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(2020/7/3)私的・夏の京都のお楽しみ

7月、もうすぐ七夕を迎えます。
自分たちが住む京都は、季節の年中行事が本当に多彩で、
1年過ごせば、いわゆる日本の歳時記に出てきそうな行事はひととおり網羅できるのでは、と思うほどです。
そんななかでも、夏の年中行事は京都の四季でもとりわけ愛着があります。

今年は残念ながらそのほとんどが規模縮小もしくは中止になるようで、なんだか気の抜けたサイダーのような気分です。
せめて気分だけでも、ということで、今回は、毎年楽しむ私の京都の夏をちらっと紹介してみようと思います。
いつもの京都の夏を楽しめるようになったときのご参考に・・・

・七夕夜店(出町枡形商店街)

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 日常生活でお世話になっている出町枡形商店街。
 毎年七夕の時期になると、商店街が大きな笹と七夕飾りで賑やかになります。この商店街で、毎年七夕近くの週末に夜店が出るのですが、昔ながらの商店街の夏祭りの風情があってビール片手にぶらぶらするのが楽しみなのです。子どももたくさん来て、賑わいます。

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 商店街には、出町座などの渋い映画館もあるので、映画鑑賞とセットで遊びにいくのもよいかもしれません。そういえば、豆餅で有名な出町ふたばもこちらになります。

・みたらし祭(下鴨神社)

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 京都とりわけ左京区周辺の夏の行事で、自分が最もおススメなのがこれ。
 毎年土用の丑前後の約10日間にわたっておこなわれる、下鴨神社の境内にある、御手洗神社の御神事。
 神社の境内にある御手洗池に、この時期だけ湧水が貯まるのですが、その中へ蝋燭をもって、水に足をつけてお参りするという「足つけ神事」がメイン。
 暑い夏の夕刻に、冷たい水に足をつけて蝋燭をお供えするのは、とても趣があります。
 蝋燭をお供えした後は、無病息災を願って天然水の振る舞いが。こちらはペットボトルを持っていくと、必要分をわけてくださいます。

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 土日は、境内に向かうまでの参道の両脇にも、ずらりと屋台が並んで、多くの人でにぎわいます。屋台で買った食べ物をつまみながら、夏祭りの気分を存分に味わえます。ザ・日本の夏祭りという感じの趣。
 まだ京都に住む前にここを訪れて、この風景を見たときに「ああ、いつかここに住みたい」と思ったのが、京都移住をイメージし始めたきっかけでもあります。そんなこともあって、このお祭りは自分にとっては少し特別な思いがあります。

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 ちなみに私のお勧めは、早朝の神社。7時前だと、人もまばらで、地元の人しかいませんので、足つけ神事もゆったりと楽しめます。早朝で涼しいので、晴れた日などは最高に気持ちが良いです。ただ、最近は早朝参拝ができなくなってしまったのでちと残念。それでも、朝の参拝はおすすめです。

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・地域の夏祭り

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 夏といえば盆踊り。自分たちの地元近くでも、数年前から地域の夏祭り(盆踊り)が復活しました。こちらは、その「ようせい夏祭り」。
 自分自身も、子どものころは地域の夏祭りを楽しみにしていたので、子どもが生まれてからは、このような祭りが復活したのはとても嬉しいなと思っています。
 盆踊り、といっても、いわゆるやぐらを組んで謡てが来て、という昔ながらのイメージとは少し違っていて、そこはさすが地元左京区。
 バンド演奏の伴奏で、ちょっとラテンテイスト入った、おもろいサウンドの江州音頭をやってくれます。
 京都は江州音頭がメインになるんですね。大阪で育った自分は、河内音頭がメインだったので、その辺も新鮮です。
 やぐらもなくて、キャンプファイアーのようなオブジェを作って、その周りを踊ります。こういう発想も好きですねー。

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 夜店も出るのですが、地域の人が出す店に混ざって、近所のおなじみの店も出店していて、顔見知りもちょこちょこいます。
 写真は毎年出店されてるタコとケンタローさん。実はまだ実店舗に行ったことがないけど、いろんなイベントに出店されてて、すっかりおなじみの味です。

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 そして、海外から来た人がたくさんやってくるのも特徴。浴衣を着た近所のおばちゃんと一緒に、アフリカやらヨーロッパから来た人が踊ってる姿は、とても気持ちの良いものです。
 この町の自由で寛容な雰囲気がよく出てるイベントだと思っています。
 

・下鴨古本まつり(下鴨・糺の森)

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 京都古書研究会が主催している、年に何度か行われる大規模な古本市のひとつ。
 京都に来てからは、お盆休みの楽しみで、毎年繰り出しています。
 涼しい森の中で、無尽蔵の古本選びたい放題という、なかなか心躍る内容。年によって、出てくる本のジャンルもいろいろ。美術書が多い年もあれば、鉄道書籍がやたら多い年があったり。
 その辺今年はどうなのかな、と期待しながら本を探すのが楽しいです。
 個人的には、昭和の鉄道書籍雑誌や音楽書、楽譜をよく購入しますが
 文庫本も充実していて、ついつい買いすぎてしまいます。。。

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 買い物合間の休憩も楽しみでして、フードテントではフランクフルトやうどん、おにぎり、ビールも。少し前までは、冷やしカレーうどんがあって、夏空の下で食べるのはこれまた格別。
 (無くなってからは、普通のカレーうどんを食べていますが)
 うどんゆうても柔らかいどこにでもあるおうどんですが、外で食べるとなんか2割増で美味しく感じます。。。

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 古本探しの後は、下鴨神社鳥居近くの「さるや」で、蚊取り線香が煙る中で氷室のかき氷を食べるのが定番です。ここは黒蜜・宇治金時・イチゴの3種類ありますが、私的には黒蜜が一押し。わりとあっさりしていて、夏の暑い季節にぴったり合います。氷も粗くなくふわりとしています。
ちなみに、他の2種類もハズレなしですよ。

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 こちらのイベントは最終日が毎年五山の送り火の日になっていて、セットで楽しむこともできるイベントです。
 8月16日に外から来た人におすすめするルートは・・・

10:00〜16:00古本市をたっぷり楽しむ→16:00〜17:30出町柳駅前の名曲喫茶柳月堂でクラシックを聴きながら一休み→17:30〜19:30百万遍界隈で夕食(居酒屋か焼肉屋が長居できるのでおすすめ)→19:45東大路通付近で大文字を楽しむ→20:10そのまま北上して、東大路通から法の字を楽しみ、叡電茶山から出町柳へ戻る。てな感じ。

よかったら、お試しを(笑)。

・五山送り火

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 そして、京都の夏の終わりを告げる行事といえば、やはりこちら。
 自宅近くから大文字山が見えることもあって、最も身近な行事でもあります。
 送り火は午後8時からものの10数分と、短い時間ですが、山に灯がともり、うっすら大の字が浮かび上がって、こうこうと燃え、そして夜の闇に消えていく様は、なんともいえないはかなさと情緒があります。
 お盆にお迎えしたご先祖様に、また来年会いましょうと心の中で呼びかけながら、日常の平穏を願います。

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 皆さん、どんな思いで眺めておられるのかわかりませんが、うちは、そんな感じで毎年この日を迎えます。
 年によっては、大のみでは飽き足らず、他の山も見に出かけることも。ちょうど、「法」の字はうちからも観に行きやすいので、タイミングをみはからって移動します。

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こんなお菓子を食べながら、ベランダから眺めた年もありました。 
そしてこの日は出町柳駅周辺は大混雑するので、決して近寄ってはならない(笑)。

翌日は、消炭を頂きに登山します。去年は、大文字山に登りました。

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火床には昨夜の炭が残っています。大きなものは関係者が既に持ち去っていますが、小さな炭は残っていて、持ち帰ることができます。登山したのが早朝とはいえ少し出遅れて8時前だったのですが、すでに多くの人がいて、大きな炭はほとんどない状態。。。
それでも、炭のかけらをいくつか持ち帰れたので、家の玄関にお供えして、1年の無病息災を願います。

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・(おまけ)夏のサイクリング

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そういえば去年は出かけなかったのですが、京都に来てからほぼ毎年、お盆に日帰りサイクリングに出かけていました。
 行先は決まって琵琶湖。暑い夏の日にわざわざ自転車に乗るのは、琵琶湖で泳ぐため(笑)。自宅からは自転車で1時間もかからずに大津に出ることができるので、十分行動圏内に入ります。
 朝早くに自宅を出て、南禅寺を横目に、山科から大津へ抜けて、近江大橋から回って、守山にある湖岸でひと泳ぎして、お昼を食べて琵琶湖大橋を渡り、途中峠から大原を抜けて京都に帰ってくるコース。
 湖と山を両方楽しめるうえ、山道は比較的涼しいので、夏のサイクリングにはうってつけ。結構気に入っているコースです。

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 今年はお祭りも軒並み中止か規模縮小なので、久しぶりに出かけてみようかなあ・・・。

今年の京都の夏は、いつになく寂しい夏になりそうですが
いつもの京都の夏になったときは、ぜひ訪れてほしいな、と思うところばかり。
今年は、お祭りなどはないものの、違った形で夏の風情を楽しみたいなと思っています。



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