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源氏物語の旅 序章〜目次

序章

この旅を思いついたのは、四年ばかり前だ。朝霞市の公民館で源氏物語を講じる様になってから一年ぐらいたってのこと。その時は機未だ熟さず、もう少し源氏を読み進んでからということになった。

その機熟して今回の旅となったわけである。
「源氏物語の舞台だから訪れるのではなく、源氏びと(王朝びと)の内生活の記念の場所だから訪れるのである」とは、池田弥三郎氏の「カラー源氏物語」に説かれた言葉である。なるほど源氏は物語で小説である。実名や地名も使ってあるが虚構物語である。物語により真実性を持たせる為にそれらを使ったのである。地名や寺社の名も物語にあるが、一千年余を経た現在、当時の場所にそのままにあるとも限らず、また寺社の変遷も多い。舞台そのものとして見るには疑問が多い。ただ確かに、王朝びとは、この京都に生活し、恋愛し、哀歓を繰り返した。

牛車に乗って寺社にも参り、東山、北山、西山を眺め、飲食もなし、家にふさわしい調度を使用し、死しては、蓮台野、化野、鳥辺野に葬られていった。その内生活の記念の地である。池田氏の言まことに、むべなるかなである。

二月に選んだのは、観光客の少ないのをねらったのである。本当は、桜花の時、青葉の時、紅葉のさ中に訪れたい。併しこれでは自由に見て歩けず、宿舎の確保にも苦労する。また二月は新幹線の割引もある。新幹線の切符は蛭田さんに購入して頂く。その他宿舎についての手続き等、お世話になったことも多い。

目次

昭和五十六年

二月十六日(月)

序章
義仲寺
石山寺
渉成園(枳殻邸)
智積院会館(宿舎)

二月十七日(火)
勤行
京都御所
廬山寺
上賀茂神社
下鴨神社
大徳寺
紫式部の墓
雲林院
北野天満宮
紙屋川
清水寺

二月十八日(水)
智積院内
嵯峨野へ
野宮神社
常寂光市
有智子内親王の墓
落柿舎
清涼寺(釈迦堂)
大党寺
民恵さん宅
嵯峨天皇陵
仁和寺
花のいえ(宿舎)

二月十九日(木)
法輪寺
亀山公園
臨川寺
妙心寺
佐久間象山の墓
佐藤玄々の墓
竜安寺
金閣寺
短歌義仲寺
古都の旅

昭和五十七年

二月十五日(月)
序章
宇治へ
宇治橋
羅城門
槇尾山
橋姫社
平等院
塔の島
琴坂
興聖寺
宇治神社
宇治上神社拝殿
橋寺
三室戸寺
桓武天皇陵

二月十六日(火)
勤行
石清水八幡宮
住吉神社まで
住吉神社
鞍馬寺
四天王寺


二月十七日(水)
三千院
寂光院
小野の里
松ヶ崎

二月十八日(木)
大原野
桓武帝乙牟漏皇后陵
業平とその両親の墓
東寺
長岡天神
大原野神社

短歌



昭和五十八年


二月二十一日(月)
序章
粟田
天智天皇陵
逢坂の関(蝉丸神社)
三井寺(園城寺)

二月二十二日(火)
勤行
比叡山
比叡山ドライブウェー
東塔大講堂
根本中堂
戒壇院
横川中堂
恵心院
元三大師堂
道元禅師得度霊跡碑
比良
浮見堂
日吉神社
志る幸

二月二十三日(水)
醍醐
音羽山
勧修寺
氷池園
随心院
醍醐天皇陵
朱雀天皇陵
醍醐寺
三宝院
一言寺
法界赤寺

二月二十四日(木)

平安博物館
寿司ジャンボ
短歌逢坂の関
冬の比叡山

昭和五十九年

二月十四日
海石榴市観音 長谷寺参り

昭和六十三年

四月一日

白楽天の墓参り
短 歌

平成五年

七月二十九日
福井県武生への旅
短歌

あとがき

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