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「モンタージュ・ドラゴン」のカルテ(クソカード医学会用資料42)


まえがき

 「モンタージュ・ドラゴン」は5D'sの記念すべき第1話にて牛尾により特殊召喚されたロマン火力系のモンスターで、効果でシリーズ第1話恒例の3000打点モンスターとなり遊星を追い詰めましたが、それ以降まったく使われず

 OCG化の際にもほぼアニメ通りの性能でカード化しており、理論上10800まで攻撃力を上昇させられるだけでなく、自己特殊召喚にも打点上昇にも効果の発動を伴わないため、奇襲的にワンキル並みの破壊力で場に現れるという恐ろしいモンスターです。そう、メリットのみで見れば恐ろしいモンスターなのです……。
 まあ「ゲート・ガーディアン」とかに比べれば格段に出しやすい上に、ゲームエンドも見込める打点なのでかなり軽症の部類ではあるでしょう。
 そんな「モンタージュ・ドラゴン」を主役に据え、前回に引き続き後攻ワンキルデッキを組んでみたいと思います。

モンタージュ・ドラゴンについて

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

 改めて確認するまでもなくおなじみ、手札のモンスター3枚を捨てて特殊召喚し、そのレベルの合計の300倍の攻撃力になります。清々しいほどの脳筋力ですね。

 問題点はもう見ての通り他にないだろって感じですが、手札を3枚も捨てないと特殊召喚できない点ですね。
 確かに、1ショットで決められるなら手札なんて要らないわけですが、それにしても潔すぎではないでしょうか。まあ手札の無駄遣いという点で言えば「選ばれし者」という格上がいましたが。

 また、手札に他のモンスターが2枚以下だと当然特殊召喚できません。
 このカードのサーチに加え、なるべくレベルの高いモンスターを手札に引き込む必要があるわけですが、一般的にはそれを手札事故と呼びます
 特殊召喚を狙うとデッキ単位での事故率が上がります。

 さらに、"墓地に送った3体のモンスターのレベルの合計の300倍"というのも言うほど高くもなく、モンタージュと同じレベル8モンスターを3体捨てても攻撃力は8×3×300の7200程度と、ワンショットには届かない数値にしかなりません。
 ワンショットを狙うなら最低でもレベルの合計は27以上にならないといけないのですが、比較的腐りづらいレベル8モンスターと違い、9~12のモンスターは自己特殊召喚出来ないものも多く、事故率はさらに上昇します。モンタージュと噛み合う「トレード・イン」が使いづらくなるのもマイナスです。

 問題点をまとめると、
①手札消費が重い
②レベルの高いモンスターを多く引き込む手段が必要
③その上で事故率を軽減する必要がある
 となります。

 早い話、サーチしやすいレベル12モンスターがいればサクッと解決するわけです。アンチホープお前じゃねえ、座ってろ。
 メインデッキに入るレベル12モンスターは15種類。その中でもサーチのし易いモンスターは……おそらくこいつでしょう。

 つまり、ドラグマと組む!

ドラグマ・モンタージュ

 「凶導の白き天底」はドラグマモンスターなので、「教導の聖女エクレシア」「凶導の聖告」「天底の使徒」でサーチ可能ですし、儀式モンスターなので「虹色の宣告者」にも対応しています。
 特に「凶導の聖刻」は相手フィールドにモンスターがいれば、2枚もサーチできてしまいます。

全儀式テーマに配ってあげて
MDでも無制限になれ

 ドラグマ中心に組めばアルバ・ゾアを3枚手札に揃えることも容易なので、「モンタージュ・ドラゴン」の打点を限界まで高められます。また、先行を取ったときでもEXメタというドラグマならではの特性で妨害ができ、返しのターンでのワンショットが決めやすくなるのも利点です。

 他の細かい点を詰めていきましょう。
 「モンタージュ・ドラゴン」のサーチには「黒き森のウィッチ」を使います。

懐かしい

 「融合派兵」でリクルート可能で、そのままドラグマ儀式の生贄に出来ますし、素引きしてしまっても普通に召喚してアルテミスにすることが出来ます。「モンタージュ・ドラゴン」は特殊召喚にも打点上昇にも効果の発動を介さないので、サーチしたターンでも特殊召喚できます。

 次に、高打点のモンタージュの攻撃を如何に通すかを考えます。せっかくの高打点も通らなければ無駄に終わりますからね。
 ここは相手のフィールドのカードを全除外する「鉄獣式強襲機動兵装改“BucephalusⅡ” 」とドラグマの特性、さらにファンカスを利用します。

患者というほどでも無いけど重いので使われない不遇なやつ
なおカッコいいし効果は強い
基本悪いことしかしない

 「天底の使徒」や「凶導の聖告」でブーケを墓地に送り(ついでに効果で「共鳴の翼ガルーラ」を墓地に送って1ドローし)、「ファントム・オブ・カオス」で効果をコピーすれば全除外が使用できます。
 他に選択肢となるEXモンスターとしては、おなじみ除去の「旧神ヌトス」、ファンカスでコピーでき相手のライフを4分の1にできる「暗黒方界邪神クリムゾン・ノヴァ・トリニティ」もいいですね。

 さらに、ファンカスを採用するので、「名推理」「モンスターゲート」「マアト」も採用します。

こいつも患者では?

 「マアト」はレベル10なのでモンタージュの餌にもなりますし、特殊召喚モンスターなので推理ゲートで容易に墓地に送れます。何より、ファンカスで効果をコピーすれば条件付でドローが可能になります。墓地に送られたカードから残デッキの中身を推理すれば、当てるのはさほど難しくないです。

 これがドラグマに加入したモンタージュが、さらにファンカスを引き込むことで作り上げた、とにかく後攻からワンショットを狙うデッキ……【ドラグマ・モンタージュ】です。

相性のいいカード

 推理ゲート採用のせいで手札誘発モンスターの類は使えない。

・「終焉の覇王デミス」
 推理ゲートからのファンカスによるコピーでフィールドリセット&ダメージ。ブーケくんにアクセスできなかった時の保険。レベルも10と高いし儀式モンスターなので「虹色の宣告者」でサーチも可能。

・「獣王アルファ」
 レベル8な上に効果で手札に戻るので、除去しつつモンタージュの餌になる。自己特殊召喚可能なので「モンスターゲート」のリリース用にも一応なる。

・「重爆撃禽 ボム・フェネクス」
 ファンカスのコピー先。モンタージュの攻撃力が足りなかったときのトドメや、そもそもモンタージュが出せなくてドラグマ並べるしかなくなった時のフィニッシャーに。

・「地獄の暴走召喚」
 ファンカス量産。上振れ用。正直サンボルとかにしたほうがいい。

デッキ構築

 とにかく「天底の使徒」や「凶導の聖告」からカードを集めていきます。ブーケはガルーラによるドローにつながるので積極的に落としたい。初手5枚がすべて儀式モンスターとかの手札事故時は潔く死にましょう。
 下記のレシピではモンタージュによる後攻ワンショットキルに特化してますが、名推理とか抜いてドラグマ寄りにして、モンタージュを隠し味にしても強いと思います。
 というか奇襲性が唯一の利点なので、モンタージュはそっちのほうが本来の使い方かも……。

 デッキの使用感としては、やはり現代環境では妨害が激しくてつらいですね。特にビーステッドの刺さる構築になってしまったので、ファンカスが案外邪魔でした。
 一方で、増Gなんかはあんまり効かないですし、モンタージュ自信は泡影くらいしか怖くないです。ちゃんと回れば後攻ワンキル率はなかなか高い。少なくともソロモードは処理できるので重症度3ですね。

 実績。

あとがき

 インフレの続いている遊戯王で、「モンタージュ・ドラゴン」で出せる程度の火力はもうそれほど珍しくもなくなってしまいました。
 ですが、それでも色褪せないロマンがこのカードにはあると思います。納得行く形でデッキが組めてよかった。ちょうどドラグマも組んでみたかったし。

 現在は「ゴーティスの死棘グオグリム」を研究してます。なかなか上手い治療案が見つからず難航中です。
 なので次回は、"治療を試みた結果それほど重症でもなかった面々"をまた紹介するかもです。

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