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ジェネラティブアート作成時の頭のなか

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[ 全部無料 ] ジェネラティブアートはどのように作られているのか。作品に至るまでの考え方をプログラムリストと共に記しています。紙上ライブコーディング。取り扱うプログラムは #つ …
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ひと工夫の試み:ノイズを使った曲線描画

 先日、少し時間ができたので、ノイズを使った曲線描画を試してみた。なかなか良い感じだったし、#つぶやきProcessing 化もできたので、Twitter にて発表した。 忘れないうちに、この時に考えたよしなしごとついて記しておこうと思う。 文字数削減前のコード  まず、このコードを読みやすくするために、圧縮前のプログラムを掲載する: def setup(): size(500,500) colorMode(HSB) noStroke()def dr

280 文字以下で実現する、レイマーチングを用いた立体的な雲画像の生成方法

 車を走らせていると、青空を背景に白い雲がぽっかりと浮いていた。下の方は灰色の影を有していて、上の方は太陽に照らされ白く輝いている。なんとも立体感が凄い。  こういう雲を描いてみたいんだよなぁ…などと思いつつ、そういえば、立体感のある雲を CG で生成する場合、レイマーチングを使うんだっけか、と昔勉強していた日々を思い出す。  なお、レイマーチングについては、以下のページ "(1/2) Behind The Scene: Cloud Raymarching Demo" h

ジェネラティブアート制作時の頭のなか - 番外編 ストレンジアトラクタ作品の場合

 年度末・年度初めは仕事が多くなる。年度末には、その年度の締めくくりに関する書類や報告会への参加などがあり、年度初めには新たに始める様々な試みに関する準備などに追われてこととなる。  そんな訳で、最近は以下のリンクに示すプログラム(といっても、正確にはこれを更に改良したもの)で生成したストレンジアトラクタをぼちぼちと発表する程度となってしまっている。今日は、予定していた事柄が 1 時間ほど早く終わったので、ここ最近発表しているストレンジアトラクタに関する作品をどのように作っ

銀河の作りかたと究極の疑問の答え

 今日は銀河の作りかたである。これだけ書くと、なんだか SF 小説の一部のようである。残念ながら Processing でのプログラミングに関する話であり、ジェネラティブアートの話である。 なので、とち狂ったマッドサイエンティストも出てこないし、スペースオペラでもない。創作 SF を期待された方に対しては申し訳ないとしか言いようがない。  銀河を模した作品は過去にも何作か作っているので、作りかたについてもどこかに書いた気もするが、どうも書いていないみたいだ。 プログラム

夕焼けと三日月の作りかた

 Twitter には素晴らしい写真が数多く掲載されている。先日拝見した John Kraus さん( @johnkrausphotos さん)の写真もそのような美しい写真のひとつである。 なんとも言えない、味わい深い黄昏時の風景である。暖かくなったら、私もこのような写真を撮ってみたいものである。  さて今日は、この美しい写真をお手本として、プログラムで模写してみようと思う。 実際の夕焼け空を模写するのは、実は初めてではない。既に実施した経験がある。 この作品は、次の

ボルボックス的な何か

 猫もそうであるが、生物をプログラムにより描画したいという欲求を私は持っている。猫のような高等生物をアルゴリズミックに描くことはおそらく難しいのではないだろうか。一方、微生物については猫よりも単純な形をしているものも多い。アルゴリズムによる生物の描画も、個体発生は系統発生を繰り返すという言説が当てはまるのかもしれない。  そこで、今回は引き続きボルボックスをテーマとしてプログラムを作ってみよう。ボルボックスの写真はもとより、それを模式的に描画するイラストを眺めて構想を練る。

計算能力は画質を向上させる - ジェネラティブアート制作時のあたまの中

 今日は、球面上を等間隔に覆う螺旋を用いた作品について説明する。この方法を用いた作品は過去に作っており、その解説についても既に発表済みである。 上のページにも掲載しているが、こちらにもリンクを掲載しておく。この球面上を等間隔で覆う螺旋は、厳密にいうと、「ほぼ」等間隔で覆う螺旋、となる。物理シミュレーションなどでは、もしかすると影響が出るのかもしれないが、ジェネラティブアートで使う場合には(おそらく)問題は出ないと思う。 山路敦 著、多数の点を球面上に一様分布させるソフトウ

プログラムで入道雲の動画を作る

 #AltEdu2022 も無事終わったので、今日は、先日発表した入道雲の静止画作品を動画にしてみようと思う。 ざっと、setup と draw 関数を書いてみるとこんな感じになる。frameCount の値をノイズ関数の引数に使うことにより、アニメーションを実現する。 def setup():size(500,700);noStroke()def draw(): f=frameCount*.1 background(80,140,200) for i in ran

計算画の提唱 - ジェネラティブアート作成時の頭のなか 番外編 #AltEdu2022 28 日目

本日のお題 いよいよ #AltEdu2022 も最終日である。最後のお題は「100 年後の誰かに向けてコードを書いてください」とのこと。 どのようなコードを書くべきなのかは、まだ決まっていないが、書くべき内容は少し前から決まっていた。 計算画または数理画 それは、計算画または数理画というジャンルの提唱である。これらの用語は絶対的なものではなく、もしかすると数画・数理絵画・数理的絵画・計算絵画・算画などなど、様々な言葉が思い浮かぶ。でもまあ、とにかく、これまで私が作成してき

ジェネラティブアート作成時の頭のなか 番外編 #AltEdu2022 27 日目

 #AltEdu2022 も残すところ今日を含めてあと 2 日。そして今日のお題は、これまで作った作品を振り返って自慢する、とのこと。 #AltEdu2022 で作った作品を家族にみせると、作者である自分とは異なる評価が得られて面白い。  私としては、この作品をまずは自慢したい。 空と雲という題材に興味を持っている自分としては、会心の一作だと感じている。具体的な情景を描いた本作は、ジェネラティブアートではないのかもしれない。しかし、限られた文字数のプログラムで絵を書くと

ジェネラティブアート作成時の頭のなか #AltEdu2022 26 日目

 本日のお題は「コンピュータに『ありがとう』と思うようなコード」とのこと。 コンピュータに感謝といえば、莫大な計算をこなしてくれる点にある。手作業で計算していたら、一生かかってもできない程の計算を一瞬で行ってくれる。  というわけで、コンピュータに感謝するコードは、ある程度の計算負荷をかけるプログラムにしようと思う。 かねてより、ノイズ関数の勾配については、どのようなものになるのか興味を持っていた。なので、それを計算するプログラムを書いてみる: size(500,50

ジェネラティブアート作成時の頭のなか #AltEdu2022 25 日目

 今日のお題は「新しい時計」とのこと。 実は時計についてはここしばらくぼんやりと考えることが多い題材であったりする。というのも、少し落ち着いたら M5Stick C Plus で腕時計を作ってみようと思っているからだ。 とはいうものの、なかなか良いアイデアを思い付けていない。そういう意味でも今日のお題は結構難しい。   時計というのは実に標準化された規格である。新しい規格を提案・普及させることはかなり難しい。面白いもの・役に立つものであれば、おそらく普及するのであろうが

ジェネラティブアート作成時の頭のなか #AltEdu2022 24 日目

 本日のお題は、コンピュータアートの歴史を調べて、過去の作品を参照してコードを書く - とのこと。 温故知新。というわけで、ジェネラティブアートの歴史というか、最初の作品について調べてみると、1968 年に Georg Nees により制作された Schotter という作品のようである。  日本語だとこちらのページに解説がある。 奇しくも、ここ数日の作品で使った技法で記述できそうである。いや、そうではなく、今日のお題も一応下調べはしているので、もしかしたらそれらが無意

ジェネラティブアート作成時の頭のなか #AltEdu2022 23 日目

 本日のお題は、おやつやお茶を食べたり飲んだりしての感想をコードで表す - とのこと。 今日は天皇誕生日で祝日ではあるのだが、年度末が近いこともあり、今日も休日出勤しなければならなそうだ。こんな状況なので、おやつを食べながらコードを書く時間はとれそうにない。なので、朝食を摂っている今、先日食べたおやつを思い出しながらコードを書いてみようと思う。ちなみに朝食はトーストに苺ジャムなので、これ自体がおやつみたいなものではある。でもまあ、それはそれとして。  先日、久しぶりにコン