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吐き気催す人間の悪意

久しぶりに反吐が出る程のニュースがありました。不倫が報じられた鳥羽周作さんと広末涼子さんの不倫に関連して、広末さんの鳥羽さんへの手紙が大々的に報じられた件です。

■倫理の崩壊した日本

もちろん全ての点では無いですが、メディアについてはもう報道の神聖さや倫理について崩壊していると感じます。

ウェブニュースの一部や、SNSでも書かれていますが「国民によるいじめ」の構造です。

漫画やドラマでよくあるいじめのシーンで
・誰かが書いたラブレターをクラスの皆がいる前で晒される
というのはよくあります。

この規模ですら人の倫理的には「畜生にも劣る卑劣な行為」です。

それを文春という大手メディアが日本人全員に対して行い、
テレビ局がワイドショーでナレーション付きで読み上げるという事が起きました。

さすがに現在一部記事などで下記の様な発信が増えています。


「不倫を擁護するのか?」という声と、この問題は別です。

僕はそもそも不倫報道には興味がないですし、鳥羽周作さんも広末涼子さんにも大した興味はありません。
ですが誰かが特定の誰かにだけ読まれる事を前提とした手紙が、全国規模で無断で公開されたという事には「まさか」と思う程驚きましたし、本当なのか?と疑ったレベルの出来事でした。


今の10代、20代の人はラブレターや、それに属する様な手紙を書いた事がある人はもしかしたら少ないのかもしれません。LINEなどがそれに当たるのかもしれません。
僕の世代では手紙で告白をする人が一定数いましたし、僕も書いた事があります。また、交際後にも口頭で伝えきれない時や、形に残るもので伝えたい時には手紙で相手に渡すという形で渡すというのは特別不思議な事ではありません。

そういった、書いた事がある人であれば、それが世間に晒される、友人、知人、関係者、仕事関係者、家族、親戚、近所の人、普段行くコンビニの店員、買い物にいく先の店員、レストランの店員、すれ違う人、駅員、、、等々、自分の周りのほぼすべての人がそれを知っているとしたら

どれだけの地獄か想像がつくと思います。


文字通りの地獄です。

僕はこの報道を最初にTWITTERで見かけた時に、大袈裟でもなく、ここ数十年でも上位3つに入る程嫌な気分になる報道でした。

あなたが晒された側の立場だったらどう感じるでしょうか?

しかも今回は不倫という背景があり、叩く理由、叩くのに正当化できる理由があります(本来はありませんがそう受け取れる)。メディアはより一層慎重な判断が求められる状況です。
そもそも慎重な判断というより、火を見るより明らかな「公開すべきものではない」ものですが。


■悪意、敵意

こうしたものは所有者が道端で落とさない限りは外部に出るものではありません。それ以外ではその本人の部屋に出入りができる人に限られてきます。

そうなると鳥羽さんの家族、広末さんの家族の可能性が高くなります。憶測ですが可能性の話として。
報道では交換日記的なものの書かれ方をしていました。
そうすると例えば鳥羽さんから広末さんに渡ったタイミングで例えば旦那であるキャンドルジュンさんが見つけたとしても、鳥羽さんからのメッセージだけではなく広末さんのメッセージも確認できるので、ある意味LINEのやり取りに近いのが交換日記なのかもしれません。勿論逆のケースも然りです。

不倫は人によって様々な捉え方がありますし、基本的には悪い事という概念があります。少なくとも日本に於いては。

発覚すれば相応の痛手は食らいますし、争った時にペナルティも存在します。

ですが今回の手紙の流出は、僕の感覚からすれば
「やり過ぎな復讐」です。

何度も書きますが個人的な意見としては
殴られた仕返しに刺し殺した、というレベルの復讐です。

法的には違法ではありません。その為過剰防衛というブレーキは作用しません。だからこそ流出させた側はただ広末さんに苦痛を味あわせる為だけに流出させたのではないかと思います。

これは敵意であり、悪意です。

そして何よりも問題として大きいと感じたのが、
この復讐にメディアが乗ってしまった事です。

不倫が問題となる行為で、社会的影響力のある人物が行っていた場合、それは報道に乗せるのは納得はできる部分です。
ですが、敵意、悪意をもった復讐を報道で公共性の高い電波やメディアにて報じるのは別問題で、倫理観が崩壊しています。

超有名人の不倫という事で問題がぼやかされている感がありますが、やっている事は〇〇中学校の鈴木さんという女子生徒が書いたラブレターを、大手週刊紙が公開して、ワイドショーがテレビで全国放送でナレーション付きで笑いものにしながら公開した、というのと同じです。


■SNSで意識は感染していく

公開と共にSNSでは手紙の内容を嘲笑う発信で溢れかえりました。

一部の影響力のある人が、上記リンクの様な形で私信が公開されるのはおかしいと声を上げたことでようやく少し今回の件が問題視されるようになりました。

ですがSNS上ではこの敵意、悪意に無意識に感染された人達によって凄まじい勢いで嘲笑と攻撃が拡大していきました。

これがもし旦那へ向けたラブレターであれば仮に表に出たとしても世間の反応は180度違っていた事でしょう。なんて可愛い人なんだと。

そう考えると根底には
・不倫は悪である
・悪は叩いていい、いじめて良い
こういう意識があるのは否めませんが、SNSを通じても人の意識は影響しあって感染していくのだなという事を改めて感じました。


「人の意識は感染する」

例えば近くにイライラしている人がいると、こちらもイラついてくるというのはよくある事です。人の意識は伝播して拡大します。

今回、流出させた側の持っていた攻撃的な意図がSNSを介して伝播していきました。怖いとも感じました。あの手紙流出の画像や内容を見た人は無意識に【こんな事を書く広末涼子を笑え】という流出させた側の意図をくみ取ります。
勿論僕も見た瞬間その意図をくみ取りました。

そこでそれに乗るか離れるかは倫理観や価値観や理性に左右されます。

これは学校でのいじめ等とは違い、攻撃する側に参加しなかったからといって自分側にダメージやマイナスはありません。

単純です。自分はどうしたいのか、だけです。


人の持つ攻撃性は本能的な部分が大きいです。
様々な研究からその攻撃性の強さが論じられています。
それをコントロールするのが理性であり、理性は倫理によって決定されます。


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