されますが、まずチケット単価をあげたことと現状を鑑みて外出移動の距離を減らしていく傾向があるなかでは、それだけで今まで通り収益化できる見込みは薄いと考えます。一方で既存コンテンツのオンライン公開が急速に広まりましたが、リアルでの開催に代わる新たな価値を提供できていないため、収益化が実現できていません。5Gに代表される超高速大容量のインフラの整備はもちろん、加えて新しいテクノロジーの一般化を進めてライブ・コンサートのデジタルフォーマット化を実現するための支援も人材の育成も必要となってきます。それによって新しいライフスタイルが生まれ、新しいエンターテインメント従事者も生み出されると考えます。

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「新しいエンタメの影に隠れた従来のエンタメ従事者」

そうなんですよ、その一方で従来のエンターテインメント従事者がいることを忘れてはいけません。この人たちは今回の自粛要請を一番最初に受け入れた人たちだと言っても過言ではありません。

日本の芸能・音楽産業は2012年頃からライブ・コンサートを軸としたことで音楽業界は生き延びてました。そこにはCDジャケットにクレジットされるでもない、映画のエンドロールになるわけでもない、実に多くのライブ・コンサートスタッフが働いています。

そういった人たちが今困窮している状況に置かれていることをご存知でしょうか?

相次ぐ中止・延期によって持続化給付金の申請であったり、業界の慣習的に数ヶ月遅れて入ってくるギャランティによって生活をつないでいるフリーランスも多いです。そして音響や照明や舞台美術、会場警備などの会社では人員削減や倒産も始まり、とある大手レコードメーカーのライブ制作する部署は解体されるなど、経済的な犠牲者が大勢いることは間違いありません。また6月下旬ぐらいからコンサートやイベントが今まで通り再開されない限りは生活に困窮する人が更に増え、その経済的犠牲者の数は更に増えるだろうと推測されます。


「とどのつまり文化庁長官は何が言いたかったのか?」

3月、文化庁長官による「文化芸術に関わる全ての皆様へ」といったメッセージ。ここに書かれていた「日本の文化芸術の灯を消してはなりません」という言葉に、何の具体的補償内容もないことに批判の声も聞こえましたが、先般発表された横浜市の「文化芸術活動支援プログラム」に於いて、実際に応対して頂いた窓口担当者のお言葉から合点がいきました。そのご担当者は「エンターテインメント従事者は「文化芸術」には該当しない」おっしゃっていました。この言葉はイベント公演は中止・延期によって仕事を失った時に匹敵するような悲しい気持ちとなりました。

だからこそ文化庁には「文化芸術の意義の見直し」と全国の「エンターテインメント従事者の現状把握」をして頂くことを切に願うばかりです。


「エンタメ従事者が"文化芸術"になる日はくるのか?」

新型コロナウイルス感染症。
誰も感染したくないし、させたくありません。
病院のベッドも本当に必要な人に使って欲しいと思う心はエンターテインメントに関わる全ての人の総意ではないでしょうか?

そしてライブハウス、飲食を主体とするイベントスペース、会館・ホール等、そしてそこで働く従来のエンターテインメント従事者の先の見えないなかでの精神的なストレスは計り知れないものとなっています。

ワクチンの開発と治療薬。一般的なワクチン開発は10年から15年と言われ、ワクチン開発競争が激化していくなかで、エンターテインメントから従来のエンターテインメント従事者が離れていき、ライブハウスは閉店し、防音・防震・通気・換気機能が備わった建築物での新しい会場でオンラインによる新しいエンターテインメントへと引き継がれることでしょう。

新しいエンターテインメントって何か?それは文化芸術なのか?
ワクチンより先に生み出していくしか方法や手段はないかと考えます。


「オンラインでエンタメ従事者のサービスが受けられる?」

新しい生活様式のニーズに合わせてサポートしようと、若いエンターテインメント従事者や技術者たちを募り、"カンドーオンラインエンタメラボ"なる仮想研究室を設立しました。まずはものすごく地域を限定させたオンラインエンタメサービスを試験的に開始し、今後は市内、県内、そして地方へと輪を拡げていこうと考えています。けど正直、横浜市青葉区限定とは括り過ぎた感は否めません(笑)これから地方自治体の出されるロードマップなどを参考に拡げていきたいと思います。

カンドーオンラインエンタメロゴ2

具体的にどんなことをやろうとしているのか?

例えば

オンライン アイデア フラッシュ

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"アイデア"を必要としている方へ 一緒にオンライン上でのブレストなどに参加させて頂き、企画を一緒に生み出します。

その他にもフジロックフェスティバルなどの美術チームを中心としたソーシャルディスタンスプロダクト開発数々のイベント進行でお馴染みの司会者によるZOOM内の司会進行など、荒削りながらオンライン上で出来そうなサービスを展開。

皆さんも、是非一度"カンドーオンラインエンタメラボ"なる仮想研究室を覗いてみてください。

オンラインエンタメで感動できるかどうか?は従来のエンターテインメント従事者の手にかかっています。だから現在は優しく見守ってください。

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