まったく寝れずにほめるBar【5/26の日記】

一睡もできなかった。

「眠らないとやばい」と思えば思うほど寝れないのが人間の常。でもよりによってほめるBarの前日とは…。なにしろ1日に15人も話を聞くっていうのは、体感としてはマラソン走るくらいのものなのだ。やばいなーと思って、瞑想アプリで入眠できる瞑想やってみたりしたけどダメで、気づいたらカーテンから朝日が差し込む時間に。「だめだ!もうやるしかねぇ!」と腹を括ってルクア大阪に向かう。朝日が目に刺さっていたい。

この日は12:00から19:30まで、20分×15人くらいをほめる予定。元気な時でも終盤は記憶することもおぼつかなくなる(さっき聞いた内容を忘れそうになる)のに、NO睡眠でいけんのかおれ!?と不安で、受付のなみちゃんに「ごめん、俺寝てなくてさ、さいあく代打でやってもらえん?」って相談したら、「むりです!」って断固拒否された。こうなったらやるしかない。アリナミンVをぐびっとやり、いざスタート。ぼろい小舟で航海に繰り出すような、心もとない気持ち。

でもやってみたらなんとかなるもので、アドレナリン、もとい、ホメレナリンが出るのか、案外眠気も感じなくなった。


たった20分の会話で、人の人生が垣間見える。
家事を120%の力で頑張ってるのに旦那さんからほめられないどころか「痩せろ」とディスられたという方、新入社員研修でそこそこ覚えがいいゆえに上司が声をかけてくれないことがさびしいという方、パートナーに思いを伝えたら見捨てらたというトラウマと戦う方、お子さんを自殺でなくされた方…ひとりひとりの語りに触れるたび、「人生だわ…」と心のなかでおもう。

男だとか女だとか、主婦、新入社員、フリーランス、Z世代やゆとり世代、被害者遺族、みたいな言葉でくくって人間をわかった気になる人がいたとしたら、なんて傲慢なんだろう。目の前にいるこの人たちは、どんな言葉でもくくれない、固有の人生を持ったひとりの人間だ。たかだか20分話を聞いただけで「あなたはこうですね」なんて語るのも傲慢な気がする(とはいえ、そういう企画だからある程度はほめ言葉として伝えなきゃいけないのだけど)。ただただ、簡単に要約されることをこばむ人生の前で「人生だわ…」とため息をつくしかできないよ、おれなんぞは。と、そう思った。

なもんで、眠いとか言ってる暇もなく、怒涛のように終了。バーッとかたづけて解散し、20時半ののぞみに乗り込んだ。

しかし、えきねっとで新幹線のチケット買うのまじむずい。ネット予約してとどいたメールに「QRコードで買ってね」って書いてあるけどQRどこにもない。「券売機でクレカ差し込んだら買えるよ」って書いてあるけど券売機には「クレカじゃ買えない」って書いてる。おおおおい!!こっちは満身創痍なんじゃ!とキレたくもなったが、3日間でたくさんの人をほめて徳が高くなってたおれは、窓口につつましく並んでチケット購入。

駅弁もあらかた売り切れてるしさぁ、もうさぁ…と心の中でぶつくさいいながらも、仕方なく売れ残った幕の内弁当的なやつを買い、のぞみ乗車。まだホメレナリンが出てるのかあんまり寝れず、とりあえず弁当をばくばく食べた。意外にうまい。駅弁ってなんで駅弁ってだけでこんなうまいんだろう。駅弁を家で食べたらうまいんだろうか?


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