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夏色まつりという不器用で真面目なVTUBERについて/ホロライブ

少し前から普段チャンネル登録しているホロメンの配信が減少していたのもあって、時間に余裕があった為これまで殆ど見た事の無かった夏色まつりさんの配信をアーカイブも含めて見ています。

その感想とかを書いていこうと思いますが、まだ浅いリスナーのいち感想という感じです。最初に結論だけ書いておくと凄く良くて、楽しい配信者という印象を持ちました。


■イメージと違う真面目さ

夏色まつりさんはぶっちゃけた話配信を見ていないとこういうイメージを持たれている可能性があると思います。
・下ネタメインで下品
・APEXばかりやっている
・素行不良

これはネットのまとめサイトや、YOUTUBE上で「ホロライブ 切り抜き」等でたまに出てくるサムネイルやタイトル等から受けていたイメージです。僕もこのイメージが強かったです。

実際に配信を見てみて、上記に上げた要素は確かにありますが他のホロメンと比べるとネットで多く出ている情報との乖離は、他のホロメンよりも大きく感じました。平均的なホロメンのまとめサイトや切り抜きのイメージと実際のキャラの差が10だとすると、夏色まつりさんの場合は30くらいの開きがあるかもしれません。

例えば下ネタに関して言えば、確かにホロメンが言わないようなセンシティブなキーワードを躊躇なく発言するシーンは、僕が見た配信の中だけでも何度かありましたが100話すうちの10~15くらいの割合かなと思います。それも前後の話の流れを聞いた上であればそこまで下品な内容というのは殆ど見られません。むしろ場を盛り上げるためのネタのひとつという感じです。

どちらかと言えば、ざっくばらんに歯に衣着せぬトーク内容もあってか他のホロメンであれば少し切り込みづらいかなという真面目なガチトークなどもあり、「この方はかなり真面目で色々考えているのかも」という印象を受ける事も結構ありました。


■ファンへの真摯さ

もうひとつ僕が配信を見て感じたのはリスナーやファンに対して真摯な姿勢ががっつり出ていると感じました。
これはわかりやすいコメントを拾ったりとか、スパチャ読みとかそういった部分もありますが例えば拾ったコメントに対して返す内容などがそう感じました。

また、直近で配信された朝配信の中で久しぶりに配信でスパチャを投げたファンの名前を見て「ええー!〇〇さんめっちゃ久しぶりじゃない?どうしたの。あれ、もしかしてコメントとかはしてくれてたのかな」というリアクションをしていました。

https://youtu.be/gH4-AzO_lMY?t=5535

1:32:20~

この、一人のスパチャに大き目なリアクションをするというのは人によっては不公平感が出るので避ける人もいると思います。ですが夏色まつりさんは大きなリアクションを取ります。久しぶりに見かけた以前に見慣れていた懐かしいファンの名前を見つけて、嬉しいという感情を隠していませんでした。

リスナーやファンからすると、これは自分ではなくても嬉しい部分でもあると思います。「まつりちゃんはちゃんとリスナーを見てくれてるんだ」という嬉しさや誇らしさと、自分達の方を見てくれているという気持ちに繋がります。


夏色まつりさんはホロライブの中では初期のメンバーです。初期のホロライブは今の様なアイドル売りをコンセプトに掲げていた訳ではないので、その初期と現在のホロライブ自体のコンセプトギャップに苦しんだ部分もあるのかもしれないとも思いました。
例えば初期では良しとされていたスタイルでファンになったリスナーを無視してアイドル路線に振り切ろうと思えば振り切る事は出来たのだと思います。これは完全なる憶測ですが、リスナーに対して真摯である部分がある為に初期からのファンに対して急に路線変更してある意味裏切ってしまうような方針転換が出来なかったのかもしれない、というのは頭の中をよぎりました。

ちなみに切り抜きでもこういったものがありました。



■本質を把握する能力の高さ

前述した朝活動画の中でゴキブリについて語るシーンがありました。

https://youtu.be/gH4-AzO_lMY?t=2968

49:25~

要約すると下記になります。

・ゴキブリ自体は生き物として嫌いとは思わない
・例えば外の道端とかで見ても嫌だなとか思わない
・何が嫌かって人の家に勝手に入ってくるのが嫌
・勝手に入ってこられたらゴキブリじゃなくても嫌だよね

僕はそれなりに自分自身でも色々なものを読んで見聞きしてきたつもりではありましたが、ゴキブリがなぜこんなに嫌われるのか、これ以上にしっくりと納得できる理由については初めて出会いました。

確かに道端など外でゴキブリに出くわしても「うおっ」とはなりますが、家の中で感じるほどの嫌悪感は感じません。どちらかと言えば蜂などに出くわした方が「うわぁっ!」となります。
もし蜂や他の虫が、何かにつけて自分の家に侵入してきて頻繁に僕たちの前に登場して混乱をさせてくるのであれば、それに対してゴキブリと同じような嫌悪感を抱く可能性が高いと思います。

家は自身の縄張り、テリトリーで、その自身の大切なスペースを他者に侵食される事は非常に不快でストレスです。ゴキブリに対する嫌悪感の大きな一旦というのはここに端を発しているのかもしれません。

こうした、物事に関する本質的な部分を正確に捉えられる、又は別の角度から考えたり見て本質的な部分に近づけるというのは、その人の性質として他の事でもその能力を発揮する事が多いです。
これはある意味では数学的な能力で、例えば因数分解を理解した子供や人がその考え方やものの見方を様々なシーンで活用できるのと近いです。

それはこの動画からも見て取れます。

びっくりするくらいモノマネが似ています。

これも本物に似せて模写をするという、本質的な部分をいかに正確に捉えるかという能力の高さがわかりやすく表れています。
特にやる気のないみこちのにゃっはろーや、兎田ぺこらのものまねは驚くほどの再現度です。


■新規が少ないのではないか

配信を幾つか見て思ったのは

・高いトーク力
・地頭の良さ
・安定した配信頻度
・ファンサービス

もっと視聴者数があってもおかしくないのになと思いました。

HOLOデータ分析を見るとそう感じました。
根拠ない予測ですが、新規の流入が少ないのかなと思いました。これは僕自身もそうですが、このブログを書いていなければ積極的に推し以外の配信を見ようとは思わなかったので夏色まつりさんの配信も見る事はなかったかもしれません。
それは冒頭に書いたイメージの部分があるからかもしれません。
何となくAPEXばかり配信しつつ下ネタ中心のトークをしているのかなというイメージのまま配信のサムネイルを見かけても入らなかった可能性はありそうです。

これが合っているのかどうかはわかりませんが、そういう意味ではネットのまとめや切り抜き動画の影響力というのは凄いと思います。


ただ、ファンのまつりすの人達のチャットやまつりさんとのやりとり等を見ていると、とても雰囲気が良くファンの人達もみんな夏色まつりさんがとても好きなんだなというのが伝わってきます。
これは普段のまつりさんのこれまでの積み重ねがあるからこそだろうなと思います。

このあたりのリスナーとの関係性は僕が見た事のあるホロメンだと兎田ぺこらさんや角巻わためさんとかと近い感じかもしれません。


■持たれてるイメージとの乖離

ここまで、
高いトーク力
地頭の良さ
本質を見抜く能力
など、その高い能力の割に持たれている誤解が多いというのが印象としてありました。

あともうひとつ僕が最近まつりさんの配信を見ていて感じたもう一つの特徴的な個性が「不器用」というところです。

上の動画などをコメントなども含めて見るとわかりますが、とても純粋で真っすぐな一面があります。

そういった面をもっと計算高く上手に使っていけばもっともっとたくさんのファンを囲い込んでいけると思える能力の高さがありますが、それを器用に表に出せていない不器用さもあるのかなと思いました。

例えばこのシーンではもっとこういう立ち回りをすれば評価が上がるのに、という部分でもそれは自身のポリシーに反するから、という感じで損な立ち回りを敢えてしてしまう等もあるかもしれません。


ファンの人達はそういった少し不器用なところもひっくるめて夏色まつりさんという人が好きなのだと思います。


間違いなくこういった面というのは、ホロメンや運営にとっても欠かせない存在なんじゃないかと思います。ホロライブの重要な一人かと。
今後の活躍に期待です。



■2023年12月19日 追記

もうこの古い記事にアクセスする人がいるのかわかりませんが、先日ちょっとした炎上手前くらいの事がありました。

VCRGTAでの配信中に絡んでいた別の男性配信者と疑似SEXを行ったというものです。詳しくはリンク先を見て頂ければと思います。

Xでこの件が流れてきて、僕も動画を見ましたが「なるほど」という印象でした。

GTAの方向性上グラフィックはリアル寄りで、実際に動画を見てみると妙な生々しさがありました。プレイした事がないのですが元々ゲーム内でもそういった行為が表現されるシリーズだったので、夏色まつりさん側の女性キャラの足の開き方や膝の曲げ方、男性プレイヤー側の覆いかぶさる感じと、腰の動き方は実際の行為に近い見え方でした。

これはホロライブに特に興味が無い人であれば「面白い」という感じになりそうですが、ホロライブファンが見ると(人に寄りますが)絶句する、ドン引きするという感じになりそうな絵面です。

アイドルとセックスについては一見タブーの様なものではありますが、ファン心理としては自分を重ねてそういう妄想を楽しむ人も居ると思いますし、裏では彼氏(彼女)としているだろうなと意識の水面下では認識していたりするという曖昧な関連性があります。
ただし、一つ絶対的なのはアイドル本人からそれを匂わせる、曝け出すという事は無いという事です。

そういう意味では今回の件というのはその映像の生々しさもありますが、結構前代未聞な映像だったかもしれません。元々VTUBERという存在が疑似的というかバーチャルな境界線上にあるので、言ってみればアイドルのセックスシーンがふいに目の前に現れた的なものだったかもしれません。
炎上とはいきませんでしたがXでは概ね以下のパターンの意見が多かった印象です。

・夏色まつりなら今更騒ぐほどじゃないでしょう。
・ホロライブや他のホロメンのイメージが悪くなるからやめて欲しい。
・面白かった。

見ていて不思議だったのは「ああ、この人は夏色まつりさんのファンなんだな」という人のポストはほぼ見かけなかった事です。夏色まつりさんは中の人の活動もホロメンの中では比較的アクティブで、方向性としてはセンシティブなものかと思います(Fantiaは有料プランのみなので具体的な内容は知りませんがタイトルやキャプションを見る限り)。
少し話が逸れますが、まつりさんやノエルさん等の中の人の活動もアクティブなホロメンを推している人で、「まつりちゃんは推している。けど〇〇の方は興味ない」という人は居るのでしょうか。割合としてゼロではないと思いますが個人的には少数派なのではないかなという印象です。
そう考えた時に今回の騒動で夏色まつりさんをがっつり推している人のポストがあまり散見されなかったのは、そういうセンシティブな部分も理解した上で推しているから問題はない、という事であれば合点がいく感じはします。

ここまでは夏色まつりさん個人に焦点を当てて書いてきました。では今回の件はホロライブ的にはどうなのかというのを少し書いて終わろうと思います。

結論から言えば結構大きな印象ダメージを負ったのではないかなと思います。炎上まではせずに現在はほぼ騒動としても収まっていますが、ホロライブ推しの人にはかなり高い確率で今回の件は見聞きするに至っていると考えられます。直接的なダメージとして表には出ていなくても、VTUBERというリアル部分が隠されているが故に信頼性というのはより重要性が高くなります。当然人間なのでそういう「やる事はやってる”かもしれない”」というのはありますがこの”かもしれない”というどっちつかずの状態は重要です。「やる事はやっているんだろうな」という断定に寄ってしまうと時間やお金といったコストをかけなくなっていきます。
あとはタイミングでしょうか。
これが1,2年前なら良かったかもしれませんが今は成長が鈍化傾向に入るかどうかという何気に重要な時期だと思われます。
直近の記事に書いていますが、第一線でマーケットを引っ張っていったホロメンの活動量やモチベーションも現状維持以上になる見込みは無いように感じます。僕がチャンネル登録しているホロメンも2年前、1年前と比較すると明らかに配信頻度の減少などでユーザーとの接触時間が減少しています。
こうした時期にブランド価値が下がる、ファンからの印象が悪化する、という件は表立って出てくる数字よりも、ボディブローの様にゆっくりと効いてくるでしょう。

こちらの元記事で夏色まつりさんを「不器用」という部分をポジティブに見て書きましたが、今回はその不器用な面がマイナスな方向に出てしまった感じがしました。






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