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Life Stories.

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人生の物語をまとめたインタビュー集です。
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#はたらくってなんだろう

“何者か”になれなくてもいい。わたしは私。 会社員を辞め、移住10年を経て三星千絵さんが気付いた、人生で大切なこと。

「30歳くらいの時期って、人生に迷うよね」 三十路をちょっとすぎた年齢になって、友人たちとよくそんな話をするようになった。僕自身、30歳のちょっと手前で「これからどう生きていこう?」と悩んでフリーランスになった経緯があるから、「迷ってたなぁ、あの時期」なんて、しみじみ思う。 キャリアデザインの文脈では、20代後半から30代前半にかけて、つまり人生の4分の1を過ぎた時期に訪れる人生への焦りや停滞感を感じる時期ことを、「クオーターライフ・クライシス」と呼ぶようだ。 しかし、

15年間、口にできなかった夢。肩書きを捨て挑んだら、命の実感が湧いてきた-シンガーソングライター・はたなかみどりさん-

“そのひとこと”を口にしてしまったら、それまで生きてきた世界には引き返せない。そんな言葉が、僕にもあなたにもあるはずだ。 その言葉には、夢とか、目標とか、肩書き、とかいう名前がついていたりする。もしかしたら、想いをよせる人への告白という名前かもしれない。 胸に手をあてて、“そのひとこと”を誰かに伝える自分を思い浮かべてみる。 すると、僕の手はじわりと汗ばんでくる。心臓がどきりとして、息はすこしくるしくなる。 一度“そのひとこと”を発すると、まるで大きな川に足を踏み入れ