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積み上げた積み木をくずす

毎月、親友と山に登ってる。
といっても、ハイキングくらいのもの。ハイキングはゆっくりと話しながら登れるからいいのだ。

今回は秦野にある弘法山を登りながら、「積み木を積み上げることと、くずすこと」という話になった。

年齢を重ねるにつれて、「あれ、思ってたよりもやれてないな」っていう、自信のなさと、「これに関しては、やったぞ」っていう自信の、どちらも持つようになった。(不思議なもので、矛盾するようなふたつの感覚が、どちらも共存してるのだ)

すぎたるはなんとやらで、自身のなさも、自信を持つのも、いきすぎるとよくない。だからいい塩梅を保ちたい。じゃあどうしたらいいのか。親友がいいことを教えてくれた。糸井重里さんが、自信を日々積み上げること、くずすこと、そのどちらも習慣に取り入れてるらしいのだ。

積み上げは、「ほぼ日」でコラム「今日のダーリン」を書くこと。1998年6月6日創刊以来、一日も休まず更新しているらしい。すごい。っていうかやばい。毎日更新することは、わかりやすく自信になる。

でも、自信はやがて過信になる。そうならないために、積み上げたものをくずすような時間もあるといい。「あぁ、自分はちいさな存在だな」と、確認できる時間というか。糸井さんの場合、釣りがその時間らしい。

たしかに、釣りとかサーフィンとか、自然と向き合うと、自分のちいささ、無力さに気付かされて、積み上げたものがくずれる感じがする。

そう考えると、山に登るのもそうだな。仕事であれをやった、これをやった、ということはあるけれど、山はそんなこと気にしない。ただそこにあるだけ。そんな山に抱かれていると、自身の積み木がくずれる気がする。それは嫌な感じではなくて、「またやっていこう」という、前向きな気持ちにさせてくれる。

自身を積み上げる時間と同じように、そういう、積み木をくずす時間を、日々のなかで持っていたい。


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