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読書という荒野

✔︎ この本の概要

読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ。
読書をすることは、実生活では経験できない「別の世界」を経験し、他者への想像力を磨くことを意味する。
見城さんにとっての読書とは?これが書いてある。

✔︎ 読書レビュー

人生について、自分について深い考察をしたいと思っていたところに、舞い込んできた。

まず見城さんと読書の関係について思ったこと。血の小便がでるほど、24時間眠らず、休まず働き続けた。仕事に熱狂していた。作家に熱狂していた。コンプレックスの塊だった。読書が救いで、原動力。多様な言葉で、人間の本質を表現する。自分について、人生について、感情について、表現しきれないもどかしさ。表現する言葉を持ち合わせていなことへの悔しさ。「一期は夢よ、ただ狂へ」。シンプルに好きです。

次に、自分にとっての読書とは?別の世界に触れ他者への想像力を育む。まさにこれ。実用書やハウツー本も読むが、小説が好きなのはこれが理由。共感と創造。

最後に、これまでの人生を少し振り返える。劣等感からは逃げてきた人生。高校受験、大学受験に失敗し、エースを張れると思っていた中学バスケでも、結局、試合にすらあまり出れず、やればできると自分に言い訳をしてきた。弱者と自分を比較し、弱い部分、本音から目を背けていた。強者と比較し、現実に対峙することを恐れ、自分の限界はここと勝手に決めていた。人生の全ての時間を投下し、そのことだけを考え、没頭する人生に憧れるだけ、憧れて、見て満足、聞いて満足。あるときからぷつんと糸が切れたみたいに、人生がモノクロになった。彩りを消したのはほかの誰でもない自分自身だった。どことなくふわふわしている自分が嫌いで、現実世界に必要とされていると思い込むために、自己を確立し、客観的評価から目を逸らしていた。カッコ悪い。、誰かの役に立ちたい。こんな理想をこんな手段で実現していくのだ、と、口だけは達者で、懸命に働いてはみるけれど、うまくいかなかったら、諦める。何度くじけても、また貪るように本を読み漁り、夢中になれる何かを探し求めて、今日も明日も心を燃やす。
あえて悲観的な目で人生を振り返ってみた。やはり負のエネルギーは絶大なパワーを持っているなと。苦悩や葛藤の先にあるなにかを人生を通して体現していく。

✔︎ 僕のハイライト

人間が何かを達成するには地獄の道を通らなければならないということだ。どんな美しい理想を掲げても、実際に成し遂げるためには数多の苦しみ、困難がある。何かを得るためには、必ず何かを失う。代償を払わずして何かを得ることは不可能だ。

 24時間寝ないで働いて、最後は血の小便が出た。
よく僕は「圧倒的努力をしろ」と言う。「圧倒的努力ってどういうことですか」と聞かれるけど、圧倒的努力とはそういうことだ。人が寝ているときに眠らないこと。人が休んでいるときに休まないこと。どこからはじめていいかわからない、手がつけられないくらい膨大な仕事を一つひとつ片付けて全部やり切ること。それが圧倒的努力だ。
努力とは、圧倒的になって初めて意味がある。

リスクとは、絶対に不可能なレベルに挑戦することをいう。そうでなければリスクとは呼ばない。また、それくらい無理なことをしなければ、鮮やかな結果など出ない。ほぼ勝つに決まっているところで勝負して勝ったところで、鮮やかとは言えない。そして鮮やかに結果を出していれば、それまで無名であってもブランドになる。ブランドになりさえすれば、あとはビジネスもお金も人もついてくる。鮮やかな結果が百、千と重なったときに、その人は伝説になる。

表現とは結局自己救済なのだから、自己救済の必要がない中途半端に生きている人の元には優れた表現は生まれない。ミドルは何も生み出さない。想像力は、圧倒的に持つ者と、圧倒的に持たざる者の頭のなかにこそ生まれるのである。

僕は平和な日々よりも、悲痛な日々のほうが生きている実感を味わえる。ことごとく自分が願うものを成し遂げた上で、それでも全部を果たし切れずに、絶望し切って死にたい。

死の瞬間を迎えるとき、僕は何もかも失っているかもしれない。信じていた人に裏切られているかもしれない。しかしどんなに貧乏で、どんなに孤独だったとしても、僕が〇だと思えば〇だ。

夢や希望を語るのは簡単だ。語り始めたら、自分が薄っぺらになる。野心も同じだ。自己満足でしかない。そんなものは捨てたらいい。そんなものと無関係に生きようとしたとき、人は匍匐前進の一歩を踏み出している。

夢や希望や成功という言葉を使えるだけ、自分は考え抜いているか。そのことを問い直し、もし考え抜いていないと思ったら、思考する言葉を手に入れてほしい。

認識者から実践者へ。天使から人間へ。読書から始まった長大な旅は、認識者を経て、人間へとジャンプする。共同体のルールを突破して個体の掟で現実を切り開く、地獄の前進へ。血を流し、風圧に耐えながら、自己実現の荒野へ。

「一期は夢よ、ただ狂へ」

正確な言葉がなければ、深い思考はできない。深い思考がなければ、人生は動かない。

読書という荒野


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