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食べられる校庭

2020_04_17

「World of Alice Waters」

大人の絵本だと思った。
美しい庭や色の鮮やかな料理、木やタイルを多く使った調理室、、、そんな写真が見開きA3以上の紙面に大きな写真としてペーヒをめくるごとに飛び込んでくる。
そして文字が大きい。

アリス・ウォータースは「オーガニック料理の母」と呼ばれ、地元の有機食材を用い、その食材の声を聞くように素直な料理を作っている。

そんな料理と同じように彼女の言葉もとてもシンプルで、当たり前に大事なことを当たり前に教えてくれる。

一番ハッとさせられたのは、学校給食の改革の話。食べられる校庭と名付けられ、あらゆる学校生活、もちろん授業までもが畑の活動と繋がっている。
例えば、歴史の先生の授業が、収穫した小麦を引くところから始まり、その粉を使ってパンを焼き、同時に古代史を生徒たちに教えている。
地球の循環と、人類の歴史、それと今ここにいる自分が畑を通して繋がれる感覚があるんじゃないかと感じた。

現在新型コロナウイルスであらゆる場所でオンライン授業が始まっている。教育が変わる可能性が今ある。
知識を入れるための授業だったら、一番上手な先生の授業をみんなが聞けばいいというのは東進ハイスクールに通っていた時に実感した。
そうなったら学校に行く理由は部活動か友人かHR活動かくらいだ。

少し前に現代百姓学校というのを考えていたのだけれど、学校には生きることの断片を学びに行くべきだろう。百姓とは、農家のことではない。歴史家の網野善彦のいうところには、姓というのは職業の呼び名から発展したもので、つまり、百姓とは百の姓=職業を持つもののことで、昔の地方は、1人1人を一つの職業でくくることはできず、季節や時間、天候によってその場所にあった仕事をこなしていた。

そんな百姓に近い生活からは、その土地のこと、季節や環境のこと、それらと様々な生物との関係、それらが肌触り、実感とともに学べるだろう。
それがこれからの学校の存在価値だし、理想の姿だと思った。

全部の教室がキッチンみたいだったらいいな、コンロがあって、流しがあって、いろいろな道具があって。家庭においては居間で勉強するのが良いというのは証明されているし、カフェで勉強するのが好きな人も多いだろう。

その食べられる校庭というのもとても良かった、1直線に並んで植えた野菜が平行に並んでいるのではなく、一直線に植えているところもあれば、円形だったり、複数の種類が混ざってたり、その間を曲がった道が通っていて。畑の藤棚の下に真ん中に囲炉裏があり、そん周りに屋外教室みたいなものがあったりした。

と、食から広がったものが教育論や空間論に発展できる可能性も見つけられてとてもhappy.

ああ、他にも書きたいことあったんだけど、今日はここまでで。


そして出版は小学館。

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