見出し画像

今年で26歳。新しくできるチームでプレーしようとしている今の気持ち。

さまざまな情報が飛び交う今のハンドボール界

先日、日本経済新聞より「ハンドボールのプロ化構想」に関する記事が出ました。

ジークスター東京と三重バイオレットアイリスの幹部を対象にしたインタビュー記事の中には、プロ化構想に対する考え方が綴られていました。

そしてその記事の周辺にはさまざまな考えが飛び交っていました。どの意見も的を得ているかもしれないという視点で読んでいました。というのも、今回のことに限らず中央で起こっている事柄に対して、私たちが全貌を把握することはまず不可能だからです。

異なる立場だからこそ見えている視点があるはずだと思ったんです。わかった気になることだけはやめよう、そう思っています。

意見の方向性はさまざまで、チームを中心に考えていたり、リーグを中心に考えていたり、選手を中心に考えていたり。共通して言えることはどなたもハンドボールを愛しているのだろうなということです。

だからこそ、この記事では新リーグに参入を考えているチームに所属する「ある意味で」当事者である私が考えていることをここに記しておこうと思った次第です。

少しでも今感じていることを「言葉」として残して、伝えることが私の役割なのではないかと、そんな大そうな人間ではありませんが、そう思っています。

正直に言えば、振興チームに入るにあたり大した理由を持ち合わせていない選手もいると思います。ただ、その選手だってハンドボールを少なからず好きで、仕事をしながらでもプレーしたいと思っているに違いありません。

新しいチームはマネジメントにおいて整理されていません、これは間違いなく。気を抜いていたらすぐに1年なんて経ってしまう。その頃にはなんでチームにいるのかわからなくなってしまう。それだけは避けて欲しい。
私自身、自分に対してもそう思っているのです。


富山ドリームスに入った経緯(1ヶ月半経ってアップデートしました)

ご存知の方が多いと思いますが、私はこの4月より「富山ドリームス」という富山県のハンドボールチームに選手として所属するために富山県氷見市に移り住んでいます。

こっちに来てすぐ、ドリームスに入団するに至った経緯や理由など、諸々の「意気込み」のような投稿をしました。詳しいことはそちらを読んでいただけると幸いです。

このチームに入ろうと思った理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は「まだハンドボールがプレーできるから」
デンマークから帰国して以来選手としての活動には区切りをつけていたため、もう一度プレーしたいと思った時に受け入れてくれるチームとの出会いはありがたかった。

2つ目は「将来のハンドボール界のためになると思ったから」
兼ねてより、思っていたことがありました。日本リーグのチームに進むことができるのはトップ中のトップのみ、しかし僕は22歳を迎えた選手にもさまざまなタイプがいて、その後のキャリア次第では化ける選手が必ずいると思っています。
しかし、現状は残酷で、そのレベルの選手が日本リーグに進むことはほとんどない。
そのためには、チーム自体を増やす必要があります。しかし、0からチームを作るノウハウは日本中どこを探しても見つかりません、お金と人材と多くの必要条件がいるからかと思っていますが。

富山でできれば、そのモデルは他の地域でも通用する、というかモデルがあった方が行動に移しやすい。

そのために立ち上がりは少々大変だったとしてもチームが形作られていく過程を、その夢のあるストーリーを発信し続ける活動に対して、自分の将来をかけてもいいと思えたのです。

仕事とハンドボール、僕の考え方。

このチームでプレーするにあたって、デュアルキャリアを実現する必要があり(あえてこの書き方をしています)元々富山県で保健体育の非常勤講師として働く予定でした。が、採用の枠がないということで断念。紹介していただいたIT会社で働いています。(仕事についてはまた今度詳しく)

要するに、新しいチームは特に、ハンドボールに専念させるだけの「お金がない」のです。とはいえ、私が見たデンマークの1部(リーガに次ぐ、リーグ)はプロという扱いになっているにも関わらず、メンバーのほとんどは仕事をしながら7時からトレーニングを行なっていました。ハンドボールに専念できる選手は本当に一握りだということです。

働く中でセカンドキャリアを考えることにも繋がりますが、ここに関してはまだ自分の考えがまとまっていないので今後新たに言葉にしていきます。ただ、今お世話になっている会社に入ることができて本当に良かったと思っています。この会社で必ず成長したい。必ず次に繋がる経験だと確信しています。

現状では「財団法人としてのドリームス」の活動を通して、地元の企業から応援を少しずつ"いただけている"状態です。つい先日、選手の雇用企業の社員さんが練習を見に来てくれました。差し入れもいただきました。

応援してもらえるような取り組みを少しずつですが見せられるようになっています。

選手がハンドボールに専念できる環境、それは間違いなく素晴らしい環境であることは間違いないと思います。ただ今のハンドボール界にその状況を満足に作り出せるほどの資源はないのでしょう。

私たちの活動そのものが夢を語る、将来を語る上での希望になる。綺麗に言えば。

はたから見たら、危ない橋を渡っているように見える節があるかもしれません。もちろん私たちも能天気にやってきたわけではなく、それなりの覚悟を持っています。

ただそのこと以上に、私自身はワクワクしているのです。

もし、ドリームスがしっかりチームとして機能し始めたなら。

来たいと思ってくれるような選手が増え、憧れてくれる子どもたちが増え、応援しようと思ってくれる方達が増えたら、きっとこれからのハンドボール界に新しい形を見せることができる。

そう思っています。

まあ、間違いなく、大変な道のりですが僕は楽しみなんです。

また話を聞いてください。

2022年の今、フルタイムで働きながら日本リーグ参入を目指すハンドボールチーム"富山ドリームス"の選手として活動しています。ここでのサポートは自身の競技力の向上(主に食費です...)と、富山県内の地域との交流に使わせていただきます。