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「真紅眼の闇竜」のカルテ (クソカード医学会用資料29)

まえがき

 「真紅眼の闇竜」は「ヘルフレイムエンペラー」等を輩出した最初期ストラクチャーデッキの看板モンスターの1体にして、その元祖となるモンスターです。
 アニメGXでの登場やイラストのカッコよさから人気も高く、サポート豊富な【レッドアイズ】に属するとかなり恵まれた患者ですが、「レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン」ほどではないにしろレッドアイズデッキに採用されないのが現状です。
 でも個人的には「言うほど残念か?」と思うわけです。確かに強力な効果を持つわけではないですが、当たればデカいロマン砲なのも確か。ロマンを突き抜けさせれば全然やれるのでは?
 それを今から皆さんにお見せしようと思います。

真紅眼の闇竜について

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

 つまり「シャドウ・グール」系の効果です。
 ドラゴン族の指定はあれど、上昇率は1体につき300なのでそこそこ。ドラゴン族デッキであれば、少なくとも「シャドウ・グール」のように「カオス・ネクロマンサー」に後れを取ることはなさそうでまずは一安心。
 次に面倒な召喚条件ですが、場に「真紅眼の黒竜」を用意し、このカードを手札に引き込む必要があります……とはいえレッドアイズはサーチも特殊召喚もそれなりにテーマ内で揃っているし、その特殊召喚方法も「レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン」ほど面倒ではないため出そうと思えば割りと簡単に出せます。
 じゃあこの患者の問題とはなにか?
 それは、テーマが充実しすぎていて「真紅眼の闇竜」以外を出したほうが強い場合が多い点にあります。
 「真紅眼の闇竜」ができるのは自身の打点アップのみ。それも3000~4000そこそこの火力になるくらいなら他のレッドアイズモンスターやランク7を使うほうが強いのは明白です。

 まとめると、
①特殊召喚がやや手間
②ワンショットを決められるくらいの火力にならないと採用意味がない
③そのためにはかなりの墓地肥やしが必要とされる
 となります。

 「シャドウ・グール」ではアンデット族特有のギミックを用いることで解決しましたが、ドラゴン族で同様の真似は不可能。
 となればもうあれですね、治療法は「ラーバモス」のときと同じ手段になります。

ドラゴンの底力

 また【推理ゲート】で組みます。
 まずメインデッキの通常召喚可能なモンスターを「真紅眼の黒竜」「黒鋼竜」「亡龍の戦慄ーデストルドー」の3枚だけにします。

 デストルドーは「おろかな埋葬」「竜の霊廟」で予め墓地に送れればベスト。手札に来たら「混沌領域」で墓地に送ります。
 「黒鋼竜」はリンク1につなげて「真紅眼の闇竜」をサーチするために使用。「真紅眼の闇竜」を素引きできていれば不要なのでこちらも墓地に送って構いません。
 準備が整ったら「モンスターゲート」「名推理」を発動。

 デッキの通常召喚できないドラゴン族を墓地に送りつつ「真紅眼の黒竜」が特殊召喚され、それをリリースして「真紅眼の闇竜」を特殊召喚します。
 ここでさらに「モンスターゲート」「名推理」があるなら、先にデストルドーを自身の効果で蘇生⇒素材にしてデッキボトムへと送り、すかさず「モンスターゲート」「名推理」を発動。デッキすべてが墓地に送られて「真紅眼の闇竜」の攻撃力が最大になります。これが理想形。今勝てるなら次のターンはいらない。
 「黒鋼竜」がデッキに残っている場合はこちらが特殊召喚される可能性があるので、その際ももう1枚「モンスターゲート」「名推理」が必要になります。これは下ぶれたパターン。
 他のカードは主に手札交換カードとドラゴン族のみになります。

 安定感なんざ知らないパワーの一点特化、墓地送りと特殊召喚が上手く決まるかどうかの大博打、デッキボトムまで墓地へ落として力に変える。
 これぞ「ストラクチャーデッキードラゴンの力ー」発売から18年位かけて「真紅眼の闇竜」がたどり着いたデッキ、【ドラゴンの底力】です。

相性のいいカード

 最終盤面はともかく、構築自体は【カオスゲート】気味になる。

・「輝白竜 ワイバースター」
・「暗黒竜 コラプサーペント」
 通常召喚できない、かつ特殊召喚容易な星4ドラゴン族。「モンスターゲート」のリリース確保、デッキ圧縮、シンクロ・リンク素材とよく働く。

・「混沌領域」
・「トレード・イン」
・「打ち出の小槌」
 手札交換カード。「真紅眼の黒竜」が手札に来たら詰むので小槌は必須。

通常召喚できないレベル8ドラゴン族
光属性
・「ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン」
・「聖刻龍ーセテクドラゴン」
・「魂食神竜ドレイン・ドラゴン」
闇属性
・「混沌帝龍 ー終焉の使者ー」
・「Sin スターダスト・ドラゴン」
・「極星邪龍ヨルムンガンド」
 「トレード・イン」対応で、光属性または闇属性のレベル8ドラゴンたち。光属性は完全にただ居るだけの存在な一方、カオスエンペラーやSinスターダストは出そうと思えば出せるのでコストにしたり素材にしたりできる。

・「モンタージュ・ドラゴン」
 隠し味。こいつ自体はレベル8だけど地属性なので1枚だけ。

・「暗黒火炎龍」
・「簡易融合」
・「簡素融合」
 素材にしたり、やはりコストにしたり。

・「エンシェント・フェアリー・ドラゴン」
・「妖精竜 エンシェント」
 蘇生したデストルドー+レベル4ドラゴンで出せるシンクロモンスター。「チキンレース」「擬似空間」と合わせて主にドロー加速に使う。

・「サイコ・エンド・パニッシャー」
 デストルドー+レベル4や自身の効果でレベル3になったデストルドー+レベル8orレベル4×2で割りと簡単に出せる裏エース。裏エースというかむしろこっちのほうが活躍多いし、なんならデストルドーや「チキンレース」でライフの減りが早いので打点も「真紅眼の闇竜」より高くなったりする……。

・「天球の聖刻印」
 バウンスは相手ターンのみなものの、「モンスターゲート」のリリースに使ってもリクルート効果は使える。「真紅眼の黒竜」「黒鋼竜」「亡龍の戦慄ーデストルドー」のうち2体が必ず並ぶことになる。

デッキ構築

 通常召喚可能なモンスターは3枚のみ。
 ドラゴン族を増やせば「真紅眼の闇竜」の最終的な火力はあがるものの、当然ながら手札事故が起きやすくなる。
 初手の引きに自信がある人はロマン特化のほぼフルモン構築にしても面白いかも。

メインデッキ(60枚)
・真紅眼の黒竜×1
・黒鋼竜×1
・輝白竜 ワイバースター×3
・暗黒竜 コラプサーペント×3
・亡龍の戦慄ーデストルドー×1
・ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン×3
・溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム×2 ※相手の盤面崩し用
・混沌帝龍 ー終焉の使者ー×3
・モンタージュ・ドラゴン×1
・Sin スターダスト・ドラゴン×3
・聖刻龍ーセテクドラゴン×3
・魂食神竜ドレイン・ドラゴン×3
・極星邪龍ヨルムンガンド×2
真紅眼の闇竜×3
・おろかな埋葬×1
・名推理×3
・モンスターゲート×3
・テラ・フォーミング×1
・打ち出の小槌×3
・トレード・イン×3
・簡易融合×1
・簡素融合×2
・ワン・フォー・ワン×1
・竜の霊廟×3
・混沌領域×3
・擬似空間×1
・チキンレース×3

EXデッキ(15枚)
・暗黒火炎龍×2
・エンシェント・フェアリー・ドラゴン×1
・妖精竜エンシェント×1
・スターダスト・ドラゴン×1
・サイコ・エンド・パニッシャー×1
・リンクリボー×1
・ストライカードラゴン×3
・天球の聖刻印×3
・ペンテスタッグ×1
・鎖龍蛇ースカルデット×1

 ゴールド帯下位で回り続けたものの、全然決まらない……。後攻ワンキルしなきゃいけないんですが、相手の妨害を乗り越えられないのがつらいです。勝てた勝負もほぼほぼ「サイコ・エンド・パニッシャー」のおかげだし。あいつ強いわ。

 相手事故ってたので実績と言うにはアレですが、回し方はこんな感じです。

あとがき

 【推理ゲート】軸のロマン砲、大好きなんですが安定感とは程遠いので難しいですね。この手のデッキは医学会でも安定して披露できなさそうなのでお蔵入りになりがちです。1ターンが長いし。
 重症度はサイコエンド頼りで3くらいでしょうか。

 前回は「次は『ガーディアン・バオウ』です」と書きましたが、特効薬がMD未実装だったのに後から気がついたので一旦見送り。
 「真紅眼の闇竜」と対を成す「ヴァンパイアジェネシス」も研究してますが決め手に欠ける状況。
 クソカード医療って難しい……。

 次回は「ヒーローフラッシュ!!」を治療しようと思ってますが、HEROデッキは必要なUR多いのでいつになるやら……。


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