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「ラーバモス」と愉快な仲間たちのカルテ (クソカード医学会用資料23)


まえがき

 「ラーバモス」について説明必要ですかね?
 原作出身でインセクター羽蛾の使用した昆虫族モンスター。第一期に実装されその迂遠極まる召喚方法で有名なあいつです。
 前回のあとがきで「次回は少し軽めの患者を~」とか言ってたのにこいつかよ。はい、こいつです。
 厳密にはこいつらです。
 前言を翻したわけではなくて正直、悪魔の知恵」や「ガーディアン・エルマ」に比べたらだいたいみんな軽症という話です。
 ただし、前もって断っておきますが、私は「ラーバモス」を正規召喚するつもりはないです。あくまで「ラーバモス」の有効活用方法を探すだけです。今回は治療というより供養です。(それはそれとして正規召喚のチャレンジはしてみたいですが)
 それでもいいよ、という方だけこの先を御覧ください。

ラーバモスと愉快な仲間たちについて

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

 うーん、シンプルに弱い
 まず目を引くのがこの……なにこの、現代ではもちろん登場当時でも鈍足極まる特殊召喚方法。正気か?
 自分のターンに数えて2ターンなので、相手ターン含めれば4ターン必要なわけです。そこまでして出すのが攻撃力500ぽっちの特に効果のないモンスター。
 「確かに難しい召喚方法だけど原作再現でしょ?」と思われるかもですが、原作だと普通に召喚されて「進化の繭」を装備されていたのに、OCG化の際に「プチモス」とかいう謎の進化前を追加されてしまったので原作再現かというとそうでもないです。おいKONAMI。
 今回、正規召喚を狙わないというのは当然この特殊召喚の難易度のせいもありますが、苦労して出しても特にメリットがないというのが大きいです。

 問題点はズバリ、
①異常に難しい召喚方法なのに特に効果がなく、打点も低い
 という点にあります。

 ついでなので、関連モンスターも見ておきましょう。

究極完全態・グレート・モス

 おそらく、OCGでもっとも正規召喚し辛いモンスター。
 「ラーバモス」の2ターンでも無理そうなのに、6ターンですよ。相手ターン含めて12ターンです。現代なら特殊召喚するまでに余裕でデュエル終わるし、なんならマッチ戦全消化まであります。しかも特にメリットがないのは同じ。
 しかし、第一期のカードでありながらメインデッキに入る昆虫族モンスターの中では未だに最高の攻撃力を持っており、「寄生虫パラノイド」「超進化の繭」「青天の霹靂」などによる召喚条件を無視しての打点要員として、案外今でも仕事してくれることもあったりなかったり。

グレート・モス

 原作で召喚されたのはこっち。これも4ターンというまず無理な召喚方法なわけですが、実を言うとモス系統の中では一番使い道がない存在だったりします。
 レベルで差別化可能な「ラーバモス」と違い、「グレート・モス」は「究極完全態・グレート・モス」とレベルが一致してしまっており、単純にステータスで劣る形です。つまり、召喚条件を無視しての特殊召喚ならより高打点の究極完全態でいいし、じゃあ他に個性があるかというとないんです。ほぼほぼ完全劣化。
 よって、実質使い道もないです。

プチモス

 誰だてめー上記の通り、OCG化の際に「ラーバモス」から幼虫の立場を奪ったバニラ。
 通常モンスターでレベル1なためサポートが非常に多く、「G・ボールパーク」にも対応しているので正直モス系統の中では一番使える気がする。「進化の繭」? 使わないほうが強いよ。進化形態はその「進化の繭」で苦しんでいるのに、いいご身分である。
 こいつは治療が必要とは思えないので、今回は使いません。

 とまあモスたちについてはこんな感じです。
 「プチモス」はともかく、せっかくなので「究極完全態・グレート・モス」「グレート・モス」も使いたいですよね。
 となるとやはり、「通常召喚できない」という点に着目したいです。

 「通常召喚できない」モンスターといえば、やはり「モンスターゲート」「名推理」での一括墓地肥やしが最有力でしょう。
 お誂え向きに、昆虫族には同じく通常召喚できず、なおかつ墓地の昆虫族モンスターを除外して特殊召喚できる「デビルドーザー」「ジャイアントワーム」もいます。

 【カオスゲート】の亜種として割りと古くから存在する【モスドーザー】デッキですね。
 しかし素材としての利用を治療と言えるのか? それだけで救えたと言っていいのか?
 そう思う方も多いと思います。私もそうです。なのでもう一捻り、追加で「ラーバモス」を活かす手段がほしいところです。

モスルーパーG

 というわけで、既存の「モスドーザー」をさらにアレンジしてみました。
 まずは「超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG」。

 このカードは墓地の同名モンスターを3体まで装備して特殊召喚でき、さらに装備しているモンスターを墓地に送ればそのモンスターの攻撃力以上の攻撃力の相手モンスターを全て破壊できます。
 「名推理」「モンスターゲート」で一気に、もしくは「共振虫」の除外効果でピンポイントに墓地へ送った「ラーバモス」3体を装備すれば、攻撃力500以上の相手モンスターを破壊可能。破戒耐性持ちや時械神みたいなの以外のモンスターはほぼ処理できますね。

 また、ブラックアイアンGは「究極完全態・グレート・モス」「グレート・モス」「デビルドーザー」と同じレベル8モンスターなので、この手のデッキでよくある手札事故を「トレード・イン」で軽減できます。存在意義が希薄な「グレート・モス」が、こんな形で役に立つとは……。

 ブラックアイアンGは通常召喚もできるため「名推理」「モンスターゲート」から特殊召喚されてしまう可能性がありますが、その場合はリンク素材やエクシーズ素材⇒墓地コストにしてしまいましょう。

 次に、盤面ですがこれについては【ビートルーパー】絡めたいと思います。

 同じくレベル8の昆虫族で通常召喚できない「重騎甲虫マイティ・ネプチューン」は推理ゲートギミックとも「トレード・イン」とも好相性。
 さらに、

フィールドのモンスターをリンク素材やリリースで墓地に
⇒「騎甲虫アームド・ホーン」や「デビルドーザー」等で墓地から除外
⇒「重騎甲虫マイティ・ネプチューン」でデッキに戻す
⇒「共振虫」「ゴキポール」で再度サーチ

 ……という流れを作り出せます。
 またネプチューンはエンドフェイズに他の昆虫族モンスターの打点を1000ポイント上げられるので、打点に不安のあるブラックアイアンG等を強化できます。そのうえ特殊召喚にもこの効果にも同名ターン1がないので、可能なら1ターンに複数体並べて打点を一気に上げることも可能です。
 さらにビートルーパーにありがちな昆虫族モンスター以外特殊召喚できなくなる制限がネプチューンにはないので、ランク8エクシーズも採用可能。
 このカードだけで従来の【モスドーザー】を完全に過去のものとする、相性抜群のモンスターというわけです。

 そしてこれらの流れを支えるのが昆虫族デッキ必須の「共振虫」になります。

 こちらも同名ターン1がないので、手札や状況に合わせてブラックアイアンG、ドーザー、ネプチューンを適宜サーチ、墓地から除外してピンポイントに「ラーバモス」を墓地送り、そしてネプチューンでデッキに戻し推理ゲートで再召喚……と、過労死しても再度使いまわして盤面を強化します。なお墓穴打たれたら詰む。

 爆発力はあるものの安定感に欠ける【モスドーザー】に、安定感とパワーに長けた【ビートルーパー】を足すことにより、最強昆虫族モンスターのオールスターデッキとも言うべき【モスルーパーG】が完成となります。「プチモス」の席ねーから!

相性のいいカード

 展開につながる初動札が必須。

・「ゴキポール」
・「封印の黄金櫃」
・「おろかな埋葬」
 「ゴキポール」経由で「共振虫」を引き込む。「ゴキポール」はターン1あるし、デッキが回れば次のターンには再利用できるはずなので推理ゲートを邪魔しないよう1枚でいい。

・「騎甲虫スカウト・バギー」
 すぐにリンク2につながるので単純に強い上、デッキからリクルートを行うことでデッキ内の通常召喚可能なモンスターを減らしたり、「名推理」で宣言されるレベルを見誤らさせたりと地味な部分でも役立つ。

・「簡素融合」
・「クワガー・ヘラクレス」
・「騎甲虫隊降下作戦」
 召喚権を使わずに出せるモンスター。「モンスターゲート」のリリースやリンク素材に。

・「超進化の繭」
 究極完全態を出すだけでなく、推理ゲートで墓地に送られてもドローができる。

・「甲虫装機 ピコファレーナ」
 「共振虫」の装備から「超進化の繭」につなげたり、普通にアトラスの素材にしたりと「共振虫」に次ぐ過労死枠。ドロー効果も地味に役立つ。

デッキ構築

 通常召喚可能なモンスターは8枚のみ。
 デッキの構成上、手札事故はつきものなのでいざという時は諦める心も大事。
 下記は医学会用構築。ランクマでやろうとすると手札誘発がほぼ必須になるものの、誘発モンスターは「名推理」「モンスターゲート」を邪魔してしまうのでそこが辛い。あとデッキ枚数が多くなりがち。

メインデッキ(48枚)
ラーバモス×3
・ゴキポール×1
・騎甲虫スカウト・バギー×2
・ジャイアントワーム×3
・共振虫×3
グレート・モス×3
究極完全態・グレート・モス×3
・デビルドーザー×3
・超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG×2
・重騎甲虫マイティ・ネプチューン×3
・ハーピィの羽根帚×1
・手札抹殺×1
・おろかな埋葬×1
・名推理×3
・モンスターゲート×3
・封印の黄金櫃×1
・トレード・イン×3
・簡素融合×3
・騎甲虫隊降下作戦×3
・超進化の繭×2
・騎甲虫空殺舞隊×1

EXデッキ(15枚)
・クワガー・ヘラクレス×2
・No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー×1
・宵星の機神ディンギルス×1
・甲虫装機 ピコファレーナ×3
・虫忍 ハガクレミノ×1
・騎甲虫アームド・ホーン×2
・熾天蝶×2
・大騎甲虫インヴィンシブル・アトラス×2
・閉ザサレシ世界ノ冥神×1

 ランクマで実績作ろうと回ってみたんですが、手札事故と妨害で何もできないことが多い……。当然と言えば当然なんですが……。
 逆に妨害なかったときは後攻ワンキルも簡単なので、一応は強いと思います。ビートルーパーが

改良版(2023/8/6追記)

 「樹冠の甲帝ベアグラム」や「G・ボール・シュート」が追加されたので、いっそのことデッキも60枚にして芝刈り型にしたレシピ。
 動きはほぼ変わらず。

あとがき

 マスターデュエル未実装の「G・ボール・シュート」などが来ればもう少し強くなりそうですが現状はこんな形です。ソロモードでは手札事故なければほぼ余裕、ランクマだとまともに戦えない感じなので医学会的重症度は3ということになるでしょうか。

 ビートルーパーも究極完全態もシークレットパックがないので、このデッキにかなりジェムとCPを使わされました……。
 次は「天よりの宝札」を考えてます。こちらは購入済みのストラクチャーデッキとかでほぼ構築できたので安上がりです。

余談

 こいつは治療法思いつかないですねえ。

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