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●There's a place 心の在り処、 (BEATLES ESSAY 19)

ビートルズの日本に於ける2番目のアルバム、セカンドアルバムの裏面には、ビートルズNo.2と書かれている。どちらにせよ、彼等の2番目のアルバムにはちがいない。僕たちはその頃と言えばオリジナルの英国盤の"With the Beatles"の存在などは知る由もなかったのだ。日本のファンは、日本のセカンドアルバムこそ彼等の2番目のアルバムであると信じて疑わなかったのである。ですから、その後、彼等の来日記念盤として発売される事になる、”ステレオ、これがビートルズだ。No.2"が発売されても、それが彼等の2枚目の英国オリジナル“With the Beatles"であるという事を知るのはずっとたってからのことだった。皆はそれが彼等の来日を記念して編まれた、ベスト盤だと思っていたのだった。僕はベストアルバムにしてはなんだか変だと思っていました。なぜなら普通、ベストアルバムだったら、当然、”抱きしめたい”や”シー・ラブズ・ユー”は入っているでしょうし,選曲もあまりに地味に感じたものです。
  日本のファンのビートルズの曲との関わり方というのが,僕はかえって英国本国よりよかった気がするのです。それは,僕たちが日本盤で育って来たからに違いないのです。どうしても曲順は日本盤びいきになってしまいます。英国盤の”It won't be wrong"で始まる“With the Beatles"より”Can't buy me love"で始まるビートルズセカンドアルバムの方がよりレコードらしい気がします。でも今になって考えてみると,ヤァ・ヤァ・ヤァに収録されている,“Can't buy me love"がここに入っているのはかえって変ではあります。
 以前リバプールを訪れた時に僕はキャバーンクラブのそばのビートルズショップに立ち寄りました。店内には沢山のビートルズ商品が並んでいて,もちろんビートルズの曲が流れています。”It won't be wrong"がかかりました。するとその曲が終わった時にその店の店員はすかさず,“All I've got to do"を歌いだしたのでした。彼等はやっぱり、”With the Beatles"で育って来たというのが解りました。セカンドアルバムではなかったのです。
 僕はこのセカンドアルバムが大好きです。それというのも大好きな“There's a place"と"Not a second time"が入っているからです。この2曲はずっと好きでしたが,年を取るごとにこの曲がより美しく切なく聴こえてくるのです。世界一のバンドに上り詰める勢いと若さと青年の持つ憂鬱と不安もいりまじった、不思議な魅力に溢れているのです。こんな演奏は他の誰も出来るものではありません。なんていいのでしょう・・。恐らく,音楽の専門家にに言わせるときっと音楽的には大した事が無いなどというに決まっています。それが僕にとってはとんでもない位な大したものなのです。それに僕はこの曲のベースがとても好きです。なんだかとても楽しくなってくるのです。ブン,ブブンばかりですから、いつかぼくもできるようになるかもしれません。そうだ!、僕が,64歳になったら,誕生日にヘフナーベースを買って練習をはじめよう・・・。

2007/01/04(木) 20:52:00


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