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「魂喰神龍ドレイン・ドラゴン」のカルテ(クソカード医学会用資料65)


まえがき

 「魂喰神龍ドレイン・ドラゴン」はアニメZEXALIIのでジンロンが使用したドラゴン族モンスターです。相手のライフポイント分だけパンプアップするといういわゆるロマン火力系のドラゴンモンスターで対戦相手のカイトを大いに苦しめた実績を持ちます。(とのことだけど私アニメ未履修でよく知らん)
 OCGでは8期のパック「SHADOW SPECTERS」でカード化され、今でもクソカードの話題となるとたまに名前を見かける程度に知名度を得ています。

 とはいえ……ですよ?
 私も曲りなりに、「真紅眼の闇竜」「モンタージュ・ドラゴン」とロマン火力系特殊召喚ドラゴンモンスターは治療してきた実績があります。さらにはあのクソカード界の巨星「CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon」すらも現代医学に屈したのです。いまさらそこらのドラゴン患者程度、何を恐れることがありましょう。
 てなわけで、サクッと診てやりましょう。

魂喰神龍ドレイン・ドラゴンについて

 患者の性能は以下の通り。

見た目も微妙にダサ……いえ、ユニークですね

 びっくりするくらいデメリット多いなこいつ。
 まずは通常召喚できません。いわゆる基礎疾患ですが、加えて「自分のドラゴン族Xモンスターの効果でのみ特殊召喚できる」という地味に珍しい召喚条件をしています。
 「真紅眼の闇竜」や「モンタージュ・ドラゴン」のように、通常召喚はできないけど場や墓地に条件が整ったり、コストを支払えば自力で特殊召喚できるモンスターや、「グレート・モス」や「スピリッツ・オブ・ファラオ」のように専用サポートカードからのみ出せるモンスターはそれなりに多いですが、自分のドラゴン族Xモンスターの効果でしか特殊召喚できないけど、自分のドラゴン族Xモンスターの効果でなら何でもいいという、こだわりが強いのか弱いのかわからん謎の個性を有しているモンスターはあまりいません。

 効果を見ていくと、①の効果はお互いのライフ差の分だけパンプアップする効果。相手のライフポイント分だけ上がっていたアニメから弱体化していますが、OCGは初期ライフ8000なのでいきなり12000の攻撃力はさすがに悪用されそうという判断でしょうか。このターン相手にダメージ与えられなくなるデメリットもついているのでいらない配慮な気がしますが。
 ②の効果は純粋にデメリットで、直接攻撃できません。
 つまりこのカードは、打点しか長所がないくせにダメージを与える気はさらさらなく、相手のモンスターを戦闘破壊することしかできないということになります。
 召喚条件といい、なんなの君のその変なこだわりの強さ……。

 ついでに、このカードを特殊召喚出来るモンスターも見ていきましょう。現状、このモンスターを特殊召喚できるXドラゴンは以下の4体。
・「銀河影竜」
・「No.46 神影龍ドラッグルーオン」
・「聖刻龍王-アトゥムス」
・「竜魔人 クィーンドラグーン」

 「銀河影竜」はデメリットがなく、このカード自体もランク4で出しやすいです。ただし、手札からの特殊召喚なので別途患者のサーチ手段が必要になります。
 「No.46 神影龍ドラッグルーオン」も同じく手札からですが、こちらはほかのモンスターがいると効果を発動できず、そもそもランク8なのでこいつから患者を出すより、他のランク8を出したほうが高打点のモンスターを用意しやすかったりします。
 「聖刻龍王-アトゥムス」は攻守0にするためせっかくの長所が消えてしまいますが、唯一デッキからのリクルートが可能です。素引きによる手札事故のリスクはありますが。
 「竜魔人 クィーンドラグーン」は墓地からの特殊召喚のみですがランク4なので「銀河影竜」と併用できます。ただし、蘇生した患者の効果は無効になり、攻撃できなくなります。

 ……なんかこう、全体的にややもの足りないのは否めませんね。手札・デッキ・墓地のどこからでも効果アリで特殊召喚はできないわけです。
 全員が起動効果なので、相手ターンに特殊召喚して①のデメリットを踏み倒すこともできません。

 まとめると、
①召喚方法が面倒
②効果で打点を上げても2つのデメリットでダメージにつなげにくい
③召喚できる面々も微妙
 となります。

 さて、まずはこのドレイン・ドラゴンを採用する以上、その長所を活かさなくては話になりません。
 問題点②の、「攻撃力をあげたらそのターンダメージを与えられない」「直接攻撃できない」の2点をすり抜ける方法を考えましょう。
 「攻撃力をあげたらそのターンダメージを与えられない」問題の解決策としては、
A案:パンプアップ効果を使わない(無効化する)
B案:特殊召喚してどうにか相手ターンをしのぎ、次の自分のターンに攻撃する
C案:相手ターンに特殊召喚して、次の自分のターンに攻撃する
 の3択です。
 Aは一番楽ですが、「ただ攻撃力4000のモンスターを出すだけなら、このカードである意味はあるのか……?」という疑念が生じてしまいます。サブプランとしてはありですが、メインに持ってくるのは早計かもしれません。
 Bはどうせ攻撃のできない先行1ターン目にできるならありですが、耐性の一切ないドレイン・ドラゴンが無事に相手ターンを生き残れるかどうか……こちらの妨害と相手次第ではありますが、メタビ系の構築ならワンチャンでしょうか。
 Cは先述の通り、Xドラゴンたちが起動効果オンリーなので普通に無理です。

 なので私はC案を採用したいと思います
 ……え? 間違っていません。Cです。
 普通に無理なら、普通じゃない治療でやります
 使うのはこちら、

「竜です」「よし通れ」
特効薬適性高い
おなじみの送りつけ治療

 「No.29 マネキンキャット」は相手がモンスターを特殊召喚した際に、同じ種族または属性のモンスターを手札・デッキ・墓地から特に効果も無効にせず特殊召喚できます。見習えドラゴンども。
 このモンスターを「竜の血族」でドラゴン族(自称)にし、「ギブ&テイク」で光属性かドラゴン族モンスターを送りつけることで、相手ターンにドレイン・ドラゴンを特殊召喚できます。
 なぜ「DNA改造手術」ではなく「竜の血族」なのか……それは通常罠なので「トランザクション・ロールバック」を採用できるからです。

悪いことしかしない生粋の悪

 「竜の血族」「ギブ&テイク」のどちらかさえ場に用意できれば、もう1枚は墓地にあってもコンボを成立させられるようになるため、コンボ成功率を大きく引き上げてくれます。同時に「トランザクション・ロールバック」は発動にライフを半分支払うため、ドレイン・ドラゴンのパンプもさらに引き上げることが可能。

 しかし、このコンボには当然欠点があります。
 まず必要カードの多さです。ロルバ採用でハードルは下げられるとは言え、ランク2を行いつつ罠を確保するのは多少の手間が必要になります。
 また、B案と違いドレイン・ドラゴンを相手ターンに守る必要は確かになくなりましたが、今度はマネキンキャットを守らなくてはなりません。
 ランク2を立てつつ相手の妨害を行い、さらに罠の確保ができたらなあ~。そんな都合のいいテーマがあるわけ……。

産地偽装神龍

 はい炭酸ラビュ。

簡単にランク2立てつつ妨害用意しまーす
ウェルカムから姫様経由で罠用意できまーす

 閃光のバリア治療とほぼ同じ感じで、レベル2家具のストービーを絡めて【スプライト】と【ラビュリンス】でパーツを集めます。
 初動となるのは「ギブ&テイク」で送りつけてドレイン・ドラゴンにつながる光属性モンスターがいいでしょう。
 ならば【イビルツイン】ですね。

タクティカルトライアルデッキ発売中! 1100円の実戦向けデッキ!

 「Live☆Twin キスキル」は光属性な上に守備力0なので、ドレイン・ドラゴンを特殊召喚しつつ、「ペンテスタッグ」「メテオ・レイン」の貫通効果付与でワンショットも狙えるようになります。
 加えて、家具やロルバを墓地に送るために家具以外にも「針虫の巣窟」、そしてレベル2で墓地を肥やせてドラゴン族の超有能カード、「ドラゴンメイド・ラドリー」を採用します。

ラドリーちゃんきゃわわ。すべてが噛み合ってる

 キスキル・リィラ初動からギガンティックしてブルー/ジェット/スターターのいつもの流れ。エルフ出してスプリンドで好きなレベル2モンスターを墓地に送ってエルフで蘇生。ストービーならビッグウェルカムをセット可能。
 スプライトで相手の動きを乱しつつ罠を確保し、相手エンドフェイズにドレイン・ドラゴン特殊召喚。効果で攻撃力を跳ね上げ、自分ターンに貫通を付与してワンショット……が理想の流れ。
 【スプライト】は打点の出にくいテーマで、【ラビュリンス】も姫様以上の火力相手は苦手。そこに火力しか能のないドレイン・ドラゴンくんがきれいにおさまりました。きれいか? 要らなくない?

 これが獣族のマネキンキャットをドラゴンと偽り、ロルバを他の通常罠と偽り、無駄にこだわりの強い患者を無理やり相手ターンに出す偽りまみれのデッキ【産地偽装神龍】です。

相性のいいカード

 割とスロットに余裕ある。

・「カード・ブレイカー」
 場の魔法罠を1枚墓地に送って特殊召喚できるレベル2戦士族光属性。使い終わって邪魔な「Live☆Twin トラブルサン」やロルバを墓地に送りつつ特殊召喚可能。

・「メテオ・レイン」
 自分モンスターすべてに貫通効果を付与できる通常罠。貫通効果系は他にもあったけど、発動タイミングを選ばないので。

「成金ゴブリン」
 最終的にドレイン・ドラゴンの攻撃力に還元されるので相手の回復が気にならない。

デッキ構築

 ドレイン・ドラゴンが生意気にも手札に来ても家具でコストにできるため、事故率はだいぶ軽減できたはず。キスキル・リィラはどちらを引いても初動になるし、トラブルサンもあるので2枚ずつにしてる。スプライトをその分増やして妨害貫通力を意識しました。

 使用感としてはドレイン・ドラゴン意識しないほうが当然のように強いですね。
 基本私はプラチナ帯でランクマ実績撮ろうとしてるんですが、環境デッキには普通に負け、弱い相手にはコンボ決まる前に普通に勝ってしまうという。かといって露骨に手を抜くのも違うよな……と。これ治療失敗してないか。
 重症度は4.2くらいですね。ドレイン・ドラゴン出すことのみで評価すれば3.1くらいか。

実績。

あとがき

 前々から思ってましたが、ターンを跨ぐ必要あるタイプのクソカードは特に治療難しいですよね……。
 ハートアースカオスより正直厄介だった気がする。まあ実用面でいえばこちらは効果無効にしても使えるだけマシですが。

 一応マネキンキャットからのコンボは「DNA改造手術」を使えば相手の特殊召喚すべてに反応してドレイン・ドラゴンを出せます。ただ除去されやすくなるのと、自分のライフ調整が別途必要になりますね。

 次回は未定。
 調整中の「フォース・リリース」かな。「ブラック・ブルドラゴ」はパーツが集まらない。

おまけ

 最近作ったデッキ。

【ホルス活路エクゾ】:「WCS2024予選」で魔法罠使用ミッションがあまってたので作成。【雪花(フルモン)ゴーティス】を使ってたのでミッションがガッツリ残ってて、Lv19まで到達しちゃったのでいろいろ遊んでました。「成金ゴブリン」「チキンレース」などの大量のドローカードにホルスを混ぜて、ホルスで「トランザクション・ロールバック」を墓地に送って、ライフ差を広げまくって「活路への希望」でドロー、ロルバでまたドロー。一回だけ決まった。ロルバはホント何でもできるな。「二重の落とし穴」の治療以外は。

【ミッション消化用魔法デッキ】:「WCS2024予選」で魔法罠使用ミッションがあまってたので遊びで作成。エクゾ決まっちゃったしもういいか、と上を崩して作成。やはりドロー系の魔法で発動数稼ぐだけのデッキ。そして事故で一回勝っちゃいましたね

【純メメント】:「WCS2024予選」で対戦数ミッションが2戦分あまってたので遊びで作成。メメント魔法罠と「スカゴブリン」「キーメイス」などの元ネタバニラモンスターだけで組んだ紙束。純構築メメントより純なメメントである。

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