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自分の取説をつくるのが大事だと、低気圧が教えてくれた。
あいつの気配がする。
目が覚めたときからなんにもやる気が出なくて、身体がだるい。頭もぼーっとする。
そう、あいつとは、低気圧だ。
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低気圧にこんなにもやられるようになったのはいつからだろう。20代の頃はそんなにしんどかった記憶がないのけど、もはやそんな時期のことが信じられないくらいに、いつからか低気圧にこっぴどくやられる体質になってしまった。
ひどいときは、だるくてパソコンも開けない。「あ、今日、終わったわ」と思って、ただベッドで横になるような日が、ぼちぼちな頻度である。
けれども、低気圧つらみ歴もベテランになってくると、「はいはい、今回もあの感じね」てな具合に、乗りこなし方もわかってくるのだ。
低気圧のつらさは、ある程度どうしようもない。が、「仕事しなきゃいけないけど、ぜんぜんできてない俺、ダメなやつだ」というネガティブな思考については、どうにかしようがある。
どうにかすべきなのはこのネガティブ思考だ。自分の外側にある気圧からの攻撃に加えて、内側からの自己嫌悪という攻撃なんか食らったら、そりゃダウンもしてしまうでしょうよ。
だから、低気圧の時は自己嫌悪をどうどう、とやさしくなだめてあげたほうがいい。「OK、今日はしょうがない。大人しくベッドにもぐってyoutubeでチョコプラのコント動画でも見ていればいいよ。」てな具合に、自分をいたわってあげる。そうして、低気圧をやりすごすのだ。
こんなふうに、僕は低気圧の過ごし方という自分の取説を手に入れた。
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自分を含め多くの人が、歳を重ねると生きやすくなったと言う。それは、こんなふうに、「こういうときはこうするといい」っていう自分の取説が充実してくるからなのかもしれない。
20代の頃は、他人がつくった取説を必死に学びとろうとしてた気がする。「20代でやっておくべき◯つのこと」みたいな記事を読んだりして。だけど、アテになった記憶がない。その書き手の幸せと僕の幸せはちがうのだから、当然だ。
いちばんアテになるのは、自分でつくった自分の取説だ。ということを、低気圧が教えてくれた。ありがとう低気圧。でも、あんまり来ないでくれよな。たのむ。
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